4年前に新調したパコソンちゃんが、いきなりぶっ壊れました。電源を入れても立ち上がらなくなったのです。今回はこれといった兆候もなかったのでバックアップもできず、深刻な事態になりました。
 さいわい専門店へ持っていったらファイルなどを取り出すことはできたのですが、新しいパコソンちゃんの購入と合わせてかなりの出費となりました。もう年末年始はパンの耳をかじるか、雑草を漁って岡本信人的な食生活でしのぐことになりそうです。クローバー
 


 さて。このたび当ブログは開設10周年に到達しました。初投稿は12月29日だと思っていたのに、いま調べてみたら12月14日の間違いでした。失敗、失敗。
 これを機会に前回の記事で予告しておりました重大発表をいたします。
 まず、事の経緯から説明しなくてはなりません。
 うちで野球の記事を書くことはあまりありませんが、でも、たまには書くこともあるんです。そしたら決まって複数名の人から「野球には興味ありません」的なコメントがくるのですよ。
 どういうことでしょう? ここは私の思ったこと・感じたことを書く場所なのに、読む人の趣味嗜好に合わせなきゃならんのでしょうか? だいいちブログを書く際は、その題材についてよくご存知でない方にも楽しんでもらえるような箇所をどこかに入れてますので、よく読んでいただければわかるはずなんです。
 また、むしろ私は「よく知らない」という方のほうに見てもらいたくて書いてるので、例えば映画の記事なら「その映画は見たことがない」、音楽の記事なら「その歌手は知らない」・・・などと言われそうなものを率先して扱うことが多いです。そういう性質のブログであることは、ある程度、見てくれている読者さんならご承知だと思うのですが。
 それでも面白くなければこちらの力不足なので仕方ないですよ。でも「興味ないジャンルだから却下」というのであれば、どうしようもないです。うちとは合わない、ということなんでしょう。
 もちろん、どの記事を読もうが読むまいが、それは見る人の自由だとは思います。そこはわかるんです。だけど、だけどですよ。わざわざ「興味ない」ってコメントしてくるのはいかがなものかと。知るか。 ヽ(`Д´)ノ
 だので、私は考えました。それが以下のとおり、重大発表の概要であります。
 今後、当ブログは野球専門のブログにします。これからは野球のことばっかり書くことにしますからね。これまでは控え目にしていましたけど、アタイだって本気を出したら野球のことも書けるんだぜというものをお見せしたいと思うのですよ。
 さらにはメインライターを全温度チアー4号さん&104歳さん&ゴースン・タイガー!ちゃんらで展開しておりました当ブログの体制へ、野球知識に詳しい全温度チアー2号さん(幽霊部員)の投入も辞さない構えにしたいとも考えております。
 ブログタイトルも、自分でつけといて長年「なんだかなぁ」と思い続けていた「大正生まれのブログ」から「二塁側ベンチからの情景」に一新。どうだ、これでどこからどう見ても野球ブログだぞ。さすがに野球専門ブログに「野球は興味ない」なんてコメントしたらアホですよね? ( ̄ー ̄)ニヤリ
 苦情がきたら、もっとやるのが当ブログのモットーにつき。まぁ、いいきっかけになりましたわ。サヨウナラ、大正生まれのブログ。 (T_T)/~~~

 


 では生まれ変わった新ブログでの一発目。かつて初めて野球記事らしい野球記事を書きました、2014年11月の「日本一遅いプロ野球順位予想 *:..。o○☆」。あれの続きにします。
 当時としては絶望アンケートの一環としてカテゴライズしたものだったから、今回もそうします。野球専門のブログのなかにもメリハリをつけましょう。そのときのがセントラルリーグの昭和50年度編でしたので、今回はパシフィックリーグの昭和55年度編でいきます。

 

 まず、今シーズン(昭和54年度)を振り返ってみましょう。


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ペナントレース

1位 近鉄バファローズ     74勝 45敗 11分 勝率.622 前期1位・後期2位
2位 阪急ブレーブス     75勝 44敗 11分  勝率.630 前期2位・後期1位
3位 日本ハムファイターズ  63勝 60敗 7分  勝率.512 前期3位・後期4位
4位 ロッテオリオンズ       55勝 63敗 12分  勝率.466 前4位・後期3位
5位 南海ホークス         46勝 73敗 11分  勝率.387 前期5位・後期6位
6位 西武ライオンズ        45勝 73敗 12分  勝率.381 前期6位・後期5位


