先生あのね -32ページ目

ブッシュ大統領と無遅刻無欠席

先生あのね、
まじめな田中君が
無遅刻無欠席を目指してたんです。


あんなことが起こるなんて
誰が想像したでしょう。






日本らしいといえば京都という安易な発想で

ブッシュ大統領が京都に来たそうです。


まー確かに広島、長崎には連れて行けないので仕方ないでしょうが




当然、日本で命を落とされては大変なので
それはそれは物々しい警備がひかれました。



通るルートも時間も極秘

通らないところまでも警備



これでは悲劇が起こってしまって当然です。




小学校6年間
中学校3年間
高校2年まで無遅刻無欠席




高校3年のある日




大統領がやってきてバスが全てストップ

まさか自分の通学ルートまで影響が出るとは
予想できず、遅刻してしまう。




今までの11年間がパーです。




就職の際には

健康だけは自信があります。
学生時代無遅刻無欠席でした。


と履歴書に書くことができなくなった
この損害は誰が補償するのでしょう。



しかも京都にきて
議定書にでもサインしていくのかと思ったら

金閣寺でビューティフル イエイ

アメリカぽくって素敵です。


銀閣寺の良さはわからなかったことでしょう。






先生あのね、
ブッシュ大統領がセグウェイを小泉首相にあげたそうです。


あのセグウェイ







田中君にあげるべきだと思います。









一部実話ではありません。空想です。(w
もし実話でこんなことが起きた人がいたら
怒り募集中



ショートショート003_「巻き戻しボタン」



「巻き戻しボタン」




時間と空間は不変ではない。
私は この制御に人生を費やしてきた。

最後を迎えるにあたって、
完全な制御に至らなかったのが悔やまれる。

しかし一方向、
過去への一方向一回の時間制御は可能となった。

一回の制限は巻き戻り中の
ボタンの存在と時間の流れの不一致により
どうしても起こってしまう。

過去に戻って止めたとき
おそらく再度使うことは
できないであろう。


この結果は初めは公表しようと思ったが
それはしなかった。


この技術の氾濫する世界の善悪がつかめなかった。


だが、愛する家族のためだけならと思う。


いいか jugem
おまえには、まだ意味がよくわからないと思うが、

やりなおしたいとき、
どうしようもない失敗をしたときに
これを使え

一回だけ過去に戻ることができる。

ボタンを押せば時間が戻り始め
押すのを止めればそこで止まるはずだ。


jugem わかるか
ボタンを押して巻き戻し
ボタンから手を離せば止まる。
わかるな jugem



10歳の時、祖父からボタンを渡された。
祖父は有名な物理学者だったらしい。


で、それ以来 ボタンを持っている。


みかけはなんのことはないボタンだ。


四角い箱に赤い丸いボタン


陳腐すぎて信じない時期もあったが
常に、このボタンは安心を与えてくれた。

失敗をいつでも取り戻せる。
いつでも巻き戻せる。

僕はこれを頼りに生きてきた。

使いたかったことは多々ある。


運動会でこけたとき
好きな女の子にフられたとき
大学受験に落ちたとき
第一志望の会社に入れなかったとき
初恋の人と違う人と結婚するとき
子供が大怪我をしたとき
リストラされたとき
離婚したとき


でも使わなかった。
常に、その先にあるであろう更に大きな不安が
僕にボタンを押させなかった。


で、今日に至った。
どう考えても死期は近い。

しかし、何も怖くない。
そう、巻き戻せるからだ。

目一杯もどせばいい。

今日は意識もはっきりしている。
病室の窓から見える空は澄み切っていた。



押そう。



病室の大きくない引き出しの奥にしまってある
巻き戻しボタンを手に取った。

深呼吸のあと、
ボタンの上に乗せた右手に

ゆっくり力を入れた。




驚くほど鮮明に


時間が巻き戻りはじめた。

視覚で捉えるものだけでなく
嗅覚 聴覚 味覚 触覚

すべてが鮮明に
直接すべての感覚に伝えられてくる。

それも時の流れの方向はまもられる。
逆コマ送りのような巻き戻りではなく

そのときの感覚が
正しい時間の流れで伝わってくる。



感覚は過去に戻る。



懐かしい感覚の中に沈む。




妻が最後には横に居てくれるとき
自分で小さな店、自営業をはじめたとき
子供が生まれたとき
妻と付き合い始めたとき
大学の友人と酒を飲みながら話したとき
高校の青春まっさかりのとき
好きな女の子に夢中だったとき
学芸会で主役をこなしたとき


記憶がない時間まで戻る
鮮明に伝わってくる


両親からの多大な愛情を一身に受けるとき


私が歩いたとき

私が立ったとき

私が生まれたとき



時間はさらに戻る。
依然として鮮明と伝わってくる。



母親が生まれたとき

父親が生まれたとき

父親の母親が生まれたとき
母親の父親が生まれたとき
父親の父親が生まれたとき
母親の母親が生まれたとき




時間はさらに戻る。





ボタンは押し続けられる。









現代用語006

現代用語006




「もういいし」





また最強の現代用語が登場です。


「もういいし」




こんな簡単に全てをあきらめられると
何もできません。



「なんでこんなことしたんだ」

「もういいし」




「何か不満があるのか」

「もういいし」




「もういいしじゃわからないだろ!」

「いやだから、もういいし」






これに比べたら
下手な言い訳でもしてくれた方がましです。

共同生活の上で、
関わりあいがあるのに
一方的に拒否するのは卑怯です。


そうです。
説明責任が生じるのです!!



