たのしみ
明日のライブのためにここ1週間ずっとNOVEMBERSのparaphiliaを中心に聴いている。
1stのNOVEMBERSと2ndのpicnicは結構好きで聴いていたのだけど、
実は今回のparaphiliaは何故かなかなか聞けず、
ライブには行くのだけど「CDを持っているのに知らない曲」と化していた。
やっぱりCD持ってるんだから、聴いてから行こうよと自らに課し、今週のparaphilia週間に至る。
そして金曜になってようやく良さに気付いた。
merの美しさには脱帽だ(小林君のこういう曲は本当に素晴らしい)
明日のライブがいよいよ楽しみになり、聴いて良かったなぁと思った。
今更なんだけどね。
1stのNOVEMBERSと2ndのpicnicは結構好きで聴いていたのだけど、
実は今回のparaphiliaは何故かなかなか聞けず、
ライブには行くのだけど「CDを持っているのに知らない曲」と化していた。
やっぱりCD持ってるんだから、聴いてから行こうよと自らに課し、今週のparaphilia週間に至る。
そして金曜になってようやく良さに気付いた。
merの美しさには脱帽だ(小林君のこういう曲は本当に素晴らしい)
明日のライブがいよいよ楽しみになり、聴いて良かったなぁと思った。
今更なんだけどね。
人殺しの話
ある女の子を殺した。
多分、男を巡る問題を抱えていたんだと思うが、
その男が誰なのかわからない。
私と彼女はマラソン大会の更衣室で掴み合いの喧嘩になり、
私はそのまま彼女を殺してしまった。
すぐに警察がやってきて、
ああ、と諦めにも似たため息が出た。
殺すところを見られてはいないものの、
私と彼女が2人で話していたところは何人もの人に見られていたし、
状況下から犯人は私しかいないことは明らかだから。
私が疑われるのは当然のことで、そこにはやはり間違いは無い。
棚の影に隠れて警察が私を探している様を見ている。
私はまだマラソン大会の会場にいて、このままここに留まっていてはいけないとこのとき初めて気付く。
人込みに紛れて会場を後にし、学校へ、大型ショッピングセンターへ、山へ、海へ、走る。
マラソン大会に出たかった。
去年より短いコースに出るはずだった。
去年は長くて長くて、とても苦しかったから。
携帯へは警察や母から電話やメールがひっきりなしに入ってくる。
『佐藤さんって人のことで警察が聞きたいことがあるって。今どこにいるの?早く帰ってきなさい』
佐藤、そういえば佐藤って名前だったっけ。
母はどんな気持ちでこのメールを打っているのだろう。
こんな私のことを心配するのは母だけだ。
警察に見られて、走ったが逃げ切れる訳はなく捕まる。
「会場にゼッケンを返しに行かないと」
警察がそう言っていて、問題はそこなのかなと不思議に思う。
私はまだゼッケンを付けたままだった。
マラソン大会に出られたら良かったのに。
これから行くところはどんなところだろう。
きっと独房。
独房ってどんなところだろう。
コンクリートの壁が冷たくて、窓から差し込む月明かりがあって、暗くて寒いところを想像する。
行くのは初めてだからわからない。
刑務所を思い浮かべながら眠った。
(フィクションです)
多分、男を巡る問題を抱えていたんだと思うが、
その男が誰なのかわからない。
私と彼女はマラソン大会の更衣室で掴み合いの喧嘩になり、
私はそのまま彼女を殺してしまった。
すぐに警察がやってきて、
ああ、と諦めにも似たため息が出た。
殺すところを見られてはいないものの、
私と彼女が2人で話していたところは何人もの人に見られていたし、
状況下から犯人は私しかいないことは明らかだから。
私が疑われるのは当然のことで、そこにはやはり間違いは無い。
棚の影に隠れて警察が私を探している様を見ている。
私はまだマラソン大会の会場にいて、このままここに留まっていてはいけないとこのとき初めて気付く。
人込みに紛れて会場を後にし、学校へ、大型ショッピングセンターへ、山へ、海へ、走る。
マラソン大会に出たかった。
去年より短いコースに出るはずだった。
去年は長くて長くて、とても苦しかったから。
携帯へは警察や母から電話やメールがひっきりなしに入ってくる。
『佐藤さんって人のことで警察が聞きたいことがあるって。今どこにいるの?早く帰ってきなさい』
佐藤、そういえば佐藤って名前だったっけ。
母はどんな気持ちでこのメールを打っているのだろう。
こんな私のことを心配するのは母だけだ。
