11月11日、赤星昇一郎さんの経営するReading Cafe ピカイチへ行ってきました。
 当ブログでは何度も登場しておりますこのお店。この日ももちろん観劇関係で伺った次第。
 今回は、もうお馴染みになりましたメタルダーこと妹尾青洸
さんが塾頭を務めるスパルタ演劇道場(?)=ゲキ塾。さんによる公演・・・ではなく、塾生の一員でありますロクさん初の、(ほぼ)ソロ公演がおこなわれたのでーす☆
 


 思い起こせば昨年6月。ところはおなじくピカイチにて、突然の引退宣言をしたロクさん。それが数ヵ月後には現役復帰を果たし、そして1年後にはソロ公演まで開くことになったのですよ。
 こんなロクさんを誰が予想できたことでしょうか。ますますパワーアップしていく姿を見られるのですから、とても感慨深いものがあります。
 ちなみに、ロクさんは「小川ゆかり」という芸名で活躍しておられます。本名はロクで・・・あれ? 「(゚ペ)
 えーと・・・・・・わたくし、いま混乱しております。ちょっと違ってるかもしれないですねぇ。なにしろゲキ塾。さんへ入門しますと、塾生さんにはもれなく妹尾さんよりニックネームが授けられます。
 そうです、ゲキ塾。さんは警視庁でいうところの七曲署
であり、そこでの妹尾さんは藤堂係長なんでありますのよ。
 しかもこのニックネームの神通力は絶大でして。番頭さんの苗字が森川というだけで藤堂係長・・・いや妹尾塾頭から「ショウタ」と名づけられたばかりに、本人ですらどれが自分の名前なんだか区別がつかなくなった果て、本当に「森川ショウタ(勝太)」に改名してしまった方がおられることは以前も紹介しましたとおり。
 ロクさんにしろ、私は彼女が「小川さん」とか「ゆかりさん」などと呼ばれているところを見たことがありません。ですから、いまに本当に「ロク」と改名してしまうであろうことを私は予想してるんであります。
 目立つね。

 

 
 さて当日。11月11日はポッキーの日なんだそうで、みんなはポッキー持参でピカイチへ・・・という運びになっていました。なので私も調達しようとスーパーなどへ寄ってみたのです。
 まず、11月11日はポッキーの他に
モヤシの日でもあるそうなのでモヤシを買うことにしました。ですが、肝心のものが何だったのか忘れてしまったチアーさんは、「たしか、長いカタチをしたお菓子だったような気がする」ということだけは思い出したので、うまい棒
を30本ほど買っていくことにしました。
 でも、そのうまい棒はサラミ味。チアーさんがいちばん好きな品種でもあるのですが、なぜか近年は見かけることがなく、てっきり製造を打ち切りになってしまった商品かと思っておったのです。
 その、思わぬタイミングで感動の再会をとげた最愛のうまい棒サラミ味さんなわけですから、気持ち的にはスペシャルな持参物ではあったのです。一方的ではありますけれども。


 

 電車を乗り継ぎ下北沢のピカイチへ。すでに多くの人が詰めかけてます。テーブルにはポッキーが置かれていて、自由に食べれるようになっていました。
 ひとりだけモヤシ&うまい棒を持ってきたチアーさんにも、ロクさんは怒ることなく温かく迎えてくださったのです。とくにモヤシへのリアクションがよかったのが意外でしたわ。たぶんコスト的にはポッキー買ってくよりも安いんですけどね。

