急に場から去っていった久美。
それを追いかける直輝。

直輝「俺追っかけてくる」
奈美「う、うん」
小走りで自転車に向かい 久美が向かった先へ走った

そのころ さきほど話題に出た「YAMMY」の様子は・・・
定休日の月曜日
厨房でひとりこもっている紗詠。
紗詠「フンフフン♪」
鼻歌を歌いながらクリームを混ぜる
厨房からは軽く外が見えるつくりになっている。
天気予報から流れる声・・・
  「非常に大型の低気圧が日本列島を通りますので、外出などの際にはお気をつけください」
紗詠「雨が降りそうね・・・ 湿度があがっちゃう」
エアコンを除湿モードにする
するとオーブンから焼成完了のブザーが鳴った
紗詠「おっ 焼けた焼けた」
中から出てきたのはケーキのスポンジらしきもの。
切れ端を味見する。
紗詠「私にしては上出来かな♪ さーてっと」
クリームをまたかき混ぜ始める。

どんよりした曇り空の中、自転車で久美が通った。
紗詠「あ、久美だ」
すると後ろを振り返り自転車を止めた
後ろから来たのは直輝だった。

久美「・・・どしたの」
直輝「いや、なんかおかしかったじゃん」
久美「だから・・なんでもないって」
直輝「そんなの嘘だろ」
久美「・・今日はほっといて」
直輝「・・・なんで」
腕をつかむ
久美「一人にして!」
腕を振り払う
直輝「・・久美・・・」
久美「一人に・・して・・・」
自転車にまたがり去っていった
久美(・・なんであたしばっかり・・・)
空からはとうとう雨が降り出した
直輝「・・・久美・・・・」

それを見ていた紗詠
紗詠「・・・なんだ?」
頭に?マーク
何も気づいてない。
紗詠「ってか雨降ってるし! 直輝くん何やってんだろ」
直輝も紗詠には全く気づいてない
しばらく直輝はたたずんでいた。
気にしないことにしてそのままケーキ作りを進めた
5分後・・・
紗詠「・・・まだいるじゃん」
直輝はうつむき、雨に濡れながらガードレールに腰掛けていた
紗詠「さすがにやばいでしょ」
といい外へ出る
紗詠「直輝くん・・・」
直輝「・・・砂藤じゃん」
紗詠「なにしてるの?こんな雨の中」
直輝「・・・ちょっとな」
紗詠「それよりビショビショじゃん・・」
直輝「あぁ・・大丈夫 気にしないで」
紗詠「いや・・あが・・る?」
直輝「へ?」
紗詠「だ、だから!うちでしばらく休んでいきなよって・・・」
直輝「・・・え」
紗詠「いやならいいけど」
目をそらす
直輝「・・・あぁ じゃぁ」
紗詠「今タオル持って来るね」
直輝「う・・うん」
純白のタオルを渡された
直輝「おぉサンキュ」
紗詠「通り雨らしいからしばらくいてもいいよ」
直輝「あぁ・・・うん」
紗詠「あ、そうそう 砂藤じゃなくて 紗詠って呼んで・・ね 苗字で呼ばれるの慣れてないから」
直輝「あ・・・はい」
あまり話さない2人なので話は気まずい感じだ
直輝「・・・さすがケーキ屋だな甘い匂いがぷんぷんする」
紗詠「甘ったるい匂いでしょ あたしはなれたものだけどね」(笑)
直輝「あぁ・・そうなんだ うぅぅ 寒い」
紗詠「さ・・寒い・・の?」
直輝「んー・・寒い」
紗詠「2階なら暖房つけてあるから来る?」
直輝「・・うん」
話の間にいちいち間が開く
階段を上がると居間に出た
紗詠「しばらくゆっくりしてていいよ」
直輝「うん」
  (・・・いい匂い)
ふと左方にある和室に目をやると洗濯物が干してあった
一番手前に紗詠のものらしきピンクの水玉の下着が干してある
即座に目をそらす
直輝(・・・大胆な・・)
紗詠「どうかした?」
直輝「えっ 別に」
紗詠「そう あ、メアド交換してくれる?」
直輝「あ、いいよ」
変にニヤけが治まらない直輝であった
5分ほどテレビを見ていた
突然下から声がした
女の人の声。 
  「ただいまぁー」
紗詠の表情が変わった」
紗詠「まずいっ こっち部屋来て」
誘導されるがままピンクで統一された部屋に押し込まれた
紗詠の部屋だろうか 家具や壁紙もピンク系統である
机の上に洗濯物が積んであった
一番上には下着が。
直輝(・・うっ・・・)
扉の奥から会話が聞こえる
紗詠「あぁ、早かったのね」
  「ちょっと早く終わっちゃってね でもまたすぐ出かけるわよ」
紗詠「そうなの」
声のするほうからおそらく紗詠はドアにもたれかかって話しているのだろう
  「あ、そうそう、紗詠の洗濯物の中に父さんのワイシャツ入れちゃったのよ」
紗詠「あ、あたしがとってくる」
  「紗詠すぐ忘れるでしょ」
といい紗詠をどけて入ってくる
  「・・・あったあった」
といい出て行く
  「じゃあ支度したらまた出かけるわね」
紗詠「う、うん」
紗詠の頭にはまた?マークが浮かぶ
直輝はどこにいったのだろうか
母が出て行ってから部屋を確認しに行った
紗詠「・・直輝くん?」
直輝「ぶっはぁ」
タンスから飛び出てきた
洗濯物にまみれて。
紗詠「・・・あ、頭」
頬を赤らめて頭を指差す
なんと ヘッド オン ブラ
直輝「・・あ、わ、わざとじゃないわざとじゃない」
必死に首を横に振る
紗詠「だ、だ、大丈夫気にしてない」
直輝「ごめんごめん」
紗詠「大丈夫」
優しく微笑む
直輝(・・・)
紗詠「あ、雨止んできたね」
直輝「あぁ そうだね そろそろ帰るわ」
紗詠「うん じゃぁね」
直輝「ありがと」
あたりはすっかり暗くなっていた

