波立つ海に沈みゆく月 ~旧統一教会さよならブログ~ -65ページ目

波立つ海に沈みゆく月 ~旧統一教会さよならブログ~

統一教会は、だいぶ前から衰退している。二世の未来は全体として明るくない。
これに最後に責任を持つのは、本人と社会だと思ふ。(しばらくブログの本説明文をいじります)

書籍『反日種族主義』(2019年、李栄薫[編著])は、韓国の学識者らによって執筆された、のはびこる韓国社会への強烈な学術的批判書であって、その内容は統一教会の組織文化への批判としても有効であるように思われる。

 

そこで、このブログでは『反日種族主義』を読み、印象に残った内容を紹介していきたい。それで韓国社会の実像を知れば、少しは統一教会の実像も理解できる、のかも知れない…。


このシリーズの第16回の記事は、書籍『反日種族主義』より、日本植民地時代に韓国に芽生えた反日種族主義が、現代の時代に至るまでに成熟してきた過程について考察する。

 

同書によれば、自由人の国として1948年に建国された韓国は、朝鮮戦争を経て、北朝鮮と共産主義に対峙した「動員の時代」に、一つの国家的理念のもとに経済的発展を遂げていった。この時代に、徐々に反日種族主義が成熟していき、1980年代に「自律の時代」が訪れるとそれは爆発したのだという。

 

これに対し、1954年に創立された統一教会も、共産主義と対峙しているうちは、一つの宗教的理念により発展を遂げてきた。しかし、1980年代を過ぎて共産主義が終焉を迎えると、その宗教的理念は徐々に方向性を失い、朝鮮の思想的悪癖が際立つようになっていったように見える。つまり、それは嘘と幻想、シャーマニズムと物質主義に代表される反日種族主義なのである…。

 

 

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さて、第14回第15回の記事では、韓国の反日種族主義とは反日感情を背景として日本植民地時代の近代化により形成された新しい民族意識である一方で、韓国は日本植民地によって近代文明が導入されたという事実に対しては、中世的幻想と狂信により今日まで口を閉ざしてきたということを、書籍の内容に基づいて紹介した。

 

このことについて、そもそもの著者による反日種族主義への問題意識は、現代の韓国社会に蔓延する数多く歴史的嘘に対する、経済学者としての警鐘に始まっている。そして、そうした嘘の根底には韓国の民族的なシャーマニズムや物質主義があるという洞察であった。

 

今回の記事では、こうした嘘の蔓延する反日種族主義がどのような過程で成熟してきたのかについて、同書の内容を簡単に紹介したい。

 

同書によると、韓国は日本植民地からの解放後、南北間の朝鮮戦争を経て、北朝鮮とは袂を分かち、自由人の国として歩み始めた。

 

その後の李承晩と朴正煕の時代は、共産主義に対峙しながら、「祖国近代化」のスローガンのもと、高度成長を遂げていった。この時代は、反共、勤勉、自助、共同といった一つの理念が支配した「動員の時代」だったという。

 

しかしながら、李栄薫氏は、この時代に韓国の精神文化を高みに導いた哲学者は現れなかったのだという。つまり、かつて李承晩が朝鮮王朝の末期状況を痛切に批判しながら掲げた自由と独立の精神を継承する者は、誰一人として現れなかったというのである(同書、p.335)。

 

1948~60年の李承晩の時代は、共産勢力の侵略を受け、国を防衛し、復旧する時代でした。1961~79年の朴正煕の時代は「祖国近代化」の時代でした。2つの時代は共に動員の時代でした。反共、勤勉、自助、共同のような一次元の理念が支配した時代でした。人々は自分の生命と財産を守るために反共の戦線に立ち、永劫の貧困を振り払うため高度成長の隊列に身を投じました。

(『反日種族主義』、「エピローグ 反日種族主義の報い」、p.335)

 
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このようにして韓国は高度成長の波に乗ったあと、続く1980年代に、学問や思想の自由が許された「自律の時代」が訪れたと著者はいう。