 
 客席には七曲署ゲキ塾。番頭のショウタさんが座っています。この日は高みの見物といったところでしょうか。でも、このところ撮影の仕事で早朝起きが続いているらしく、お疲れのもよう。それでもご本人は「有難いことなんですけどね」と仰ってましたが。
 そういえばショウタさんは最近、
シーグリーンという
芸能事務所へ正式に所属することになったんだそうで。
 で、ちょっとその事務所の所属タレント一覧を見ておりましたところ、なんと! 驚くことに最近、
伴大介さんもここへ移籍しておられたのです! もちろん偶然らしいのですが。
 しばらくそのことをネタに雑談。ショウタさんは伴さんとの面識はあるものの、事務所へ入ってからはまだお会いする機会はない様子。
「伴さんって特撮界ではスゴい人なんですよね」
「ええ、ミスター東映レジェンドですよ」
 ショウタさんは伴さんの代表作『人造人間キカイダー』のことはご存知とは思いますが、たぶん伴さんが出演された特撮番組を実際にじっくりとご覧になったことはないのではないかと思われます。
「いつか一緒に仕事してみたいんですけどね」
 そうなるといいなぁ。キカイダーを観て育った妹尾さんがメタルダーになり、そのお弟子さんがキカイダーと同じ事務所へ入り、そして共演することになったら。
 さらに驚愕の事実が発覚しました。シーグリーンへ所属したのはショウタさんだけではなく、
ぐっちょさんとゴイチさんを含めたトリオでだったのです! 可能性は3倍に。面白いことになればいいなぁ。
 まてよ。正確なことは存じかねますが、もし事務所へ入ったタイミングがゲキ塾。トリオのほうが早かった場合、彼らのほうが伴さんより先輩になっちゃうのかなぁ? ややこしいなぁ。 ?(゚_。)?(。_゚)?

 そのゴイチさんですが、今回はロクさんのアシスト役として出演されるようです。ぐっちょさんも応援に駆けつけ客席に座ります。コズコズさんもです。
 また、ショウタさんの前の席でおとなしく座っておられる女性がいます。マスクをつけてますが、パッチリした目が印象的で。
 おや、この人どこかで見たことあるなぁ。はて・・・?
 あとでわかったことですが、その方は、5月にショウタさんがゲキ塾。を離れて客演した『
名医先生 -a good doctor-』で共演されていた鵜飼真帆
さんだったのです。
 個人的に2014年は、都合によりイベントや舞台などへ足を運ぶ回数を制限していたのですが、じつは『名医先生』は観に行っておりまして。ショートストーリーのオムニバスという構成であり、ショウタさんは複数の役を演じておられてましたが、鵜飼さんは「ひとり芝居」だったため直接の絡みはありませんでした。
 ですがその舞台では、いつもとはちょっと違うショウタさんを見れたものです。そして、鵜飼さんのひとり芝居も非常に印象的だったんですよね。
 鵜飼さんは寒い日なのに、ひとりで静かにビールを飲んでおられました。 このとき、おつまみになりそうなのは甘いポッキーしかなかったんですけど(笑)。
 ちなみにピカイチのビールは
サッポロラガービール。そこらへんの酒屋さんでは特注しないと入れてくれなそうな逸品です。もしかしたらこのビール、愛称が“赤星”であるため、赤星さんの名前に因んでお店に置いてるのかもしれませんね。☆

 

 開演時間が迫ったところでteamACTのリーダー=優太んが到着。teamACTは劇団ではありませんが演劇チームなんだそうです。優太さんはかなりの頻度でピカイチに通っている方で、お客としてはもちろん、ご自身もここでよくお芝居を披露しておられます。
 その優太さんが5月、teamACTとして『ピカイチ殺人事件2』というお芝居をされた際、客演としてロクさんも参加したことがある関係でもあり。ロクさんとしても心強い訪問客だったのではないでしょうか。

 
 席はどんどん埋まっていきます。じつは私、観劇できるとわかったのがギリギリでして、申し込んだ時点で立ち見であろうと言われてたんです。こちらとしてはべつに立ち見でも問題なかったのですが、それを無理して増席してくださったみたい。
 それでも、開演直前で駆けつけた
りな平さんは立ち見になっちゃいましたけど。ですが、たぶん立ち見のほうが全体をよく見れるんじゃないかなぁ。
 ピカイチは10人ちょっとで満席になる広さです。たしかゲキ塾。公演の際、ギチギチに席を設けて15人くらい収容してたっけ。それがこの日、公演回数が1回だけだったこともありますが、なんと平日にもかかわらず20人を超す超満員札止め状態に!
 赤星さんも「(ひとりで)ゲキ塾。を超えたね」と言っておられましたが、まさに本来は団体の一員としての活動形態を持ちながら、ソロデビューしてみたらそっちのほうが売れてしまった
河村隆一
氏を彷彿する売れっ子ぶりなんであります。
 