あまり知らなかった紗詠の性格。
驚きを隠せない
そして下着・・・
直輝(血圧上がったぜ・・・)
でもでもニヤけが収まらない直輝であった


直輝が出て行ったあと颯汰たちは
颯汰「なんか悪いこと言ったか?」
剣悟を見る
剣悟「えっ!? 俺!?」
奈美も見ている
剣悟「ちょ、ちょっと待った、俺なんかまずいこと言った?」
奈美「な~んてね」(笑)
颯汰「剣悟見かけによらずだまされやすいからおもれーわ」
剣悟「なぬぅ」
奈美「・・あたし思ったんだけどさ」
颯汰「ん?」
奈美「直輝ってさ・・・久美と仲良くない?」
颯汰「・・それは俺も思った」
剣悟「んー たとえばどんなとこが?」
奈美「今日集まったときも、二人で来てたし」
颯汰「あぁ そういや」
奈美「今なんて直輝すぐさま出て行ったじゃん」
剣悟「んー」
颯汰「んん~ わかる気がする」
剣悟「でもなんでもないだろ」
奈美「・・まぁそうだろうけどね」
颯汰「だろうな」
奈美「あ、メールだ 紗詠から 『今度遊ばない?誰か誘っておいて』だって」
颯汰「俺行く」
剣悟「行く」
奈美「りょうかーい」
剣悟「そういえば、あと2ヶ月しないうちに2年も終わりか」
颯汰「そーだなぁ」
奈美「長かったのか短かったのか」
颯汰「俺は絶対に長かったな」
奈美「なんで」
颯汰「だって2年ってたるい」
奈美「わからんでもないけどー」
颯汰「とりあえず 終わってよかった」
奈美「んー このクラスは愉快だったけどね」
颯汰「メンバーは悪くなかったな」
剣悟「俺と颯汰と奈美と久美と直輝と・・・」
奈美「なかなか面白かったね」
颯汰「あと2ヶ月楽しもうぜ」
剣悟「あぁ」
奈美「・・あっ! 雨降ってるじゃん!!」
剣悟「やべっ・・俺帰るわ」
颯汰「おう じゃぁな」
剣悟「440円」
颯汰「おぉ」
剣悟「じゃ」
奈美「またね」
バタン カランカラン・・
剣悟「うわぁー 風も吹いてやがる」


