沢口靖子のリッツパーティーに呼ばれたことある? 全温度チアーさんはまだないですよー。
 でもあれ、楽しそうですよね。セレブっぽいわりにお金かかってなさそうですけど、きっと
リッツを囲んで話が盛り上がるんでしょうね。
 
リッツというのはご存知のとおり、世界的に有名なクラッカーのブランドでありますね。今回はですね、世界でも類を見ない“激マズ”なクッキーにまつわる記事ですよー。しかも、ちっともセレブ感はないのに食べたものについて考えたり語ったりすることにかけてはリッツにも負けませんからねー。

 事の発端は、お世話になっております元超人機メタルダーの妹尾青洸さんが書いておられるブログが1000回に到達したのを記念とし、抽選で読者の皆さんへ妹尾さん手づくりによるクッキーが配られるという企画があったのです。
 ところがこのクッキーというのがクセモノでして。もともとは妹尾さんが、あわやメタボダーになってしまい身の危険に冒されている時期、ダイエット目的で開発されたというオリジナル食品。その味は今世紀最高レベルの酷さから「おがくずクッキー」と命名されるほどの逸品だったのでございます。
 しかし、マズイと聞けば逆にチャレンジ精神を刺激されてしまうケースもあります。というか妹尾さんが書くブログの読者さんはチャレンジャーばっかりだったらしく、けっこう応募者が来たみたい。当選した方の各ブログでは、あっちこっちでクッキーのレビューが綴られているだけでなく、同じく当選してしまった同僚(?)からのコメントが集まり、さながら「おがくずクッキー被害者友の会」といった様相が展開されておりました。
 例えば当ブログのアメブロ仲間でいらっしゃるいがきちさんも、そのひとりです。ただ、被害者のわりには誰もが楽しそうなのがこの会の特徴なのであります。ネット上だけでも盛り上がってるのですから、ホントにパーティーやったら、どんだけ語れることでしょうか。それこそリッツなんか食い飽きた沢口靖子氏が紛れてても、ちぃとも違和感のない集いになることでしょう。
 なお妹尾さんの名誉のため補足しておきますが、おがくずクッキーはちゃんとまともな食材を使い、妹尾さんがニヤニヤしながら丹誠こめて焼き上げて(レシピも公開)くださったものですので命に別状はないどころか健康にはよいオヤツではある・・・ハズ。ですので安心していいものですから。

 で、私も食べてみたいと思っておったクチでして。応募こそしてませんでしたが妹尾さんに直接お会いできる機会はございます。そのときに、いただけるものでしたらいただいてみたいと思ってはおりました。
 そしたら、あっさり承諾していただきました。
 というわけでリッツパーティーならぬ“おがくずパーティー”出席のため、いざ下北沢へ・・・。

 あー、あー、あー、スイマセン。今回のメインテーマはクッキーではなく、ゲキ塾。さんによるリーディング公演第2回のもようをレポートすることでした! クッキーは「ふろく」です。
 前回にもレポートしましたが、妹尾さん率いるゲキ塾。さんではリーディングという新たなバリエーションが加わりました。もっとも、前にやった時点では次があるのかどうかはわからなかったみたいですが、好評だったことで2回目の公演にトライすることになったようです。

 この日は本当に楽しみにしていました。公演があったのは6月14~16日で、私が行ったのは千秋楽の16日。15時からの部と19時からの部があったのですけど、最後のやつに行きたかったので19時の部へ。前回は間違えて、いっこ早い回の時間に行ってしまったのですが、こんどは慎重に。
 場所は同じく赤星昇一郎さんのお店“Reading Cafe ピカイチ”。やっぱりチャージ料1000円+1ドリンク制という低価格で入場できます。

 でも皆さんとお会いするのは、なんとなく緊張もします。そこを勇んで現場へ向かいましたところ、店の外に赤星さんの姿が。少し早めに着いてしまったのですが、赤星さんは「ああ、いいですよ」と店内を指す。すると「あっ、全温度チアーさんだ!」と、いち早く正太(ショウタ)さんに発見されてしまった。既にゲキ塾。の皆さんは店内で待機されてました。それが15時の部を終えて一息ついていたのか、このあとの部のスタンバイにかかっていたのかは定かでありませんが。
 有難いことに皆さん、次々と話しかけてくださいます。とくに嬉しかったのは、わらびさんが持ってきてくださった『煙が目にしみる』のDVD。これは私が初めてゲキ塾。さんに遭遇し、大いに楽しませていただいた思い出の舞台作品。赤星さんも客演で出ておられます。うおお、これでまたあの感動を味わえるのかぁ~! 
о(ж>▽<)y ☆
 そして店内客席には前回同様、舞台『煙~』にも出演されてた高田裕司さんの姿もありました。