 

そしてこの時代に、それまで押さえつけられていた朝鮮伝統のシャーマニズムと物質主義が韓国社会で爆発したというのである。

 

すなわち、日本植民地時代には日本によって押さえつけられ、その後の動員の時代には祖国近代化のスローガンにより押さえつけられていた、朝鮮固有の物質主義社会が花開いたというわけである。そう、それは、かつて李承晩が批判した、嘘をつくことも不法にお金を儲けることも正当化された社会が再び到来したというのだ。

 

動員の時代が過ぎ、1980年から自律の時代が幕を開けました。1985年から学問と思想の自由が許されました。カール・マルクスの本を小脇に抱え町を闊歩できる時代になりました。以後、動員の時代に押さえつけられていた、伝統文化としての物質主義が爆発しました。私はその因果を…韓国の文明史に古くから存在するシャーマニズムに見出しました。…シャーマニズムの世界では、…両班の身分に昇格するため、必要ならば嘘をつくことも、不法にお金を儲けることも、みな正当化される物質主義社会が成立しました。シャーマニズムと物質主義の関連は、このようなものです。

(『反日種族主義』、「エピローグ 反日種族主義の報い」、p.336)

  

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このようにして韓国では、1950年以降の「動員の時代」に反日種族主義が成熟していき、1980年代からの「自律の時代」に至って反日種族主義が爆発した。


つまり、こうした時代を通じて、反日主義に便乗して韓国の歴史学会が歴史的な数多くの嘘を生み出し、その嘘がさらに反日種族主義を強化していくという悪循環が繰り広げられたというのである。


そして筆者によれば、この“悪循環”こそが、反日種族主義の成熟過程だというのである。

 

反日種族主義は1960年代から徐々に成熟し、1980年代に至り爆発しました。…反日種族主義に便乗し、韓国の歴史学会は数多くの嘘を作り出しました。…嘘はまた反日種族主義を強化しました。過ぎし30年間、韓国の精神文化はその悪循環でした。その中で韓国の精神文化は、徐々に低い水準に堕ちて行きました。
(『反日種族主義』、「エピローグ 反日種族主義の報い」、p.337-8)

 

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以上、話をまとめる。

 
李栄薫氏によれば、韓国では1950年以降の「動員の時代」に、祖国近代化の一つの理念の下に経済発展を遂げながらも、歴史学会は数多くの歴史的嘘を生み出してきた。そしてそれは、1980年代からの「自律の時代」に至ると、朝鮮の伝統文化である物質主義とシャーマニズムが韓国社会に復活したことにより、その社会に数多くの嘘が行き交う反日種族主義として爆発したのだという。
 
こうした時代の中で、統一教会は1954年に韓国で設立された。つまりこの宗教は、韓国が共産主義に対峙していた祖国近代化の「動員の時代」に生まれた宗教であった。
 
次いで、統一教会の教義解説書である『原理講論』も、「動員の時代」である1966年に書かれている。その教義は、キリスト教の要素を取り入れながら、神の下の理想社会を実現する一つの理念であった。そしてそれは反共、勤勉、自助、共同といった価値観を提示していたのは言うまでもない。
 
しかし、1980年代から「自律の時代」に入り、その後共産主義が崩壊したのちは、統一教会も本来の朝鮮の思想的悪癖の方が強く目立つようになったように思う。具体的には、教祖や韓民族の血統を重視した強固な身分志向や、朝鮮のシャーマニズムや物質主義の要素が強く全面に出てきたと思わざるを得ない。
 
そして、それはつまり韓日一体化の摂理、韓日祝福、教祖の王権即位、清平摂理、数々の献金摂理などなどであり、さらに言えばそれはまさに反日種族主義なのである。
 

 

今回の記事はここまで。次回はさらに反日種族主義により生み出されてきた数多くの嘘について、もう少し考察する予定です。お楽しみに!

 

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