直輝が去った後・・・紗詠は・・・
紗詠「絶対・・・優勝してやるんだから!」
スポンジにクリームを塗り壁のポスターを見る
「中学生お菓子王選手権」
と書かれたポスターだ
紗詠はこの選手権に出場する予定なのだ
3週間前あるテレビ番組で募集された中から予選を勝ち抜いた紗詠。
2ヶ月後本番がある
まだまだ時間はあるので味に磨きをかけている。
紗詠(・・優勝して・・・あの人に食べてもらうんだから・・絶対に)
毎日のように厨房にこもり考え、大人からアイデアをもらい練習に励んだ
予選では優勝候補と言われた正井 幸江(まさい ゆきえ)がまさかの脱落したため
優勝候補は紗詠とささやかれるようになった・・が、全国の強豪はそれほど甘くない
毎日菓子のことを考えている紗詠にとっては、絶対に勝っておきたい勝負なのである。
ちなみに予選を終えたあと、テレビで2次審査、3次審査で絞られた4人で最終決戦が行われる。
審査するのは世界でも有名な三ツ星を獲得しているシェフや、有名ケーキ店の創業者、さらには普通の主婦や、子供。
さまざまな人に合う味を求められることになる。
たくさんの菓子の中から選んだ分野・・・ケーキ。
紗詠の得意分野だけあって予選は大絶賛であった。
そして・・・最高のケーキをある人にプレゼントするというのもひとつの狙い
自分には最高の菓子が作れるという自信は、やがてあの人に食べさせてあげたいという夢へと変わって行った。
ちなみに、学校の友達は紗詠がテレビに出ることは一切知らないでいる。
2ヵ月後の審査が楽しみである
ある人「へっくしょい!! ・・風邪引いたかな」

そして直輝のもとから去った久美は公園で一人傘を差していた。
あたりはすっかり暗い。
久美「・・はぁ なんであたしが・・・」
ケータイを開くと母からのメール
「ご飯は食べた? 宿題をやって早く寝るのよ」
久美の両親は叔父の家に泊まりで出かけていったが久美は遠慮しておいた。
久美(直輝は・・・何もわかってない あたしのこと)
その直後、直輝からメールが来た
「どうしてそんな冷たい態度なの? もし俺が何かしてるなら・・・言ってね」
久美「・・・やっと・・」
・・雨が本降りになってきた
ザーザーという音に加えゴロゴロと雷が鳴り出した。
久美「・・・そろそろ帰るかな・・・」
ゴロゴロ・・・ドーン!!!
久美「きゃっ!」
雷に怯える久美
久美「うぅ・・・」
ビューーーーと風邪が強く吹いた
久美「んん!」
傘が裏返る
雨が久美に打ち付ける
久美「あぁ・・・使いもにならないや・・・」
自転車も倒れた
久美「・・急がないと・・・」
自転車を立ち上げ、乗っていくのは困難と思い引いて行った
家まではそう遠くないが歩いていくにはすこし時間がかかる。
どんどん風が強くなっていく。
傘なしでは雨もしのげない
久美「うぅぅ・・・」
また風が強く吹きつけた
久美「きゃぁっ」
倒れこむ自転車も倒れる
ガシャン!
久美「いったぁーい」
倒れる久美に容赦なく雨と風が叩きつける
久美「・・あー!」
目から涙がこぼれた
叫び声を上げたとき、どこかから声がした
  「・・・ぃー!」
  「・・ぅみー!」
  「・・久美ー!!」
だんだん声は近くなっていった
後ろに見える交差点に現れたのは、直輝だった。
直輝「・・・!久美!!」
直輝は壊れた傘を持っていた。 この風で壊れたのだろう
久美「・・・な・・直輝・・」
直輝「なにやってるんだよこんな雨なのに・・・」
久美「・・直輝・・・・」
直輝「さ、早く立って・・立てる?」
久美「・・直輝・・・・」
直輝「何」
久美「・・なんで来たのよ!」
直輝「来ちゃ悪いか!!!」
久美「・・・」
直輝「好きな人も守れないで何がキックボクサーだよって・・・言っただろ!!」
久美「・・その本人が・・本人があたしの首を絞めてるのよ!!」
直輝は大きなショックを受けた
気がつけば久美は大泣きしていた
久美「・・はっ、いい加減気づけば?」
どんどん感情的になっていく
直輝「なにを・・・」
久美「あたしに中途半端な優しさ見せるから・・・周りは直輝と付き合ってるの?とか聞いてくるの それでも、直輝は「はい」と答えさせてくれないじゃん! 奈美と颯汰を見てると、胸が苦しくなるのよ!! あの2人はいつも仲良く、まわりにも認められてる関係・・でもあたしたちは隠してるじゃん! 意味のない秘密にしばられて何の意味があるの! それひとつであたしがどれだけ苦しんだと思ってるの!!!」
声も枯れ枯れに次々叫んだ久美の言葉は直輝の心にダメージを与えた。
クラスの女子から、紗詠から・・・いろんな人から声をかけられた久美
みんなに話したい気持ちはたくさんある。
でも話したくないっていう直輝の気持ち。
そこですれ違いが生じていた。
直輝「・・・そんな・・」
久美「言ってくれって言ったから言ったまででしょ」
直輝「・・・・」
横を向いて話し始めた
久美「・・ごめん・・・ でもね 直輝には苦しめられたけど・・・まだ・・・」