警察に見られて、走ったが逃げ切れる訳はなく捕まる。
「会場にゼッケンを返しに行かないと」
警察がそう言っていて、問題はそこなのかなと不思議に思う。
私はまだゼッケンを付けたままだった。
マラソン大会に出られたら良かったのに。
これから行くところはどんなところだろう。
きっと独房。
独房ってどんなところだろう。
コンクリートの壁が冷たくて、窓から差し込む月明かりがあって、暗くて寒いところを想像する。
行くのは初めてだからわからない。
刑務所を思い浮かべながら眠った。
(フィクションです)
魚の話
魚は、自分でさばくことが多い。
それはひとえに店員もいないような安いスーパーで買うからに他ならない。
金を手間で等価として補っているのだ。
俺は比較的、金の代わりに時間を費やすのが嫌いではなく、
例えば夜行バスだとか、お茶をやかんで沸かしたり、弁当を作ったり、金の為のそういった手間は惜しまない。
時間と交換出来ないもののために金はある。
今日も今日とて死んで白くなってしまった目の魚、鯵という、切れ味の悪い包丁でウロコを剥がし頭を落とした。
えらから包丁を差し込むと、魚の口が開く。
大きく口が開いて「う」の形になる。
彼(彼女)の頭は体から離れて三角コーナーへ落ち、首があったら生首だと思った。
開いた口と濁った目に俺は微かな感情を抱いたがすぐに霧散した。
血溜まりの中で骨を剥がし、余すところも無いようにスプーンで骨に付いた肉まで掻き出す。
ネギと生姜を用意した。
感情というものは何にでもあるものだと思う。
それこそ雑草や捨て犬にも。
人は他人の、否、他の生物の、それを理解することが出来ないせいで、最初から「無きもの」にしているていがある。
植物や動物、洗濯機にだって感情はあるかもしれない、無いなんて誰にわかる?
俺は何かを思ったに違いない、もはや断片でしかない鯵に別れを告げた。
どちらにしても何かを思ったのは随分前のことだ。
だって俺の冷蔵庫の中で数日凍ってたんだからね。
人は人以外の生物を殺す権利があるらしい。
その方法は様々で、各種バラエティに富んだ残酷さだ。
人は人を殺さないようにと躾けられる。
同族しか守らない軽薄さ。
あさましい。
けれども地上では人間が神で間違いない。
人間に殺せないものなんて、無いのだから。
既に魚の面影もない鯵を、更に細かくした揚句磯部焼きにして、食べた。
これだけ細かくなってしまえば何であってもわからないだろう。
だがこれは鯵。
食卓に乗る鯵の磯部焼きを愛猫がじっと見ている。
何かを考えている。
俺にはわからない。
それはひとえに店員もいないような安いスーパーで買うからに他ならない。
金を手間で等価として補っているのだ。
俺は比較的、金の代わりに時間を費やすのが嫌いではなく、
例えば夜行バスだとか、お茶をやかんで沸かしたり、弁当を作ったり、金の為のそういった手間は惜しまない。
時間と交換出来ないもののために金はある。
今日も今日とて死んで白くなってしまった目の魚、鯵という、切れ味の悪い包丁でウロコを剥がし頭を落とした。
えらから包丁を差し込むと、魚の口が開く。
大きく口が開いて「う」の形になる。
彼(彼女)の頭は体から離れて三角コーナーへ落ち、首があったら生首だと思った。
開いた口と濁った目に俺は微かな感情を抱いたがすぐに霧散した。
血溜まりの中で骨を剥がし、余すところも無いようにスプーンで骨に付いた肉まで掻き出す。
ネギと生姜を用意した。
感情というものは何にでもあるものだと思う。
それこそ雑草や捨て犬にも。
人は他人の、否、他の生物の、それを理解することが出来ないせいで、最初から「無きもの」にしているていがある。
植物や動物、洗濯機にだって感情はあるかもしれない、無いなんて誰にわかる?
俺は何かを思ったに違いない、もはや断片でしかない鯵に別れを告げた。
どちらにしても何かを思ったのは随分前のことだ。
だって俺の冷蔵庫の中で数日凍ってたんだからね。
人は人以外の生物を殺す権利があるらしい。
その方法は様々で、各種バラエティに富んだ残酷さだ。
人は人を殺さないようにと躾けられる。
同族しか守らない軽薄さ。
あさましい。
けれども地上では人間が神で間違いない。
人間に殺せないものなんて、無いのだから。
既に魚の面影もない鯵を、更に細かくした揚句磯部焼きにして、食べた。
これだけ細かくなってしまえば何であってもわからないだろう。
だがこれは鯵。
食卓に乗る鯵の磯部焼きを愛猫がじっと見ている。
何かを考えている。
俺にはわからない。
