どーも、Aです。
あちこちで災害が続いてますね…
被災された皆さんに、どうか早くいつもの毎日が戻りますように…![]()
それでは今回も映画レビュー、行きますよん。![]()
「永い言い訳」 (2016) ※ネタバレ、ありま~す
珍しく邦画ですよん。西川美和監督…これは観るしかぬぁ~い。![]()
「ゆれる」も「夢売るふたり」も凄く面白かったし!
男女の特質的な部分だったり人間関係のあり方だったり、
描き方が繊細で絶妙なんですよね~毎回。![]()
本作は、妻を事故で亡くした「ちょいクズ男」幸夫のてんやわんや。
結論から言っちゃうと、奥さんの死後、同じ被害者の家族と関わることで
「人生とは他者あってのもの」と、彼が時間を掛けて理解する…というお話。
死んだ奥さんを演じるのは深津絵里。だから出番が…。もっと見たかったな。![]()
んで、主役の駄目旦那・幸夫を演じるのはモッくん。
「GONIN」の頃は微妙だった気がするけど…演技に深みが増しましたね~![]()
まぁ最初見てて思ったのが、幸夫ね。プライド高いけどかなり幼稚。
こりゃ奥さん大変だぁ![]()
奥さんがキャリアウーマンだから拗ねてるってのもあるんだろうけど、
生活の為でもあるんだし…じゃあどうすりゃいいのって話。小っさい男なんだよね。
しかも…いや、だからか?…不倫してる。妻が居ない間に相手を自宅に入れちゃってる。
浮気相手役が黒木華ちゃんで、これまた素朴にエロい。
その最中、妻は事故に遭ってた、という訳よ…。![]()
その後また浮気相手を抱こうとする幸夫には、性欲というより人間の弱さを感じたね。
現実から逃げようとしてるな…って。
さすがに今は無理よん、となる彼女。いや、これはちょっと疑わしいけどね。
人の家庭壊してる女が今更罪悪感感じるんかい?と。![]()
奪うのなら不幸も一緒に背負う覚悟をしないといけませんわよ愛人さん、
って…話がずれたけど。
浮気とかそういう行動も、全て「逃げ」に見えたね、幸夫は。![]()
妻を亡くしても前髪気にしたり葬儀後すぐさまエゴサーチなんてしてたり、
自分しか気にしてないように見える幸夫。本当の涙も流さなかったんだろうね。
一方、同じ事故で妻を亡くした陽一。幸夫とは正反対のタイプで、感情的。
人目があろうが大号泣。亡くした妻の事をずっと引きずってる。![]()
陽一役は竹原ピストルで、かなりハマってたね。暑苦しいけどなんか憎めない。
陽一には息子と娘がいて…子どもの居ない幸夫が自ら出張して面倒を見るんだよね。
仕事の原稿がそれで進んだから「いいネタになる」とも当初は思ったのかも。
ところが幸夫の子守がなかなか上手で、みるみる家族のようになっていく。
幸夫は新しい自分、というか生きがいを開拓した感じ。![]()
特に息子の方は知的でちょっと幸夫寄り…理性で動くタイプというか。
陽一に「母親が死んでも泣かなかった」と責められてる感じが気の毒な子。
何故父じゃなく母が…という思いも実はあった為、罪悪感も抱えてる。
長子ってそんなもんじゃないのかね…感情出したくてもどこかで抑えてしまう。![]()
現実問題と向き合うために無理しなきゃならんのよ。甘えられない「上の子」の辛さだよね。
泣いてばかりの陽一は可愛いし勿論理解できるけど、そのせいで子ども達が前に進めない。
感情がある事は善い事だけど、そのせいで周りが現実と闘う事になってる気がしたね。
だから息子にとって幸夫はたった一人の理解者だったのかも。![]()
こうして見てると、誰が良い人…でもなくなってくる。
誰もが完璧じゃない。…これが人間の面白さなんだよね。
これぞ西川作品の醍醐味!なんじゃないかな。![]()
最初は冷酷に見えた幸夫に起きていく変化。というか、成長かな?
子ども達と家で過ごすシーンなんてリアルに温かみがあったし、
あんだけ仲良くなった子どもが「父ちゃん!」って陽一の所へ駆けていく所で嫉妬するシーンとか。
…面白かったね。![]()
終盤、彼らの為に飛んでいくシーンなんて結構ジーンとくるぜ…。ちょっ…エエ奴やん!![]()
あと奥さんが携帯に残した言葉にキレたのは、なんやかんやで好きだったからだよね?
…と、思いたい。(その時の彼はその気持ちを認めてはいないだろうけど)
奥さんもあのメッセージを書いただけで送ってはいないんだし、
できれば子どももほしかったはず。(それを思い知らされるシーンはちょっと切ないのよ…)
本当はお互いずっと好きだったんだろうな、と思いたい。![]()
幸夫は、他者あっての自分だという事に気付くのが遅かったんだよね。
妻が居なくなってからちゃんと悲しむまでに時間が掛かっちゃったけど、
ようやく人を想う人間になれたんだな、って最後のシーンで感じたよ。
本当の人間関係を築いていくための一歩をようやく踏み出した…って感じかな。![]()
うーーむ、面白かった。![]()
…こういう映画、やっぱ後々まで色々と考えさせられちゃうから良いわぁ。
考えたくなる部分があると、映画にプラスアルファのおまけがある感じでいいよねん![]()
何も考えなくていい映画ももちろん楽しいんだけどさ![]()
…え~、今回は以上です。![]()
それでは皆さん、季節の変わり目なので身体には気をつけてくださいね![]()
ではではまた次回に。![]()
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