バートン・マルキールは標準偏差と標準誤差の区別もついていない大馬鹿者 | インデックス投資家からの脱却(アンチインデックス)

インデックス投資家からの脱却(アンチインデックス)

インデックス投資について疑問に感じたこと、インデックス投資に代わる投資法を書いていきます。

「長期投資でリスクは低減するか」という問題はもう散々語りつくされた感があります。
ブログや投資雑誌、投資ウェブサイトの記事等はそれなりのデータや理論を駆使してこの議題について述べていて、見ていてなかなか面白いものがあります。
しかし、いろいろな記事を見ていてもマルキールやエリスの根本的な間違いに気付いていない人がほとんどだと思われます。

↓押していただけると励みになります。
にほんブログ村 株ブログへ
にほんブログ村


では、マルキールやエリスのどこが間違いなのかというと、
統計学の基本である、「標準偏差と標準誤差の違い」
がどうも分かっていないようなのです。
マルキールやエリスの著書には下のような図が示され、「長期投資ほど平均収益率の標準偏差(リスク)は小さくなる」
と述べられています。
しかしこれは、「平均収益率(平均値)」を統計処理して得られた分散の2乗根です。(分散の正の2乗根を統計学では一般的に標準偏差といいます)

ここからが重要な話になります。
統計学においては、平均値を統計処理して得られた分散の2乗根を取った値は、「標準誤差」といいます。
これは「リスク」として定義されている「標準偏差」とは全く違った統計量です。

以下は「標準誤差」に関する説明の一部をWikipediaから引用したものです。
「標準誤差で重要なのは、標準誤差は抽出する標本数の平方根に反比例するという点である。つまり、例えば標本数を4倍にすると標準誤差を半分にできる。」



インデックス投資家からの脱却(アンチインデックス)-リスク低減の図


要するに、標準誤差の持つ数学的性質によって、標本数(上記資産運用グラフでは運用の年数)が大きくなるにつれ、標準誤差の値は小さくなっていくのです。
つまり、上記のような図は数学的に当たり前の事柄である
「標本数が増えると平均収益率(平均値)のリスク(標準誤差)は小さくなる」
という事を示しているのに過ぎないのです。

さて、マルキールや、エリスは
「リスクとは標準偏差である」(文1)
と定義したうえで
「長期投資はリスクが小さい」(文2)
という結論を導き出しています。
しかし、文1ではリスクとは標準偏差を用いるとしているにも関わらず、
文2ではリスクとして標準誤差を用いているのです。
統計を習い始めた大学1年生ならともかくとして、統計学を専門的に学習したであろう教授2人が
標準偏差と標準誤差をごっちゃにして、同じ間違いを犯しているのです。
しかも、長期投資によって手数料を得られる投資信託業界に都合の良いように間違えているのです。
これははっきり言って詐欺的行為と言っても過言ではないと思います。


追伸
この記事を理解できる統計学の素養がある人は個人投資家の何%いるのか疑問です。(私の記事の書き方が不親切なのも理解を妨げる一因ですが)
標準偏差と標準誤差の違いが分からない人は「統計のウソ」に騙されやすい人たちであると言えます。
そんな人たちはやはり個別株投資ではなく、何も考えずに済むインデックス投資をするべきなのかもしれません。