With You | あの空の向こうへ ~永遠の28歳~

あの空の向こうへ ~永遠の28歳~

2017年3月のある日
なんの前ぶれもなく空へ旅立ってしまった二男
原因不明の突然死…
一人暮らしを始めて間もない頃でした

私は二男がどこへ行ったのか探しに行こうと
絶対に逢いに行こうと思いました

昨日のこと

仕事で久しぶりにある人に会った
彼女は今の仕事を教えてくれた先輩で
私とは違う事務所で働いている

二男のお通夜にも来てくれていた

それ以来何度か会うことがあったけど
プライベートな話は一切しなかった

昨日会議で隣同士の席になり
彼女の東京にいる息子さんが
ディズニーランドに
招待してくれたという話をしてきた
とても嬉しそうだったし
自慢したかったんだなと思った

「いいですね。息子さん優しいですね。」

笑顔で私はそう言った

確かうちの二男と
同じ年の息子さんだったはず

心のどこかがピリリと痛むけど
仕事モードになって
仕事上の付き合いの人には
本心に蓋をして接することができる

だけど

仕事の帰り
自分の車の中で
その出来事を思い出した

羨ましいな

そう思って少し気持ちが落ちた


しばらくすると
車の中にいつもと違う匂いがしてきた
懐かしいこの匂いは
絶対に忘れることはない
二男の匂いだ

何度も大きく息を吸い込んで
確かめる

すると今度は
二男の香水の香りまでしてきた

この車の中に
二男はいるんだなと思った

すると運転中なので
前をしっかり見ているにも関わらず
助手席に座っている二男の横顔が
脳裏に浮かんだ

少し前髪が長めで
黒い襟の立った服を着ている

私の勝手な空想かもしれないけど
少し嬉しくなった

二男は見えなくなってしまったけど
実はこんなに近くに居てくれる
寂しくなったらすぐに
隣にきてくれるんだ

するとその時
シャッフル再生している
車のステレオから
二男との想い出の曲が流れた


タイトルは

♪ With You ♪

私は思わず笑顔になって
出来過ぎ〜!って心の中で叫ぶ

その曲は
私が大好きなアーティストの曲で
二男の車に乗った時
Apple Musicで1位だった
わざわざ私の為にその曲を流してくれた
二人で色々話しながら聴いた
想い出が詰まった曲だ


ありがとう😊

本当に
いつも近くに居てくれて
いつも気にかけてくれているんだ


悲しいけど
寂しいけど

この世で一緒に生きていた時よりも
ずっと近くで一緒にいるのは
間違いないと思えた