山門の右手の駐車場の一角には、木材が積み上げられています。これらはすべて安洞院周辺の樹木の伐採で出たもの。比較的まっすぐで形が良く、材として使用できそうなものを一通り残しました。

先日は、本堂裏の開山堂・第二、第三位牌堂にエアコンを設置するにあたり、室内機を設置する場所の建具の下見がありました。当山では長くお世話になっている、保原の白井木工所様です。今回は室内機への吸気を行うためのスリットを造作していただきます。見栄え良く、中が見えないように格子や可動式の意匠を組み込む予定です。

この機会に、木材を家具や仏具に活用するための製材のポイントやコツなどを相談させていただきました。


現在積み上げてあるのは、大きなケヤキを筆頭に、福島市の指定保存樹だったモミジ、参道周辺から伐採したマツになります。それぞれに固さや木目の特徴などを踏まえ、板にして挽く際の面の取り方や厚みなどについて詳しくレクチャーしていただきました。

現在、いくつかの材木は上の写真のように雨が当たらず蒸れにくいように屋根をかけて乾燥させています。これからの保管場所については安洞院では限界がありそうなので、文知摺観音普門院の大駐車場に屋根をかけて積み上げておく予定です。歪みが出て暴れやすいケヤキなどは使用予定の倍ぐらいの厚みに挽いて、10年ほどは寝かせておく必要があるとのこと。一筋縄では行かなそうですが、だからこそ実現させたいものです。

画像イメージを読み込んで、AIにイラストを描いてもらいました。(一枚板のテーブル、スケッチ風、スチールの細くてシンプルな脚、たて100cm・よこ300cm・厚さ40mm)


ケヤキは主に仏具や一枚板のテーブルやカウンターに。モミジはサイドテーブルやチェア、余りの端材はお寺のオリジナルの焼印入りのまな板を。マツはテーブルやあずまやの原料などにも使用予定です。これから製材〜乾燥〜を経て、職人さんの技で生まれ変わっていきます。


また、願わくはこれらの木材をしっかりと生かしながら、一本一本の木にまつわる歴史や先祖の記憶を活かし、辞世代へと歴史とともに仏具や家具の形で残していきたいと考えております。ケヤキはまだ先になりそうですが、できる限り早く、檀信徒のみなさまが日常使用するようなものに形を変えて制作していく予定です。

どうぞ楽しみにお待ちください。


住職


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客殿しのぶ会館の照明リノベーション工事として、今回は広間のスポット照明が新たなに追加されました。主に会食がメインの部屋ですが、25名までの家族葬の場合はこちらの広間に簡易祭壇を設置して通夜葬儀を行うこともあります。ちょうど正面の床の間部分にご本尊がかけられ、祭壇が設置され、その両脇にスタンド生花が入ります。

立派な式場なのに、なんとなく物足りない。

それはおそらく、照明器具の不足による問題でした。

今回の照明工事では、祭壇全体を照らすための後方からの広角ライト(天井直付)、祭壇両脇のスタンド生花を照らすためのライティングレールの照明という、二段構えの照明を導入しました。それぞれ独立した調光が可能となっており、レール照明の方はスタンド生花の数に合わせて数や明るさを調整できます。


よく見ると、この床の間は正面よりやや左寄りに設置されており、座敷の中央のシンメトリーが左右非対象になっていることがわかります。それを踏まえて照明器具を自然に見せるためにどうしたら良いか、実際に器具を当てながら作業が進められていきます。

当院の作業は設計図や図面は一応あるものの、現場の判断でライブ的に決めていくことが多いです。いざ図面通りにやろうと思ったらうまくいかなかった、それならばこっちの方が良いのではないか、そんなやり取りを現場で行いながら、当意即妙に空間を作り上げていきます。

今回導入したライティングレールは白や黒の既製品だと目立ってしまうため、天井の木材の色に合わせてカスタム塗装を施しました。天井を分断しないことにより空間が途切れることなく、人間の視点からはとても自然に見えます。さらに、中のビスも茶色のマジックで塗っています。このような小さな配慮のひとつひとつが、空間をしっかりと作り込んでいくのですね。

家族葬の祭壇を設置して棺を迎える際には、やわらかな光で故人様やご家族をお迎えできる空間になりそうです。基本的に普段の法事では使用されない照明ですが、然るべき時には電気も心もスイッチをオンにして、皆様のお迎えのために使用させていただきます。


以上、会館ロビーに続いて、祭壇照明の工事のご報告でした。

次は、いよいよ最終段階、墨蹟や仏像を照らすための床の間の照明工事に入ります。この床の間の照明が終われば、客殿はトイレ台所含むすべてがLED 化されることになります。長い長い道のりでしたが、お寺自体は8割までLED化の完了というところです。


住職


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本堂の大規模な照明リノベーション工事が完了、続いて客殿しのぶ会館の照明リノベーション工事に着手しました。本堂の新しいシステムを組むにあたって使用しなくなったスポットライトが多数あったので、それらを全て再利用しました。

客殿の課題は2点。

①玄関ロビーの照明が不足している。

②家族葬の祭壇を設置した時の照明が若干足りない。

十分と言えば十分な設備でしたが、本堂の照明工事のノウハウを活かし、電気屋さんと一から設計を考えて工事が始まりました。


玄関のロビーは茶色の格天井(ごうてんじょう:格子状に四角い枠で切られている構造の天井)でしたので、枠に沿って黒のライティングレールをコの字型に設置しました。さらに、こちらからは何も伝えていなかったのですが、職人さんたちがシルバーのネジの部分を黒いマジックで一つ一つ丁寧に塗ってくれていました。

これは以前にも本堂の照明で何度もやり取りしてきた内容。さりげなく小さな部分への気遣いをしてくれる心意気には泣かされます。


主題を活かし、アート、展示、人の座る場所の卓上、など、角度調節可能なスポットライトで必要な部分を照らしていきます。スポットライトには照射角があり、幸いなことにこちらのライトは25度前後の集光タイプのライトでした。しっかりと主題を浮かび上がらせていきます。

また、画面奥に見える巨大な彫刻。よく皆足を止めてくださる、太いケヤキをくり抜いて作った龍の彫刻です。こちらは当院の檀家でもある仏壇のふくば様の故・羽田勝雄会長が寄贈してくださったものです。こちらも照明の影になっていたので、2方向からスポット照明を当てて彫刻が美しく見えるようにしました。


寺院の玄関はお寺の顔である。

父である前住職が昔からよく言っていた言葉です。私も20代の頃はよくわかりませんでしたが、今はとてもよく分かる気がします。

式典や会食でお招きをいただいたホテルのロビーや、美しいギャラリーの玄関を抜けたロビーなどで息を呑むような光景に出会った時、人を迎える美的感覚というものに深く思いを馳せています。

明日には床面のワックスがけの作業が入り、奥のスペースにはゆっくりと腰掛けながら書物や雑誌を閲覧できるイスなどを設置していく予定です。

お彼岸にお参りの際、会費の支払いや御朱印の待ち時間にもご活用いただけます。また、現在は郷土ゆかりの版画家・齋藤清の版画を中心に展示していますが、季節やコンセプトによって展示内容も変えてまいります。どうぞお楽しみに。


まずはロビーの工事完了、次に広間の祭壇スペースのリノベーションに入ります。

たかが照明、されど照明。

奥が深いですね。


住職


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