  「好き」

直輝「久美・・・」
久美「・・・泣いてるの?」
直輝「泣いてない 雨だ・・っ・・っ・・・」
久美は優しく微笑んだ
直輝「・・・ごめん!」
深々と頭を下げた。
久美「・・いいよ」
雷鳴が止んだ
直輝「むやみに話したら・・・なんか・・俺の元からはなれちゃいそうで・・怖くて」
久美「・・・好きだから もういい・・好きだから・・・・」
近くに寄り、そっと抱きしめた・・・。

久美「・・直輝ぃ・・・・」
直輝「・・・大丈夫 今日はもう帰ろう 自転車は俺が引いてってやるから」
久美「でもお母さんとか心配してるでしょ」
直輝「・・いや 飲み会」(笑)
久美「そうなんだ」(笑)
直輝「・・・ごめんな」
久美「・・あ! 折りたたみ傘があった」
直輝「お、よかったじゃん」
小さめの傘に二人が入り雨をしのぎながら家まで歩いていった。
朝、昼、夜、もっと長ければいいと思うのは? ブログネタ:朝、昼、夜、もっと長ければいいと思うのは? 参加中

私は 派!

本文はここから

僕の場合 夜なんですね

どう頑張っても 夜ですね

仕事終えて帰ってくるのはだいたい7時ごろ。

帰ったらメシ食って風呂入って・・・そしたら即パソコンへ! 笑

小説書くこともあれば

ピグでちょっとうろついたり・・・
あんま行きませんがね

パソコンやってる時間がだいたい夜なんでね

つまりパソコンやれる時間が長くなればいいなってわけです

ただ、小説書いてるのは楽しいときと楽しくないときと差が激しいのです^^;

じゃんじゃん書けるとき一気に書いてるといつの間にか真夜中。

寝てしまいますねw

まぁどれだけ長くなるかによりますけど

二度寝もできますし 笑

息詰まったら寝て起きる まだまだ時間はたっぷり よっしゃぁぁo(`∀´)o

なんていい話があればいいんですが^^;

朝と昼が長くなったら労働時間が増えますからね

その分給料が増えればいいですがw

なんだかそんな気がしないです!ww

ってことで夜を延ばしてぇぇぇ!!


朝、昼、夜、もっと長ければいいと思うのは?
  • どれでもない
  • 全部長くなってほしい

気になる投票結果は!?

回文書いてあるサイトを探してたら面白いのがありました

ひとつひとつ突っ込んでいきましょうかw


「グロいアレな馴れ合いログ」 

突っ込みどころ満載。

グロいのかよっ 馴れ合うなよっ! しかもログかよ!!

「蜜と罪」

短っ! そしてドラマにありそうなw


「野郎ども! デモで戻れども、でもでも道路や……」

こんなこと言われたら会話になりませんでしょw

道路じゃないトコでデモやるんですかね?w


「ウイ ラヴ 雷雨」


なんじゃいそれw

We Love 雷雨? おいおいw 家に居なさいよ!


「変態 → 異端へ」

なにそれw

ありそうじゃん 地味にありそうだけど 周りからの冷たい視線から狂う人とかいそうだけどw


「うどん粉も混同」


ほかにそば粉でも混ざってんの!?


「予感でする留守電かよ……」

あきれた言い方が面白かったw

予感でする留守電ってなんじゃいィw 「あ、あの人から留守電着そうだな」ってこと?w


「感電? 志賀が死んでんか?」

志賀さん ご冥福をお祈りします


「耐えたニシン、死に絶えた」

ニシンさん ご冥福をお祈りします


「置き土産や、みきお!」

おお、食べよ食べよ!


