「ニトラム / NITRAM」 | スタッフAの、アノマリーな日々

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アノマリーデザインの陰のスタッフ「A」が、日々思うことやお仕事のことなどを、
映画レビューとともにテキト~に書いていくよん( ´3`)ノ

どーも~、Aです。夏が近づいてきてますねーほっこり

今回も映画レビュー。アマプラで観た作品です。

 

★ニトラム / NITRAM(少しネタバレあり)

 

この映画は実際にあった銃乱射事件を題材に作られた作品で、人物描写などかなり脚色されているとのこと。

という訳であくまで「フィクション」という扱いで感想を書きますね。(それでも被害者や遺族にとっては辛い作品だと思いますが…)

できればあの事件を絡めずやってもらった方が感想も言いやすいし、十分素晴らしい人間ドラマになってたと思うんですけどねー。でもこの監督さんは以前もネッドケリーの脚色ものを撮ってたんで。好きなのかな、実在した人で話を作るのがうーん

 

え~…この物語、子どものころから情緒不安定でバカにされながら育ったマーティンが銃を持つことになる…その過程を描いたもので。「二トラム」は彼の呼び名なんですよね。名前のMARTINを逆さ読みにされ、いじめられてきたのです。

彼を演じたのはケイレブ・ランドリー・ジョーンズ。色んな役を演じてきてますが見るたび印象が違って良いですね。今回は役作りでしょうか、体型が変わってましたね。繊細な演技で引き込まれましたねー。(新作のDOGMANも早く観たいよ…ベッソン監督だし)

 

マーティンは危なっかしい子どもがそのまま大人になってしまった様な人で、大体の人が「できる」事ができないんです。しかもうっすらそれを自覚していて変わりたいのに変われないという気持ちもある様で。悲しいですねぐすん

子どもの頃にバカにされるのってかなり傷つくし、自分=ダメな奴、という考えにずっと囚われてしまいますから…

彼の両親も懸命に育ててきたんでしょうけどねー… 「トロい」と彼に言い続けてきたんでしょうね、あのお母さん。それが残念。頑張ってる時にトロい、って言われるのは悲しいですよ。私も大キライな言葉です。

 

彼のお父さんが穏やかな人なのでそこは救いでしたが…お父さんも不安定になってしまう事が起きてしまうんですよ。お父さんなりに息子の将来を心配して色々計画してただろうに、なかなかツラい展開です。人生はうまくいかない…

 

そして、マーティンが一緒に生活を始める優しい彼女。出会いが人の人生をガラッと変える、というのはよく分かるんで嬉しい展開だったんですけどね。やっぱり人生はうまくいかない…

 

あくまであの事件と切り離して言いますと、彼もそうなりたくて生まれたんじゃないのになぁ、ってことぐすん

人と違うことで子どもの頃からいじめられ、呼ばれたくない名前で呼ばれ続け…その鬱積。それがすべての原因、ではないですが。そういう暗い記憶ってなかなか消せないですしねー。そして、自分だって器用に芝刈りしたい、女子に声を掛けて青春したい、親に頼りたくないなどなど。心の奥にあっても出来ないという歯痒さがあったんじゃないでしょうかねー

 

両親の愛情は大切ですけど彼の問題は彼らだけではカバーしきれないと思うんですよね。これは社会全体でもっと優しさを持とうよ、という作品なのかな…と。

人は皆自分基準で考えてしまいますもんね。子は親を信用して親を基準にしてしまいますし。

合わせる、痛みを知ろうとする…周囲に少しでもその気持ちがあったら。彼の人生は変わってたんじゃないでしょうか。色んな犯罪者を擁護するつもりはないですが、基本的な優しさ、思いやりは必要で。その為には人間みんなが想像力を持つ。相手の気持ちを想像することができたら簡単に攻撃したり無視したり、できないと思うんですよ…

 

映画の最後では銃規制について触れてましたが…銃社会のせいだけではないと思うんだよなぁ。全世界から銃器が無くなったらいいのにな、とは思いますが。

 

悲しいドラマですが映像は透明感があり本当に美しい…!さすがカーゼル監督だなぁって思いましたほっこり

直接的な描写はないですが残酷な結末にはなってしまうんで。無理はしないように、大丈夫そうでしたら観ていただきたいです。

 

 

…という訳で、今回は以上ですニコ

 

寒暖差に気をつけて頑張りましょう。ではまた次回に~コスモスハチ