 そんななかロクさんが「チアーズさん、今日でわたし、ゲキ塾。を・・・」。
 どういうわけかロクさんの場合、私のことを「チアー“ズ”さん」と複数形で呼んでくださる。まぁそこは大した問題ではないのですが(笑)・・・それより、この日をもってロクさんが、いったん役者としての活動を停止なさるというのは一大事なんであります。ここんとこ舞台ではヒロイン役、テレビでも主演クラスの活躍を見せ、いよいよ軌道に乗ってきたと思われた矢先。なんともったいないタイミングなのでしょうか。

 聞けば、致し方ない事情があってのこと。残念といえば残念ですが、これをもってゲキ塾。さんと縁が切れるわけではないし、もしかしたら復帰する可能性がないわけでもないとのこと。ひとまず目先の課題をクリアしてから次のステージへ進んでくださるよう応援することにしましょう。

 さて、しんみりする間を与えてもらうこともなく塾頭・妹尾さんが持ってこられたもの。そうです、恐怖のおがくずクッキー、早速のご登場なのであります。ロクさんの廃業(?)報告を受けた直後という、なんとも絶好のタイミングにて(??)おがくず様とのご対面。ジッパーつきのビニール袋入り。たぶん郵送で贈られた方に使われた袋と同じものだと思います。
「ほぉほぉ、これが激マズクッキーですかぁ 
(゚_゚i)
 見た目はきなこ餅に近く、和菓子好きの向きにも通用しそうな食べ物に見えます。それを妹尾さんは早く食べてもらおうとしてるのか、急かすようにしてきなさるのです(苦笑)。
 しかしです。なにしろ今世紀最高レベルのマズさが保証されているシロモノであります。こ、心の準備が・・・。

 躊躇している私を、塾生の皆さんが心配そうな表情で見ているのがわかります。
 うう、このシチュエーション、なんか食べにくいわ。 
(;´▽`A``

 そうこうしてる間に、前回もお越しだったゆうんこりん氏が到着した。ゆうんこりん氏もこれを楽しみにしてきたチャレンジャーです。
 ですが、先に来ていた私が、ゆうんこりん氏よりも後に食べているようでは人としてダメすぎます。意を決してトライすることに。
 ・・・と、ゆうんこりん氏のほうが先に手をつけようとする素振り。それを遮る全温度チアーさん。
「ゆうんこりんさんね、あなたはべつに痩せなくてもいいじゃないですか。ここは私が先にいただきます」
 遠まわしに、しんのすけさん(5才)の「オラが食べる! オラが食べる!」状態。で、ひとつつまんでパクリした。
「・・・・・・」
 ニヤニヤニコニコしながら見ている妹尾さん。たぶんこのとき、全温度チアーさんの表情は止まっていたものと思われます。
「・・・ゆうんこりんさん、あなた痩せたほうがいいよ」
 うろ覚えなんですけど、だいたいこんなかんじだったんじゃないかなぁと思います。きなこ餅だと思っていたものが、古い家屋の土壁に見えてきました。 
 食感は、マズイというよりも「あれ、これ何かに似ているぞ?」という感覚が先に立ちました。そうだ、いちど開封しながらも長いあいだ食べ忘れてカスカスになってしまった和菓子のそれに近い。でも思ったよりマズくはないと思いました、最初は。
 モグモグモグ・・・。しかしながら、いろんな「?」がアタマのなかで浮かんでは消え浮かんでは消え・・・。
 モグモグ・・・? モグモグモグモグ・・・・・・?
 おかしい。少量なのに、なかなか咀嚼が終わりません。 
(~ヘ~;)ウーン
 モグモグモグモグモグモグモグモグ・・・・・・やっぱりおいしくないよぅ
 そして、ようやく飲み込もうとした瞬間のことでした。
 モグモグモグモグ・・・・・・ん゛っぐゎっぐっぐ!
 むかしの“来週のサザエさん”の再現です。
「いかん、死んでしまふ!」
 噂に聞いてはおりましたが、口中の水分がすべて吸い取られるので飲み込もうとしたら身の危険を感じてしまうのであります。なので、ここで飲み物をガブ飲みせざるをえない。赤星さんお手製のアイスティーがススムことススムこと・・・。 
(/◎\)ゴクゴクッ…
 やっと1個を片づけました。なんだか、アドベンチャー映画を1本観てしまったかのような長さを感じましよ。

 では時間になりました。場内は満席となり、いよいよ開幕・・・なのですが、ここでArisaさんという方によるウクレレ演奏+歌唱がおこなわれることに。たぶん飛び入りなんだと思います。
 おそらく15時の回にもいらっしゃってたんだと思いますが、MCを務める正太さんは「とにかく自由で、ジブリ映画のような・・・」と表現。果たして実際に独奏が始まりますと、ホントに「自由」と「ジブリ」以外には適当な言葉が見つからないような世界観でありました。あんまり聴いたことのないような系統の音楽につき、私にはここで説明することができません。
 それにしても正太さんは、よくそんな表現を思いついたものです。
 あと、Arisaさんの、天然パーマをフルに活かした髪型がインパクト大でありました(笑)。