 これにはロクさんのキャラクターが大きな武器となっているのでしょう。私の主観ですが黙っているときのロクさんは、一見して大正から昭和初期ごろの和風美人を思わすビジュアルをしていると思うのです。だから、いかにもNHK(とくに連続テレビ小説)の雰囲気にマッチしそうな気がするんですよね。それでいて洋風なドレスも似合うんですわ。
 便利なルックスだと思います(笑)。しかも地味な役からコミカルな役、そしてヒロインまでこなす。誤解をおそれずに言うと、吉永小百合さんよりもずっとバリエーションがあるんじゃないかと思ってしまう。“どんな食事にも合う合う”がキャッチコピーだった、
シンビーノ・ジャワティストレート
CMを思い出してしまいました。
 ところが身内の方々のあいだでは「色気より食い気」であり「ガサツ女子」なキャラクターが定着しているらしいのです。しかも、みんながそれを面白がってるフシがありまして、妹尾さんなんかはブログのネタにして楽しんでおられたものです。で、ご本人が本意としているかはともかく、結果的に愛されキャラになっているという様相。ここに大きな秘密がありそうだと私は推測しておりますが合ってますでしょうか?
 もっとも、私はロクさんのガサツなところを目撃したわけではありませんし、とっても気さくな人だという印象ばかりなんですけどね。なのでこれを見たロクさんの関係者の方々、ここで募集しますので是非ともロクさんの具体的なガサツエピソードを聞かせてくださいませ。

 
 
 
 いよいよ開演。3つのお話のオムニバスです。
 はじめの2つはふつうにお芝居されますが、3つ目は朗読劇でした。

 
-❶-
 ロクさんにいよる、ひとり芝居。
 ある男にとって邪魔者になる人物を、証拠を残すことなく消してあげましょうと囁く謎の女性。男は躊躇するものの、半ば強引に商談は成立することに。
 邪魔者とされる人物は病院内の裏工作により、謎の女性の予告どおり消される。じつは謎の女性とは、院内の看護婦であった――というお話。
 謎の女性の正体は観ている人にだけ明かされるわけですが、そのときロクさんが一瞬にしてナース服にチェンジしました。

 ちょっと驚きましたが、やはりロクさんは白衣が似合う。当然といえば当然な結果。それもあってか最後、颯爽と“表の仕事”に戻っていく際の表情がドヤ顔に見えてしまったのは気のせいだろうか(笑)。
 
 このお題、じつはロクさんがご自分で台本を書くことに初チャレンジしたものだったそうです。本来は基になる題材があったそうなんですが、ひとり芝居をするにあたり書き直しているうち、ほぼオリジナルな内容になっちゃったんだとか。
 書いては消し書いては消し、妹尾さんからはダメを出され・・・を繰り返し、コッテリ苦労して作ったものだったそうです。

 
-❷-
 誰かと会話をしている様子。当初はロクさんのひとり芝居でスタートしたものと思われましたが、やがてゴイチさん扮する店員が現れる。
「お客さま。申しわけありませんが、壁と会話するのはおやめください」
 客席に笑いが起きます。
 何がいけないのかと食い下がるロクさんをゴイチさんが冷静に宥め、ロクさんは渋々引き下がる。
 店員への不満を誰かにブツブツこぼすロクさん。そこへまたしてもゴイチさんがやってくる。
「お客さま。他のお客さまが気味悪がられてますので、ひとり言はおやめください」
 このやりとりが何回も続くだけのお話。


 じつはコレ、ゲキ塾。さんによる初リーディングのときにもやった演目のリメイク。前回はゴイチさんがひとり言の客を演じてましたが、今回はツッコミ役にまわったかたち。
 ゴイチさんがロクさんに話しかけようとする瞬間、いち早くそれだと直感した私は、オチがくる前に吹いてしまいました。 ( ;゚;ж;゚;)゙;`;:゙;;゚;ブッ