「おまえ説明責任があるだろ!」





「あーあの政治家が果たしてないやつ?

もういいし、」








もういいし






モノ投げ遊び

先生あのね
石を投げ合って
遊んでました。


出来村君の頭にあたって
先生にちくられました。


めっちゃ怒られました。





竹を投げ合ってたら目に刺さってしまった中学生が居るそうです。



ちょっと投げ合うのに
年取りすぎたようで


直径2センチ、長さ3メートルの竹を投げて
目を貫通するくらい力があるようになった年で
やる遊びではありません。



陸上部に入ってヤリか円盤か砲丸を投げましょう。






先生あのね
今度はパイを投げ合ってみようと思います。

でもお母さんが食べ物を
粗末にしちゃいけないって言ってます。


テレビでやってるのに・・・
あれがやってみたいです。







命が助かるよう祈っています。

ショートショート002_「ハイパー顕微鏡」

調子にのって
ショートショート002


「ハイパー顕微鏡」






N博士「おい喜べ助手のS君」
ついにハイパー顕微鏡の開発に成功したぞ。
これをもってすれば、どんな小さな世界でも
可視光の波長より短い世界でも可視化できるのだ。」


S君「やったじゃないですか博士、
円形脱毛症になるくらいがんばった甲斐がありましたね」


N博士「うるさい!
さて記念すべき第一号は何を見ようか、
ノーベル賞間違いなしの実験だからな。
慎重に選ばないと。
ノーベル賞の賞金で高級植毛をするぞ~」



S君「博士自身を見たらどうですか」



N博士「おお、それはいい考えだ、
私の手を見よう。
よーしではここにこうして。

では行くぞ、

いよいよ実験開始だ。


ハイパー顕微鏡スイッチオン


拡大倍率を上げていくぞ


おーー見えてきた見えてきた。


上皮細胞だ


核もしっかり見える。

従来の顕微鏡よりもクリアな映像だ


よーし核を見てみよう。


おーーあった染色体だ。

素晴らしい


もっと倍率を上げるぞ




あ、あ

あーーついに見えた!!


DNAだ!
今まで直視した者はいないぞ
世界初だーー

こんなにも動くものなのか。」


S君「ちょっと僕にも見せて下さいよ~」


N博士「まてまて
あとでゆっくり見させてやるから、


よーっし 拡大倍率をさらにあげて


おーーーーアデニンが見える。
分子だ

すごい世界まで来てしまった。


原子もくっきり見えるぞ


素晴らしい


原子核だ。


おー陽子と中性子が並んでいる。


素晴らしい教科書どおりだ


陽子に照準をあて
さらに拡大だ。


ああああああクォークだーー
3つのクォークからできておる。



ここまでは従来言われてきたことの実証でしかない
これからだ・・・


クォークに照準をあてて


未知の、人類未踏の世界へ

拡大!


おおおおおおおおおお
やはりさらに内部構造が

これは 一つの核の周りに4つの粒子が

すばらしい すばらしすぎるぞ


名前をつけねば、
S君 なにかいい名前はないかね?

まあいい、考えといてくれたまえ
何せこれから どんどん新規の名前が必要だからな。



おおおおおお

さらにさらなる内部構造が!!!

13 の粒子が直線状に並んでおる。


なんていうことだ



おおおおおおおおおおお さらに
おおおおおおおおおおおおおおおお ・・・・」









どれくらいの時間がたったであろうか

感動の雄たけびは、もはや消え

N博士は、ただただ
倍率を上げるダイヤルを回している。


次から次にと出てくる内部構造に
N博士は疲れ切っていた。



S君「博士、今は何が見えているんですか」


N博士「う、うん? あー また核の周りに粒子が回る構造だ、
2時間くらい前に似たような構造があったような無かったような」


S君「回ってる方も見てくださいよ」


N博士「あ、あー、じゃ核から三番目の粒子を・・・」


博士は信じられないものを見ていた。


それは青い粒子で、ところどころ白く、
よく見たことのある粒子だった。


よく見たことのある形へ照準を合わせ、

よく見たことのある建物へ照準を合わせた



透過機能を使って中を拡大すると








顕微鏡を覗く人間のハゲ頭が見えた。