「最低!」「最低さ……」

開き直るな!


「駄目だ、運命だ」


諦めんなや!


「従え」「耐えがたし」

プライド高いんですかね?


「長いがな……」

ごめんねごめんねぇ~(゜Д゜)

「橙だ!」

オレンジ色ね。



第6話 平和×亀裂 を更新しました!

なんだか平和な一日でしたよね

何気ない日常・・・

でもその日常の中で亀裂が入る関係・・・

他人とのふれあいの中で我慢の限界を迎える心。



第7話も期待です!



1月4日────────

正月が明け宿題に焦り始める男たち・・・
颯汰は冬休み前に使ったバッグをあさり宿題を取り出す
「うへーなにこれ 習字、テキスト、読書感想文、日誌・・・・・・   
    ・・・無理だ」
確信するのであった

直輝もまたバッグをひっくり返し冷や汗をかいていた
「え、ちょっと半紙ないじゃん!?・・・テキストってどれぇぇ!?」
頭をかきながらゼヨの怒る姿が目に浮かぶ
颯汰より焦りが激しいようだ

剣悟も・・・
「・・・日誌・・ないじゃん・・・」
焦りというより、絶望していた

そんな男たちとは違い効率的に宿題を進めるのが女子・・・

「習字、テキスト、感想文、日誌と、ノート・・・よし OK!」
バッグに荷物を整頓しているのは久美である
「直輝たち宿題やってるのかなぁ・・・」
察し方が鋭い久美であった。

そして奈美は・・・
「あれ、・・・あれっ!? ここやってなかったじゃん! あぁあぁあぁあぁあヤバい!」
女子の中でも別格だった。


そして迎えた登校日・・・

ゼヨ「おはようございまぁーす はい朝の会を始めます 起立、日直さん・・・今日は剣悟だな」
剣悟「えっ 俺!?」
ゼヨ「早くやれ」
剣悟「はぁ・・・やすめぇ きおつけぇ 今から朝の会をはじめます お願いします」
  「お願いします」
ゼヨ「はいストップ!」
教室がざわめく
ゼヨ「宿題をひとつでも忘れたやつ立てぇ」
颯汰「しまったぁ・・・」
剣悟「あぁ・・・」
直輝「はぁ・・・」
奈美「うわぁー・・」
久美「奈美!?」
奈美「英語のテキストなくしたぁ」
4人に加えてもう一人が起立した
砂藤 紗詠(さとう さえ)。
普段は大人しく、控えめなのだが本当は天然で唐突に爆弾発言をする
砂糖の如く、甘くのほほんとした性格をしている

ゼヨ「相変わらずの3人はいつもどおりだな」
颯汰「・・・」
直輝「・・・」
剣悟「・・・」
奈美「あれ? 紗詠も?」
紗詠「うーん 社会できてない」(苦笑)
ゼヨ「砂藤、珍しいな なに忘れた」
紗詠「社会のテキスト忘れました・・」
ゼヨ「そうかぁ、残念でしたねぇ」
紗詠「え それだけ」(苦笑)
ゼヨ「他の4人はなに忘れた?」
剣悟「習字」
颯汰「理科」
直輝「国語と数学」
奈美「英語」
ゼヨ「明日全部提出すること 難しい人いるか?」
奈美「はい!はい!英語のテキスト見つけるのは困難です!」
〝ないからできないよねオーラ〟をかもし出す
ゼヨ「問題コピーしておくから大丈夫です 心置きなくやってくださいね!」
あっさり切り捨てられる
奈美「あぁそーなの」
ゼヨ「出せなかったヤツ居残りな はい座って」

