客殿しのぶ会館の照明リノベーション工事として、今回は広間のスポット照明が新たなに追加されました。主に会食がメインの部屋ですが、25名までの家族葬の場合はこちらの広間に簡易祭壇を設置して通夜葬儀を行うこともあります。ちょうど正面の床の間部分にご本尊がかけられ、祭壇が設置され、その両脇にスタンド生花が入ります。

立派な式場なのに、なんとなく物足りない。

それはおそらく、照明器具の不足による問題でした。

今回の照明工事では、祭壇全体を照らすための後方からの広角ライト(天井直付)、祭壇両脇のスタンド生花を照らすためのライティングレールの照明という、二段構えの照明を導入しました。それぞれ独立した調光が可能となっており、レール照明の方はスタンド生花の数に合わせて数や明るさを調整できます。


よく見ると、この床の間は正面よりやや左寄りに設置されており、座敷の中央のシンメトリーが左右非対象になっていることがわかります。それを踏まえて照明器具を自然に見せるためにどうしたら良いか、実際に器具を当てながら作業が進められていきます。

当院の作業は設計図や図面は一応あるものの、現場の判断でライブ的に決めていくことが多いです。いざ図面通りにやろうと思ったらうまくいかなかった、それならばこっちの方が良いのではないか、そんなやり取りを現場で行いながら、当意即妙に空間を作り上げていきます。

今回導入したライティングレールは白や黒の既製品だと目立ってしまうため、天井の木材の色に合わせてカスタム塗装を施しました。天井を分断しないことにより空間が途切れることなく、人間の視点からはとても自然に見えます。さらに、中のビスも茶色のマジックで塗っています。このような小さな配慮のひとつひとつが、空間をしっかりと作り込んでいくのですね。

家族葬の祭壇を設置して棺を迎える際には、やわらかな光で故人様やご家族をお迎えできる空間になりそうです。基本的に普段の法事では使用されない照明ですが、然るべき時には電気も心もスイッチをオンにして、皆様のお迎えのために使用させていただきます。


以上、会館ロビーに続いて、祭壇照明の工事のご報告でした。

次は、いよいよ最終段階、墨蹟や仏像を照らすための床の間の照明工事に入ります。この床の間の照明が終われば、客殿はトイレ台所含むすべてがLED 化されることになります。長い長い道のりでしたが、お寺自体は8割までLED化の完了というところです。


住職


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本堂の大規模な照明リノベーション工事が完了、続いて客殿しのぶ会館の照明リノベーション工事に着手しました。本堂の新しいシステムを組むにあたって使用しなくなったスポットライトが多数あったので、それらを全て再利用しました。

客殿の課題は2点。

①玄関ロビーの照明が不足している。

②家族葬の祭壇を設置した時の照明が若干足りない。

十分と言えば十分な設備でしたが、本堂の照明工事のノウハウを活かし、電気屋さんと一から設計を考えて工事が始まりました。


玄関のロビーは茶色の格天井(ごうてんじょう:格子状に四角い枠で切られている構造の天井)でしたので、枠に沿って黒のライティングレールをコの字型に設置しました。さらに、こちらからは何も伝えていなかったのですが、職人さんたちがシルバーのネジの部分を黒いマジックで一つ一つ丁寧に塗ってくれていました。

これは以前にも本堂の照明で何度もやり取りしてきた内容。さりげなく小さな部分への気遣いをしてくれる心意気には泣かされます。


主題を活かし、アート、展示、人の座る場所の卓上、など、角度調節可能なスポットライトで必要な部分を照らしていきます。スポットライトには照射角があり、幸いなことにこちらのライトは25度前後の集光タイプのライトでした。しっかりと主題を浮かび上がらせていきます。

また、画面奥に見える巨大な彫刻。よく皆足を止めてくださる、太いケヤキをくり抜いて作った龍の彫刻です。こちらは当院の檀家でもある仏壇のふくば様の故・羽田勝雄会長が寄贈してくださったものです。こちらも照明の影になっていたので、2方向からスポット照明を当てて彫刻が美しく見えるようにしました。


寺院の玄関はお寺の顔である。

父である前住職が昔からよく言っていた言葉です。私も20代の頃はよくわかりませんでしたが、今はとてもよく分かる気がします。

式典や会食でお招きをいただいたホテルのロビーや、美しいギャラリーの玄関を抜けたロビーなどで息を呑むような光景に出会った時、人を迎える美的感覚というものに深く思いを馳せています。

明日には床面のワックスがけの作業が入り、奥のスペースにはゆっくりと腰掛けながら書物や雑誌を閲覧できるイスなどを設置していく予定です。

お彼岸にお参りの際、会費の支払いや御朱印の待ち時間にもご活用いただけます。また、現在は郷土ゆかりの版画家・齋藤清の版画を中心に展示していますが、季節やコンセプトによって展示内容も変えてまいります。どうぞお楽しみに。


まずはロビーの工事完了、次に広間の祭壇スペースのリノベーションに入ります。

たかが照明、されど照明。

奥が深いですね。


住職


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3月11日。

震災から15年となる日、今年も静かに祈るための慰霊と黙祷の場を作らせていただきました。コロナ禍の中で法要が中止となった年もありましたが、本日は通常通りの法要を、日常の尊さを噛み締めながら勤めました。雨も降らず天気がよかったものの、風が冷たい中での法要となりました。

黙祷の後、ご参列の皆様より順次ご焼香を賜りました。

当院総代からの開式と閉式のご挨拶。

檀信徒以外にも、多くの地域の方々にもご参列いただきました。

法要冒頭部分、住職によるご供養の言葉です。

慰霊塔周辺にはきれいな花が飾られました。


こちらは鎮魂の詩碑。現在右から2本、7回忌と13回忌の詩が刻まれておりますが、来年の17回忌には新たな詩が3本目の詩碑に刻まれます。詩碑は左右3本ずつの計6本あり、33回忌にすべての詩碑に詩が刻まれる予定です。こちらの詩は、安洞院檀家でもある詩人・和合亮一さんによるものです。

これから未来へ向けての道のりを表すモニュメントです。そしていつか、この地に生きる子孫たちがこの詩碑を見た時に、震災の中で祈り続けた人々の想いがあったことに触れていただきたいと願っています。

思えば15年前のあの日のように風が冷たい中でしたが、311の西の空は透き通るように美しく、思わず手を合わせてしまうほどの光景でした。毎年朝から長時間の準備や設営が続く311の慰霊法要、一日の疲れが心の底から癒されました。

お参りいただいた皆様、誠にありがとうございました。


住職


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