-❸-
 赤星昇一郎さんとのコンビによる『年をとったワニの話』の朗読。
 これは赤星さんがたまたま手にした本で、ひと目で「これはいい!」と直感して以来、もう100回以上(?)も繰り返し使っている題材なんだそうです。その都度パートナーを変えているので、同じ役であっても様々なタイプのキャラクターになるところも面白みのひとつなんだとか。
 たぶんこれはピカイチ名物の演目なんだと思いますが、このところ頻繁にお店に通うロクさんに、赤星さんから「一緒にやってみる?」とお声をかけられ、それが発端でこのたびの企画が作られたのだと伺いました。
 また、赤星さんはいつも仰られてますが、リーディングというのは聞き手の想像力に委ねられるものであるとのこと。その点、この『年をとった~』は、ロクさんも「最初に読んだときは着地点がよくわからなかった」とこぼしていましたが、どこにカテゴライズしていいのかわからないようなお話で、想像力は大いに刺激させられる素晴らしいお話なのです。

 内容を説明するのは大変なのですが、赤星さんが実際にピカイチで朗読している場面の動画がYouTubeにupされてるのを発見しましたので貼っておきます。
 ロクさんじゃないときのものなので申しわけないのですが、このときのパートナーを務めた原田ひかり
さんという方も熱演されてますし、同所での雰囲気が伝わればと思いますので是非ご覧になってみてください。
 


 どうですか! 赤星さんの声! 間! さすがですよね!
 もうね、これ見たら私がゴチャゴチャ言わなくてもわかるでしょ。
 ちなみにロクさんの演じたタコは、若いけれど幼すぎることもなく、数は数えられないけれど分別のわかる「年相応のタコ」という印象で、それはそれでよかったと思います。

 
 

 

 終演後は閉店ギリギリまで皆さんと雑談。私はぐっちょさんやゴイチさんらと、ちょっと前の映画や俳優さんの話題などを。
 お二人が演劇をおこなう際の会場論を交わす流れになり、「椅子の固さにはこだわりたい」「へ~ぇ。その会場、 キャパ
は?」などと話しておられ、私にもなんとかわかるけど、専門用語がポンと出てくるあたりは、やはりこの方たちは業界人なんだなーと思わせる瞬間だったのでした。
 また、この時間になってわらび
さんが到着。その姿はいつものわらびさんとは違い、ドレスをまとってて厚めの化粧をしてます。まんまキャバ嬢です。 さらに、手には缶ビールを持ってました。
「あれっ、わらびさんて、そんなに飲兵衛だったっけ?」とも思いましたが、じつはわらびさん、同時刻にピカイチとは目と鼻の先にある劇場で舞台に出演されており、おそらくそこの打ち上げからそのまま駆けつけてきたもよう。
 残念ながら私はそちらのほうまで伺う体力がなかったのですが、暫しわらびさんともお話をさせていただきました。内容はくだらなくて申しわけなかったけど。


 
優太さん、ロクさん、ゴイチさん(左から)


 ゲキ塾。の仲間、他の劇団の方、バイト仲間・・・。おそらくピカイチの常連客と思しき方もいらっしゃいましたが、ロクさんの人脈の広さが窺えましたし、しっかりと動員力もあることを見せつけてくれました。また、こうして見ると、その場には業界関係者のほうが多く来場しているみたいでした。
 ちなみに、師匠である妹尾さんは欠席。腰痛の悪化とのこと。
 その妹尾さんから私宛てにメールが来ている旨を塾生さんより伝えられる。ショウタさんが体調不良だったので、私とあんまり話せなかったことを詫びるような内容でした。そういえばショウタさん、次の日も早いとのことで早々とお帰りになってました。たしかにしんどそうな顔でして、目が充血されてましたわ。
 ですが、ちゃんとお話はできましたので私は気にしてませんでした。それと、妹尾さんは本当は来場したかったのだと思いますし、ロクさんを心配されてたのだと思いますけど、私が見るかぎりで言えば、ロクさんは立派にやり遂げられたと思いますんで安心していただきたいです。
 あと、この日はいらっしゃいませんでしたが、佐賀のロクママさんにも「ロクさんは、わんぱくかどうかはともかく、たくましく育っておいでですので、安心して丸大ハムをお召し上がりください」とお伝えしたいです。

 

 結論。ご自身では不安がってたようですが、ロクさんは公演をやって正解だったと思います。
 だって皆さんの笑顔を見れば、この日の公演が成功であったことを表してましたから。