〜DAY17〜


AM3:30



数分後に看護師が話し合いを終えて部屋に戻ってきた。





「普通の部屋は、用意が出来ないけどこの部屋が嫌なら違う部屋に一晩くらいなら移動できるけど行く?」




???


普通の部屋じゃない?




その言葉に多少の違和感を感じながらも明地さんの尿でビシャビシャになった部屋で寝るよりは、マシかなと思い移動することにした。



看護師に誘導され、ナースステーション?スタッフステーション横の鉄扉が開くと左右に3つずつ計6つの部屋があり、その中央部には大きなテーブルがあった。



此処の鉄扉は以前から知っていた。



扉の向こう側は、初見だったが緊急搬送されてくる患者や、病棟内で何か問題を起こした患者が連れて行かれるのを何度か目にしたことがある。



いわゆる保護室がある場所だった。



看護師の目に届く場所に配置され、いくら叫ぼうとも、その固く重そうな鉄扉が叫び声をかき消してくれるのだろう。



後に各地方の精神病棟に入院経験のある徳井さんから教えてもらったのだが、




「保護室=ガッチャン部屋」と言うらしい。




外側から鍵をかけられる、その音が「ガッチャン」と聞こえることが由来らしい。




「RTさんには、臨時でこの部屋を使ってもらうので鍵はかけないから安心してね」




何だかその言葉が異様に怖く、此処に普段居る人は、どのような扱いを受けているのだろうかと思うと余計に眠れなくなってしまった。



部屋は、4畳程度に広さでシングルベッドより少し小さめなベッドと剥き出しの便器。



天井は、蛍光灯に触れられないように金網で覆われていた。



剥き出しの便器からは、蓄積された悪臭が漂っていて、明地さんが僕の部屋で撒き散らした尿の臭いとは比較にならないほど、鼻を刺す匂いを放っていた。



これなら変にゴネて「部屋を移動させてくれ」なんて言うべきじゃなかったな、と後悔しつつも今更、「自分の部屋に戻りたいです」とも言える訳もなく、一夜を明かすこととなった。



続く




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