個人タイトル

・最優秀選手:チャーリー・マニエル(近鉄)
・最優秀新人:松沼博久(西武)
・首位打者:加藤英司(阪急) .364
・本塁打王:チャーリー・マニエル(近鉄) 37本
・打点王:加藤英司(阪急) 104点
・盗塁王:福本豊(阪急) 60個
・最優秀防御率:山口哲治(近鉄) 2.49
・最多勝利:山田久志(阪急) 21勝
・最多奪三振:村田兆治(ロッテ) 230個
・最優秀救援投手:金城基泰(南海) 20SP


 ベストナイン

・投手:山田久志(阪急)
・捕手:梨田昌崇(近鉄)
・一塁手:加藤英司(阪急)
・二塁手:ボビー・マルカーノ(阪急)
・三塁手:島谷金二(阪急)
・遊撃手:石渡茂(近鉄)
・外野手:福本豊(阪急)/栗橋茂(近鉄)/新井宏昌(南海)
・指名打者:チャーリー・マニエル(近鉄)

 

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主なスタメンオーダー

近鉄バファローズ
⑧平野光泰
③小川亨
⑨佐々木恭介
Ⓓチャーリー・マニエル
⑦栗橋茂
④クリス・アーノルド
⑤羽田耕一
②梨田昌崇
⑥石渡茂

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阪急ブレーブス
⑧福本豊
⑦簑田浩二
⑤島谷金二
③加藤英司
Ⓓ高井保弘
④ボビー・マルカーノ
⑨バーニー・ウイリアムス
②中沢伸二
⑥井上修

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日本ハムファイターズ
⑦富田勝
⑧島田誠
③柏原純一
⑨ボビー・ミッチェル
Ⓓサム・ユーイング
②加藤俊夫
⑤古屋英夫
⑥高代延博
④菅野光夫

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ロッテオリオンズ
⑧弘田澄男
④飯塚佳寛
⑤有藤道世
Ⓓレロン・リー
③レオン・リー
⑦白仁天
②土肥健二
⑧得津高宏
⑥水上善雄

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南海ホークス
⑤藤原満
④河埜敬幸
③片平晋作
⑦カルロス・メイ
Ⓓ王天上
⑨新井宏昌
⑧久保寺雄二
②伊藤勲
⑥定岡智秋

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西武ライオンズ
⑨ジャック・マルーフ
⑧立花義家
⑦土井正博
③田淵幸一
Ⓓ大田卓司
④山崎裕之
⑤山村善則
②野村克也
⑥行沢久隆

 

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今シーズンの主な動き

・7月13日、後楽園球場での日本ハムvs南海後期3回戦にて。南海の選手の用具を載せた運送会社のトラックが東名高速道路の日本坂トンネル火災事故のため迂回走行していたが、中央高速道路の渋滞に巻き込まれ試合開始時刻までに到着する見込みがないとして午後5時10分、中止となる。
・12月24日、パ・リーグは東京-銀座の連盟事務所で理事会を開き、リーグの正式名称を「太平洋野球連盟」から「パシフィック・ベースボール・リーグ」に変更することを決定。

 

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 チーム別備考

近鉄バファローズ
 西本幸雄監督の6年目のシーズン。前年あと一歩のところで優勝を逃した近鉄は2番手エースの神部年男を放出してヤクルトの4番打者=チャーリー・マニエルを獲得。するとそれ以外の選手もマニエルにつられるように打ちまくった。
 開幕から8勝1敗で好スタートを切ると、5月まで突っ走り独走態勢を作った。6月に入るとやや停滞し阪急の猛追もあり一時は2位に落ちたが、最後は僅差で前期V。後期は8月に8連敗を喫するなど波に乗れず2位。プレーオフでは阪急に3連勝し、球団創設30年目にして初のリーグVを達成した。
 好調の原動力となったのは、やはりマニエル。6月にアゴへ死球を受けて2ヵ月ほど離脱しながら.324+37HRなどの圧倒的内容で打線を引っ張り、栗橋茂が32HR+80打点、佐々木恭介が.320+18HR・・・と中軸は強力。トップバッター平野光泰が18HR+21盗塁、クリス・アーノルドが17HR、正捕手に座った梨田昌孝も19HRなど9人が二桁HRで破壊力を発揮。ファンのあいだで“いてまえ打線”と呼ばれるまでに。
 投手陣は井本隆が初の二桁となる15勝、5年目の村田辰美が12勝、柳田豊も11勝と三本柱を形成。2年目の山口哲治が救援主体で防御率1位と安定感を見せた。
 今季になってから大きな戦力となり、タイトルまで獲得した山口へかかる来季以降に向ける期待は大きい。ただし不安もある。“ミスターバファローズ”鈴木啓示が前年の25勝から半分以下の10勝にとどまり、防御率も2.02から4.40へ大幅なダウンをしている。とくに防御率4点台は自身初であり、長年の大エースに陰りがうかがえるのが気がかりだ。

