越楽回帰な越南生活 -4ページ目

越楽回帰な越南生活

メコンデルタで2度目のチャレンジ!

ある9月の、ある日のできごとである。 そのメッセージは、まったくもってシンプルだった。 文字数も少ない。文体も落ち着いていた。 なのに、読んだ瞬間、背筋がゾワリ。両肩に霜柱。

「今日は誰の誕生日なんですかね?」

……はい、出ましたーーっ!

この“さも関係ない風”を装った文体に潜む、圧倒的な“念”。 その日は――元嫁の誕生日だった。

職場の机でコーヒー片手にLINEを開き、午前11時42分にこれを読む。 10時25分には不在着信が入っていたらしい。 そう、これは“既に始まっていた物語”だったのだ。怖っ。


背後に悪寒を感じつつ、恐る恐る返信を打つ。 「おめでとうございます」――と。

すると、夕方に返事が。
「ありがとうございました you🐰」

“youウサギ”て。何そのパーソナル・ホラー絵文字。 しかもそのあと、写真が送られてくる。

ピザ。そして韓国焼酎。

……だけなら、まだよい。

だが、その横にあるグラス。 中身、たっぷりの焼酎入り。見覚えのあるフォルム。 これ、僕が忘れていった愛用のロックグラスじゃん。

ああ……これは業である。風呂敷で包んだ“情念”のようなものが、食卓にそっと置かれている。 グラス越しに「見てますよ」と言われているような圧。

さらに怖いメッセージがまだある。
まず、元嫁の自撮り写真がバンと送られてきて一言。 「この人をまだ覚えていますか?」

この“返答を強制させる物言い、離婚する前の数々のトラウマがよみがえる。恐怖。
 

そして追いメッセージ。
「疲れたら、私たちの所に戻ってくださいね」

 

膝ガクブル。背筋凍り付く。この日は早めに仕事切り上げて、悪寒を超えた生霊の気配を纏いながら帰宅。