「見てはいけない」「開けてはいけない」「食べてはいけない」「振り返ってはならない」・・
神話や童話には「禁忌(タブー)」を破ったために、思いもよらない災難に見舞われることがありますね! ( ゚д゚)
「浦島太郎」「鶴の恩返し」「眠り姫」「アダムとイブ」
「イザナギの黄泉の国訪問」などなど・・
そんな「禁忌」について、いくつかのお話を挙げてみます ^ ^
ギリシャ神話 「プシュケのアフロディーテからの試練」
プシュケはアフロディーテから、冥界に行き「美の箱」を持ち帰るよう命じられます。
その時「塔」がプシュケに冥界への行き方を教え、助言をします。
「あわれな人々に会って助けを求められることが3度あるだろうが、どの時も心をかたくして、同情心に動かされず、彼らの助けを拒みなさい」
1. 足の悪いロバを引く足の悪い御者が、束から落ちた小枝を取ってくれと頼んでくる。
2. 三途の川を船で渡る時、老人が船に引き上げてくれるよう言ってくる。
3. 布を織る老婆たちが、織物を整えるのを手伝うよう求めてくる。
さらに、冥界に着いた時・・
「冥界では親切に椅子を出され、素晴らしい朝食を勧められるでしょうが、それらを辞退しなさい。
地面に坐り、粗いパン一片だけを食べるように」
❇︎ これは「黄泉戸喫(よもつへぐい)」ですね! (・Д・)
黄泉戸喫とは「黄泉の国の食べ物を食べること」です。
それにより元の世界に戻れなくなってしまいます。
それらを守ったプシュケは、無事目的の「美の箱」を手に入れますが・・
帰りに「開けてはならない」というその箱を開け、中に入っていた眠りの魔法にかかってしまうのです・・
(後に夫エロスに起こされ、めでたし、めでたし!(゚∀゚))
アラビアンナイト「アラジンと魔法のランプ」 魔法の洞窟
アラジンは魔法使いに、洞窟へ入りランプを取りに行くよう命じられます。
その時こう言われます。
「石段を降りると四つの大広間がある。
広間にはそれぞれ壺があり、金や銀の宝物が入っている。
けれど、それには手を触れてならない。
大広間を通り抜けると果物園があり、たくさんの果物がなっているが、それも取ってはいけない。(実はこの果物は宝石です)
そこを通り抜けると階段があり、それを登ると目の前に壁龕(へきがん)がある。(=壁の窪み)
そこにランプが灯っているから、それを下ろし、中の油を捨てて持ち帰りなさい」
帰りには果物を好きなだけ取っても、何をしてもいい 」
言いつけを守ったアラジンは、無事魔法のランプを手に入れるのです。 (そして物語は続きます・・)
ノルウェーの民話 「海の底の臼」
むかしむかし、裕福な兄と貧乏な弟の兄弟がいました。
ある年のクリスマス・イブ、弟は兄に食べ物を分けてくれるよう頼みます。
兄が「何でも言うとおりにするのなら、ハムをやろう」と言うので、弟が了承すると、兄は弟にハムを渡して地獄へ行くよう命じました。
約束してしまった弟は、そのハムを持って地獄へ出発します。
そして、途中で出会った老人にこう言われます。
「地獄じゃみんなが、おまえからハムを買いたがるが、扉の後ろにある挽き臼のみを対価として、ハムを売るように」
地獄では、悪魔たちが、アリや毛虫みたいにうようよと弟を取り囲み、いろいろな物を売ってハムを買おうとしますが、老人に言われた通り弟は譲らず、扉の後ろにある挽き臼となら交換してもよいとして、挽き臼を手に入れます。
その後、弟は老人に挽き臼の回し方を教わり、うちに帰って、クリスマスのために必要なものすべて・・明かりや・テーブルクロス・クリスマスのご馳走などを、次々に臼から挽き出しました。
(物語は続きます・・)
「アラジンのランプ」と「海底の石臼」からは、「目的のものを手にするまでは、他のものに気を取られないように」と釘をさされているように感じますね! (・∀・)
「見てはいけない」「開けてはいけない」
「○○するように」「○○しないように」・・
このような禁忌の多くは破られます・・(お約束!^o^)
(破らないとストーリーが成立しない? (゚∀゚))
(ちなみに、してはいけないと言われればしたくなる心理現象を、
「カリギュラ効果」といいます)
・・もし自分が同じ立場だったら・・
ぜったい!、 破りませんよね!(怖いし! ( ̄∇ ̄))
開けないよ!(°▽°)