久々の学校にテンションがあがる皆。
颯汰「直輝、直輝」
直輝「ん?」
颯汰「焼き芋ってさ・・・」
直輝「あぁ、全部見ましたよーん♪」
颯汰「・・・」
奈美「あたしも久美に『焼き芋』ってメール着てた」
剣悟「焼き芋って?」
直輝「だーかーらー ───── ってわけよ」
剣悟「・・・まじで!?・・・もっかい言わせて まじで!?!?」
颯汰と奈美を見る
直輝「2回言う必要あったか?」(笑)
剣悟「・・・おぉ」
颯汰「お、おぉって何だよ」
動揺、というか照れている。
久美「まぁ、仲良くやんなよ」
直輝「そうそう」
剣悟「噂が実現化したな」
直輝「だれもが認める付き合いだな」
奈美「うーるーさーいー」
颯汰「それよりさ、俺らとはぐれたあと、何してたの?」
久美「・・・え? いや 別に」
剣悟「俺はサッカーがあるの忘れてて、急いで家帰っちゃったぜ」
直輝「んー そ、そうそう」
奈美「じゃあ久美と直輝が二人っきりになったんだ」
久美「そういうこと・・だね」
目が泳ぐ二人
剣悟「ほー で、何してたの?」
直輝「いや、何してたって言うか 何もしてないよ な?」
久美「う、うん」
純粋な質問なのだが自然と久美と直輝を追い詰めていく
剣悟「あ、そうだ 今日さ ※青公で遊ばん?   
※青公=青空公園 学校付近にある大きめな公園 クリスマスの時待ち合わせになった場所。 一般的に青公と略される
奈美「いいねいいね」
颯汰「おーおー あのメンバーで」
直輝「あのメンバー?」
剣悟「クリスマスの時のメンバー」
久美「あたしと、直輝と、剣悟と、颯汰と、奈美?」
奈美「そうそう」
久美「いいよ」
直輝「今日帰り早いしな」
剣悟「よしけってーい 帰ったらすぐな」
奈美「りょうかーい」

朝の会のあと学年集会があり、すぐ下校となった

一番早く青空公園についたのは颯汰だった
颯汰「・・あれ青公って言ったよな」
ベンチに座り音楽を聴き始める
5分後奈美が到着
奈美「あー 颯汰」
颯汰「おぉ」
片方のイヤホンをとり奈美へ目をやる
自転車をとめて颯汰のもとへ駆け寄り腕に抱きつく
奈美「さすがに学校じゃ抱きつけないからね」
颯汰「よせよ」(照笑)
奈美「あははー♪ ・・・なに聴いてるの?」
颯汰「ん?聴いてみ」
外したほうのイヤホンを渡す
奈美「どれどれ・・・ふんふん~ふふんふ~ん♪」
2人は鼻唄を歌っているうちに、聴き入って眠ってしまった。
腕に抱きついたまま。

20分後 剣悟が到着
剣悟「あれ いない・・あ、いたいた」
ベンチの後ろから駆け寄る
剣悟「ごめん 遅れ・・・・・なにこれ 添い寝?」(笑)
奈美はとても幸せそうな微笑を浮かべていた
昔からの願いが叶った奈美は幸せの絶頂だった。
剣悟「・・あー 邪魔できんな」
すると久美と直輝が到着した
久美「遅れた~」
直輝「ごめーん」
剣悟「どうせお前らもイチャイチャしてたんだろー?」
久美「なぁんでよ」
直輝「意味わからん」(笑)
剣悟「見てみろよこれ」
久美「へ?」
直輝「お」(笑)
久美「お、これは写メを撮らないといけないですよね」
剣悟「そうだそうだ」
3人ケータイを取り出す
剣悟「OK」
久美「あたしもー」
直輝「俺も」
剣悟「お、こいつらケータイのストラップおそろいじゃん」
直輝「おぉ ほんとだ」
奈美「サンタのって絶対この前のクリスマスで買っただろ」(笑)
剣悟「右に同じ」
直輝「それ俺の十八番ね」
久美「とられてやんの ざまーみろ」(笑)
直輝「うるせー」
そうしているうちに颯汰が目を覚まそうとしていた
颯汰「ん~~~」
直輝「あ、起きそうだぞ」
奈美「ふぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ・・・・ん?」
久美「おっはようございまーす」
奈美「ひぃっ あたしこのまま寝ちゃったんだ」
颯汰「ふぁ~~~~」
直輝「お、颯汰も起きた おーい愛しのフィアンセはもう起きてますよー」
颯汰「うりゅせー・・・はっ! 寝てた!」
剣悟「何だそのリアクションは」(笑)
奈美「まさか寝てしまうとは・・・」
久美「しかも2人そろってね」
直輝「お似合いですぞー」
颯汰「んー 眠い」
剣悟「あ、今からいつもの商店街に行こうと思ってるんだけどー・・・」
直輝「あぁそうなの」
剣悟「おまえも行くんだよ」(笑)
奈美「あぁだったらさ、だったらさ颯汰ん家の喫茶店行かない?」
直輝「そういえば颯汰ん家喫茶店だったよな」
剣悟「そういえば」
久美「へぇーそうなんだ」
奈美「あたしこの前行ったんだけど、すごいおいしいよ!」
颯汰「よせよ」(照笑)
久美「じゃー行こうよ お客として」
剣悟「客としてな」
直輝「客として」
奈美「客として」
颯汰「わぁったよ」

