結婚=恋+愛+相手の家族??(仮) -3ページ目

結婚=恋+愛+相手の家族??(仮)

ほぼフィクション小説です。
1回が短めになっているため、ぜひお立ち寄りください。

「560円です。1000円お預かりします」


お釣りを渡すと、レシートを渡す間もなく、スーツ姿の男は立ち去った。


(・・・だよね、普通の若い男は)





ピーンーポーン


鈴はドキリとした。


いつものようにお弁当とペットボトルのお茶を買っている。


「520円です」


鈴がそう言うと、青年は100円玉を5枚と、10円玉を2枚財布から出した。


茶色のレザーの長財布。随分使い込まれている。


鈴がレシートを差し出すと、彼はそれを受け取り、


「ありがと」


と軽く会釈した。


その時鈴は、彼と初めて目が合った。


薄い茶色の大きな瞳だった。


さらに、会釈した時にチラリと首からカードのようなものが下がっているのが見えた。


(社員証だろうか・・・・)


会社名や名前までは見えなかったが、鈴はなんだか得をした気持ちになった。


(やっぱり、この近くで働いているんだ)


どうしてその青年のことが気になるのか解らなかったが、鈴の鼓動はいつもの3倍増しに早く打ってい


る気がした。






翌日も、12時を過ぎた頃に彼は来た。


種類は違うもののいつものお弁当とペットボトル飲料。


お釣りを渡そうとしたとき、不意に誰かが彼を呼んだ。


「あれ?アマネ?お前ここで昼買ってんのか?」


彼が振り返ったので、10円が転がり落ちた。


「す、すみません!」


鈴は慌てて、拾うと彼にもう一度お釣りを渡した。


その時―――


僅かに、彼の指先が鈴の手のひらに触れた。


彼を呼んだ男は、どうやら彼の同僚らしく、二人で並んで店を出て行った。



(アマネ・・・)



彼の名前だろうか・・・?



鈴には彼の名前と、彼の指先がとても冷たかったことが心に刻み込まれた。






                                       ・・・つづく





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