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阪急ブレーブス
 梶本隆夫監督の1年目。
 開幕6連勝と上々のスタートを切ったが4月下旬から近鉄に引き離され、6月8日の時点で7ゲーム差をつけられた。ところがその翌日にマニエルが死球を受けて離脱したのを機に近鉄が急降下。その間に阪急が9連勝で急接近するが、近鉄が最終戦で優勝を決め前期は2位。
 後期は7月終了時点で唯一勝ち越して頭一つ抜け出すと、近鉄の8連敗もあり早々と独走状態。9月に近鉄が9連勝で2.5ゲーム差まで迫るが、10月5日に後期優勝を決めた。
 打撃陣ではこの年から改名した加藤英司が絶好調で、三冠王も狙えるほどの勢いだった。いっぽう投手陣は前年に腰を痛めた抑えの山口高志の不在を、21勝で最多勝の山田久志をはじめ先発投手陣がカバー。64完投はリーグ最多。
 単純に年間勝率なら阪急が近鉄を上回ることになるほどの強さがあった。ところがパ・リーグ初の5連覇がかかったプレーオフでは打線の主軸が近鉄の山口哲治に抑えられ、3連敗で敗退してしまった。

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日本ハムファイターズ
 大沢啓二監督の4年目のシーズン。
 前期は4月に首位の近鉄に食らいつくなど健闘して3位で終了。後期はロッテに抜かれて4位で終了するが、終わってみれば2年連続のAクラスと1972年以来の勝率5割となった。
 投手陣は前年不振の高橋直樹が20勝をあげる活躍を見せ、ベテラン高橋一三をはじめ佐伯和司、間柴茂有、杉山知隆に加えてこの年に先発入りした宇田東植が規定投球回に到達したほか、おなじくベテランの村上雅則もリリーフで健闘。
 打撃陣では移籍2年目の柏原純一が22HR+90打点で前年に引き続いて中軸を担い、富田勝、島田誠の俊足コンビも健在。また古屋英夫が三塁のポジションを不動にしたほか、高代も遊撃手で堅実な守りを見せるなど若手が活躍し、チーム185盗塁は1位だった。
 だが前年本塁打王のボビー・ミッチェルが成績を落としたほか、新外国人選手のサム・ユーイングが期待はずれに終わるなど誤算が相次ぐ。結果、近鉄と阪急のマッチレースに割って入れず、チームは両球団に大きく水をあけられた。

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ロッテオリオンズ
 前年Bクラスと前期15連敗の責任を取って金田正一前監督が辞任すると、重光オーナーはOBの山内一弘を新監督に招聘した。
 投手陣では不動のエース=村田兆治が最多投球回数、最多完投、最多奪三振をマーク。これに続く水谷則博、仁科時成などがローテを守り、打撃陣ではレロン・リーとレオン・リーのリー兄弟、有藤通世、弘田澄男、白仁天などが健在だった。リリーフではクラウンから山崎裕之とのトレードで移籍した倉持明が控えるなど、戦力はじゅうぶん豊富ではあった。
 しかし前期は借金8の4位で終了。後期は8月に阪急に次ぐ2位につけるものの、その後は失速。終盤に持ち直して3位まで食い込んだが通算では2年連続の4位となり、結局は前年とほぼおなじ成績で山内監督の1年目は終了した。
 全体的に投手陣が弱い印象。ローテの組める面子はいるものの、防御率が2点台だった村田以外の主力は軒並み4点台以下。唯一、クラウンから移籍してきた古賀正明が2点台(投球回数57.0)であったが、その古賀も来季はまた移籍が決定している。新日本製鐵室蘭の竹本由紀夫投手をドラフト1位で指名したものの、入団拒否されてしまったのも痛い。
 野手ではドラフト3位で入団した落合博満が1年目で36試合ほど出場しているが、この選手の打撃はアッパースイング気味のため、フォームの矯正をしたほうがいい。現時点では使い物になるかどうかは疑問だ。ただし某スナックを経営しているノブコというホステスと知り合えば覚醒する可能性がある。落合が手のつけられなくなる男になる前に、各球団関係者は彼をノブコに接近させぬよう警戒せよ。