自転車でWINGSへと向かう

颯汰「ただいま」
美冴「おかえ・・あらいらっしゃい」
颯汰「俺が作ることになりそう」
美冴「何を?」
颯汰「フレンチトースト」
颯介「颯汰のフレンチトーストはうまいぞぉ」
直輝「期待していいですか?」(笑)
颯介「もちろん!」
颯汰「それ俺のセリフね」(笑)
剣悟「じゃあ僕はそのフレンチトーストで」
奈美「あたしも」
直輝「俺も」
颯汰「俺も」
颯介「自分で作れ」(笑)
颯汰「・・・気が乗らんなぁ」
といいつつも渋々厨房へ足を運ぶ

いつもどおりの時間にいつもどおりのフレンチトーストが出てきた。
颯汰「おまちどうさま」
颯介「・・・ひとつ多くないか?」
颯汰「・・・俺の分!」
満面の笑みを浮かべる
直輝「とりあえずいただきます」
久美「いただきまーす」
剣悟「・・ます」
颯汰「あれ?剣悟くん、いただきますが聞こえないな」
剣悟「いただきます」
颯汰「よろしい」
久美「・・・うまっ」
颯汰「うまっ」
奈美「自分で言うな・・うまっ」
剣悟「うまっ」
直輝「右に同じ ってかうまっ!」
奈美「右に同じって略した意味ないじゃん」(笑)

美冴「なんか楽しそうなのね中学生って」
颯介「俺らのときと変わんねぇだろ」
騒ぐ5人を見て微笑む2人。


剣悟「あ、そうそう、「YAMMY」って店知ってる?」
直輝「あぁ、久美ん家の近くだろ?」
久美「そうそう、あそこって確か紗詠が手伝ってるんだよね?」
一同「えぇっ!?」
久美「・・え?知らなかったの?」
颯汰「知らんなぁ」
直輝「しらんわぁ」
奈美「知らんねー」
剣悟「それは俺も知らなかった」
久美「あ・・・そういえば・・秘密って言ってたな・・・」
直輝「え・・・」
奈美「秘密じゃないし」(笑)
久美「テヘ 内緒で」
颯汰「ほぉ」
剣悟「チーズケーキが美味くってさぁ~」
颯汰「ほぉ」
剣悟「店のイチオシはショートケーキなんだ」
颯汰「ほぉ」
剣悟「素材にこだわってるらしくてさ、イチゴも新鮮なの使ってて」
颯汰「素材だけじゃぁ意味がない」
剣悟「いやぁスポンジ生地からクリームまで最高だねありゃ」
颯汰「・・ほぉ? それで?」
剣悟「・・・え?」
颯汰「どっちが美味い?」
剣悟「・・・ふぇ?」
颯汰「俺のフレンチトーストとどっちが美味い!?」
奈美「っていうか、剣悟よく喫茶店でほかのケーキ屋の話ししたね」(苦笑)
直輝「しかも子息の前で はははっ 傑作!」(笑)
直輝は腹を抱えて笑う
剣悟「それは確かにミスでした」(苦笑)
颯汰「んで?どっちが美味い?」
直輝「めっちゃ張り合ってるし! 一人で!! あははははっ!!」
笑い転げる
颯汰「お前笑いすぎ」
剣悟「んー・・いい勝負だな ジャンルが違うから判定しにくいけど」
奈美「へぇー そんなにおいしいんだ」
剣悟「うまいぞぉ」
直輝「そうなんだ・・・」

そんな話をしている間に4時を過ぎた

直輝「あぁー しゃべりつかれた」
久美「のどかわいたぁ」
颯汰「ジュース各種90円」
メニューを出す
剣悟「商売上手なやつめ」
直輝「じゃあ俺ミカンジュース」
久美「あ、あたしも」
剣悟「俺コーラ」
奈美「あたしリンゴジュース」
颯汰「はいはーい」
また話し始める

