紹介された大学病院へは、一人で行った。
待合室には、一目で拒食症とわかる女の子や
やはり摂食障害であろう若い女性がいた。
若い女医さんは私を一目見て、次に紹介状を見、
事務的に少し問診した後、薬を出すと言った。
私は、薬もどうせ吐いてしまうと思いながらも
何も言わずにうなずいた。
丸一日かけて来たが、診察はわずか10分程度だった。
処方された薬は、まったく吸収されずに吐かれた。
胃はいつもほとんど空っぽの状態だった。
少しでも食べればすぐに吐く。
やがて薬など飲まなくなった。
医師など信じられないと思った。
母には通院していると嘘をつき
毎月交通費だけを受け取り、
そのお金で過食する日々が続いた。
もうトイレには吐けないと思った私は
どんどん異常な行動を取り始める。
家に隣接する祖父母の畑の隅に
夜中に穴を掘って嘔吐したりした。
本当に、自分は何をしているのかと思う。
自分で自分がわからない。
衝動が抑えられない。
食べたい。吐きたい。
その思いがいつまでも頭から離れない。
学校での時間は、かろうじて過食せずに過ごせていた。
友人との食事の時も、合わせることができた。
しかし、お昼も、お菓子も、後にすべて吐いてしまう。
一人前の量というのがさっぱりわからないのだ。
味というのもさっぱりわからないのだ。
ただただ、一日3回普通に食事がしたい。
それが私の悲願となっていく。
そんな日が来るとは、到底思えなかった。