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南海ホークス
 広瀬叔功監督の2年目のシーズン。3月に新外国人=フランク・オーテンジオの登録名を漢字表記の「王天上」に変更することを発表している。
 前年の最下位からの浮上を目指したが、キャンプで主砲=門田博光が右足アキレス腱を断裂しいきなり暗雲が立ち込める。それでも前期は西武の開幕12連敗もあり5位を確保。後期は8月に一時は3位まで浮上するも、その後はズルズルと順位を下げ最下位となる。が、前期の西武の大負けがさいわいし、辛うじて年間5位でシーズンを終えた。
 リーグ全体で打高傾向のなか、門田不在の打線ではあったが新井宏昌が打率リーグ2位の.358をマーク、4番メイが.307+26HR、王天上が23HR、そして片平晋作は.329+16HRと成長し3番に座った。また藤原満と河埜敬幸の1・2番も.295+20盗塁、.300+25盗塁・・・と、それぞれが役割を果たすなどチーム打率はリーグ3位と健闘している。
 いっぽうで投手陣はチーム防御率が4点台後半と、前年よりさらに悪化した。二桁勝利は12勝7敗のエース=山内新一ただひとり。山内は3勝16敗の勝率.158だった前年からの復調を見せたものの、森口益光は前年とおなじく9勝止まり、藤田学に至っては昨年33試合登板の16勝+防御率2.87から8試合登板の2勝+防御率8.67・・・と大不振に終わった。ただ、抑えの金城基泰は20SP(4勝+16S)で最優秀救援投手に輝いている。

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西武ライオンズ
 球団が西武鉄道グループの国土計画に買収され埼玉県所沢市へ移転した1年目のシーズンであり、また根本陸夫監督にとっては2年目のシーズンとなった。
 クラウンライターは1977年のドラフト会議で江川卓の指名権を獲得しており、球団買収時点で独占交渉期限が残っていたことから西武は買収直後から江川獲得に攻勢をかけた。しかし最終的にはいわゆる空白の一日により、江川は巨人に入団した。その後も西武は積極的なチーム改編を進め、阪神から田淵幸一と古沢憲司を(真弓明信+若菜嘉晴+竹之内雅史+竹田和史とトレード)、ロッテから野村克也(自由契約)と山崎裕之(倉持明+古賀正明)を獲得した。さらにドラフト会議で4球団指名の森繁和の獲得に成功。さらに江川事件によりドラフトに参加しなかった巨人がドラフト外での獲得を狙った松沼兄弟(博久&雅之)の獲得にも成功し、チーム編成を一新した。
 ところがメンバーが寄せ集め状態だったことや、キャンプ地としてフロリダ州ブラデントンを選んだもののMLBチームに施設を使われまともに練習も試合もできず、帰国途中にハワイ州でサンディエゴ・パドレスと試合をしただけで開幕4日前に帰国するハメに。日本国内でオープン戦を組めなかったことも影響して、チームは開幕から引き分けを挟んだ12連敗を喫する。結局、前期を6位、後期を5位と低迷するシーズンになってしまった。
“ミスタータイガース”であった田淵と、選手としては晩年とはいえ数々の記録を打ち立てた野村という二人の超大物捕手を同時に獲得(田淵は一塁手としても出場)するビッグサプライズ。ほかにも土井正博が.270+27HR、マルーフは.290+18盗塁、ロッテから移籍の山崎も出遅れながら.332+12HR・・・と、そこそこの力を見せる選手もいたが、全体的にはやや低調で総得点はリーグ最下位となってしまった。
 投手陣ではドラフト外入団の松沼博が軸となり、いきなり16勝で新人王を獲得する。だがこれに続く投手陣がサッパリで、大エース=東尾修がたったの6勝(13敗)止まりなのをはじめ、それ以外の者も5勝以下の投手しかいないという惨状。先発・救援を問わず、主力のなかに防御率3点台以下をクリアする投手は皆無であった。
 現在のところ投手ではドラフト2位の田鎖博美と、大洋から移籍の大川浩くらいしか補強がいない。ライオンズは1963年を最後に優勝から遠ざかっており、1970年代へ入ってもついに一度も優勝できなかった。こんなことでは1980年代も優勝とは縁がないだろう。

 