直輝「あ!」
剣悟「うぇぁ びっくりしたな」
直輝「思い出した」
久美「何を?」
直輝「さっきさ、「YAMMY」って店の話、剣悟がしてたじゃん」
颯汰「うん」
直輝「そこのライバル店って言われてるケーキ屋があったんだよ・・・」
剣悟「ほぉ どこ?」
直輝「どこだったか・・よく覚えてないんだけど 確か、名前が・・・ドリーム・・」
奈美「ドリーム?」
直輝「ドリーム・・・せ・・」
颯汰「せ?」
直輝「せ・・っぷ・?」
久美「せ、接吻!?」
笑いがおこる
奈美「接吻ってぇ」(笑)
久美「だってぇ そう聞こえたんだもん」
剣悟「接吻はないな」(笑)
直輝(・・接吻・・・・久美と・・)
ひとり直輝だけ興奮しているのだった

颯汰「んで、ほんとは?」
直輝(接吻・・キス・・えぇ だってまだねぇ・・)
剣悟「おーい」
直輝(んー でもなぁ)
奈美「おーい」
久美「おい」
直輝「はっ」
颯汰「ほんとは?」
直輝「えーとフレンドシップだっけ」
颯汰「え? はじめドリームじゃなかったっけ」
奈美「そうそう」
直輝「あ、そうだそうだ あ! そうだそうだ ドリームシップだ!」
久美「夢の船・・・だよね」
颯介「「DREAM SHIP」知ってるの?」
厨房から颯介が尋ねてきた。
直輝「聞いたことあるだけですけどね」
颯介「あの店は・・・吉田ん家の店だよな?」
美冴「うんうん」
颯汰「母さんたち知り合いなの?」
美冴「知り合いも何も、あたしたちと奈美の両親と同級生よ」
奈美「えぇぇぇ!?」
颯汰「まじで!?」
颯介「マジマジ」
奈美「・・・すごいね」
颯汰「すごいすごい」
剣悟「あ、そっか 颯汰の両親と奈美の両親って同級生だっけ」
奈美「そうだよ」
颯汰「奈美、今度行こうぜ」
奈美「いいよっ♪」
剣悟「ひゅー」
颯介「ひゅー♪」
颯汰「うるせー」(笑)

このとき、なぜか久美だけが小さくため息をついた
が、気づくものはいなかった。

剣悟「仲いいな2人は」
直輝「ほんと」
奈美「それほどでも♪」
颯汰「そのノリ疲れる」(笑)
久美「ハァ」
直輝「っていうかすげーよな イヤホンしたまま寝るとか」
奈美「あんたらが遅いからでしょー!」
直輝「知ィりィますェ~ん」
剣悟「なんだそれ」(笑)
奈美「あれ?久美どうかした?」
久美「・・いや別に」
視線を落とす。
直輝「どうかしたの?」
久美「なんでもないって 気にしないで」
直輝「ん・・あぁ」
颯汰「・・・?」
奈美「・・・?」
颯介「・・・?」
美冴「・・・?」

ガンッっとした音がする
颯汰「イッテェェェエエ!!」
剣悟「どした」(笑)
颯汰「ってぇ なんで笑ってやがる」(苦笑)
直輝「以上なりアクションでしたので」
颯汰「奈美に足蹴られた」
奈美「あ やっぱりあれ颯汰の足だった?」
颯汰「モロ足でしょー」
奈美「いやぁ パッと見ゴミがあるように見えて」(笑)
颯汰「俺の足はゴミですか」(笑)
笑いが起こる

久美「・・ごめん 今日は帰るわ」
奈美「あ、そう?」
直輝「そっか」
剣悟「じゃあな」
久美「いくら?」
颯汰「あぁ 合計450円」
久美「ごちそうさま それじゃね」
直輝「おぉ・・」

バタン! カランカラン

ドアが閉まる
奈美「・・なんかさ、久美変じゃない?」
剣悟「そうか?」
奈美「どう考えても変でしょ!」
颯汰「何か不機嫌っぽかった」
奈美「そう、んでなんか・・んー落ち込んでるって言うか」
剣悟「・・・」
奈美「絶対変だよ」
直輝「・・・俺追っかけてくる」


久美は────

  何を思うのか。