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 昭和54年度の近鉄初優勝は、かなりきわどいシチュエーションで勝ちとったものであった。プレーオフこそ圧勝ではあるのだが、前期首位をもぎとった6月26日の試合で魅せたスリリングなワンシーンは名場面といっていい。
 その試合でセンターを守っていた平野光泰選手のWikipediaに、そのときの熱が伝わるような記述があったので以下に引用しておきたい。

俊足・強肩に加えて長打力も兼ね備えた好選手であり、「ガッツマン」と通称されるほど闘志を前面に押し出したプレースタイルで人気を博した。特に語り草となっているのが「執念のバックホーム」である。近鉄は1979年6月26日、南海ホークスとの前期最終戦を、勝つか引き分けならば前期優勝(当時のパ・リーグは前後期制)、負けたら2位の阪急ブレーブスにも優勝の目がある状況で迎えた。1対1の8回裏、南海2死1、2塁の場面で、阪本敏三の打球は緩い打球の中前安打、2死だったこともあり二塁走者の定岡智秋は躊躇なく本塁へ向かい、近鉄の西本幸雄監督も勝ち越されるのを覚悟した。その瞬間、中堅手・平野がものすごい形相で前進、打球をつかみそのままバックホーム。送球はノーバウンドで捕手・梨田昌崇のミットに届き、定岡はタッチアウト。試合はそのまま引き分けとなり近鉄は前期優勝を決めた。

 

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 話が脱線しますけど、緒形拳さんと上岡龍太郎さんの指す「近鉄の小川」というのは、たぶん小川亨選手のことなんでしょうね?
 愛称が「モーやん」だったそうですが、そのつけられ方が、ずいぶんといい加減かつ容姿に由来してるところがポイントで。よほどインパクトある佇まいだったのでしょうね。

 

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 ――ということで昭和55年度の順位予想は以下のとおり。


1位:南海ホークス
2位:阪急ブレーブス
3位:日本ハムファイターズ
4位:近鉄バファローズ
5位:ロッテオリオンズ
6位:西武ライオンズ

 まず、自力は阪急が強いと思う。今季、近鉄とは本当に僅差でしかなかった。
 いっぽうの近鉄は、日本シリーズで食らった“江夏の21球”のダメージが大きいと思う。とくに佐々木はトラウマとなり、大スランプに陥ることも予想される。マークの厳しくなることが予想されるマニエルも2年続けて打ちまくるのは難しいと思われ、これにエース鈴木の衰えなどが重なり、近鉄バブルは今季のみで終わることだろう。
 注目は南海だ。なんといっても門田が帰ってくる。門田は続投する広瀬監督との相性がよい。体調さえ整えば活躍することは間違いないのである。加えて一軍打撃コーチの横溝桂がヘッドコーチを兼任、また球団OBの新山隆史(前日本ハムコーチ)が一軍、中原宏(前阪急コーチ)が二軍とそれぞれ投手コーチに就任。とくに新山コーチの熱心な指導は非常に頼もしい素材だ。
 投手陣では伸び悩んでいた森口がおそらく二桁勝利を突破してくれるだろう。あとは山内や藤田らが本来の力を発揮すれば、16~20勝くらいは軽く達成できるはず。また、ドラフトで獲った名取和彦と水谷茂雄は即戦力の投手である。

 さらにドラフト2位の捕手=香川伸行も即戦力候補。それも聞くところによると、これまでのプロ野球選手の常識を覆すような肉体の持ち主だという。思えば現役時代は阪急の福本と盗塁王を競い合った広瀬監督のことだ。今季、福本がプロ通算700盗塁を達成したことで大いに刺激を受けているに違いない。香川が強肩型の捕手なら福本の盗塁を激減させる狙いがあってか・・・いや、意外と香川は福本と盗塁王を競える走力の持ち主と見込んで獲得したのかもしれない。捕手の層が少々手薄な南海にあって、守りと攻撃の両面に突出した逸材とあらば大阪球場を満席にできるスターとなれる。仮に投手陣が今季と同等の働きしかできなくとも、それを補えるものがあれば勝てるのだ。ここは大いに期待したい。
 西武は野村と田淵のあいだで軋轢が生じるのではないかと危惧せずにはいられない。またしても西武鉄道のはからいでブラデントンでのキャンプをおこなうようであれば、もう西武はライオンズを手放さなくてはならなくなるだろう。



 

 皆さんの予想はどうですか?
 なお、私は予想を外したら切腹します!
刀  武士に二言はありませんぞよ。