 ではリーディングの部へ移ります。前回と同じく4部構成。ひとりが音響などを担当し、とくに出番のない方は外で待機という布陣。なお今回、妹尾さんは演出のみで出演はありませんでした。
 じつは今回、妹尾さんがこのもようを撮影されてまして、それを動画サイトにupする予定だったそうなのです。この記事を書き上げるのが大幅に遅れてしまったのは、ここでその動画を紹介したかったからでして、upされるのを待っていたからなんですよ。
 ところが、ある事情でそれが叶わないことがわかりました。なので私が書き起こします。ちょっと記憶違いのところがあるかもですが、どうせここは「まあまあ正確」な程度の記事を書くところですので期待薄な態度で読んでいただきたい。

 トップバッターは正太さんとロクさん。いきなり正太さんが甲高いトーンで語り始めます。正太さんの場合、この日は最初からサンダル履きという出で立ちだったこともあって「どうぞ、お気楽に観てってください」って雰囲気をまとっておられました。加えて初っ端からすっトボケた声。この時点で、だいたいの世界観は伝わってきます。
 観ているうちに、お話の内容に心当たりが・・・。生まれてからいちども「No」を言ったことがない男へ難題が与えられるが、物々交換をするたびにミラクルが起こりつづけ、いつしか成り上がっていくというサクセスストーリー。どうやら『わらしべ長者』らしい。正太さんが地の文を読み、ロクさんが登場人物を演じるという形式。
 いかにも能天気な世界観であることは正太さんの語りで表現されてるのですが、ロクさん演じる主人公(しかも男)の能天気ぶりにも目を見張りました。私が思い浮かぶ例でいうと石野陽子さんが演じていた“お花坊”のキャラに近いだろうか。舞台やテレビではヒロインを演じることもあるロクさんが、最終公演にして新たなバリエーションを見せてくれたのです。
 とはいえ、素のときのロクさんのイメージを思えば、むしろこういう役のほうがピッタリなのかもしれません(笑)。ロクさん、そのキャラ好きでしょ?

 2番手はゴイチさんと新人のスギマルさんによるコンビ。NHKの教育テレビなどでよくある学校放送を模した世界観。五段活用を学ぼうという内容でして、ゴイチさんがお兄さん役となり進行していきます。
 ところが女の子役と思しきスギマルさんが
クセモノで、どうあってもゴイチさんが困る(概ねシモな)方向へ誘導してはビンタをかますというパターンが何度も続くシュールな展開。
 その五段活用は早口でしゃべられるので聞いてるほうはついていけなかったりもするのですが、そこはスピード感重視なので問題はありません。むしろ、しゃべった内容が日本語的に正しいかどうか判断できるよりも先にビンタが入る。その直後くらいに「ん、そういえばいま、おかしな言葉になっていたような・・・? 間違いというよりも不適切というか・・・」と気づくかんじでした。
 叩かれてばかりというゴイチさんのダメお兄さんっぷりはゲキ塾。さんのなかでは適役。彼以外にはイメージできません。安心して拝見させていただきました。それより、お兄さんを手玉にとるスギマルさんの堂々とした佇まいには新人らしからぬ印象を受けました。もしもMっ気のある人がこれを観たなら、きっとスギマルさんの虜になっていたことでしょう。
 ちなみに二人の手前では、ぐっちょさんがADに扮し、地味に指示を出している姿があった。常にしゃがんだ体勢で後ろ姿だったのですが、お話が終わり3人でお辞儀する際、振り向いたぐっちょさんが何故か満面の笑顔だったため、客席からも釣られたような笑いが起こりました。

 3組目は鮫島浩二さんという方の著書『わたしがあなたを選びました』。ぐっちょさんとロクさんが交互に朗読します。
 これにつきましては内容がわかるサイトがありました。コチラです
わたしがあなたを選びました
 両親への感謝の想いを綴った詩なのですが、とくに流産や幼くして子どもを亡くしてしまったなどの経験がある方には辛く感じる内容かもしれません。
 ぐっちょさんとロクさんが選ばれたのは、お二人のお母さんがゲキ塾。さんメンバーのなかでは知られている(ちょっとだけ私も)こともあり、イメージしやすかったからなのかなーと私は勝手に推測しました。ちなみにロクさんのお母さんは前日、九州からわざわざ上京して観に来られたんだそうです。
 前回の公演と同じく「4つやるうちの1つくらいは真面目なものを入れよう」ということで、この詩の朗読をすることになったんだそうです。
 この詩はですね、私なんかが説明するのは恐れ多くてなんにも書けませんよ。ただ、終わったあとは呆気にとられて拍手するのも忘れるくらいの空気だったですね。

 

 

 そして4組目。またしても何が題材やら、どこから探してきたのやらサッパリわかんない謎のお話が投下されました。出演は正太さん&さん&わらびさん&ゴイチさん+ぐっちょさん(猿ぐつわ)。
  どこかの密室で目覚めた数人の男女。まずは迅さんとわらびさんが目を合わせ、恐れと怒気が雑ざったような表情で「誰よ、あなた!」と言い合う。初対面にし て「誰よ」って、どんな荒んだ人たちなんだって思ったりもするんですが・・・。
 ふだん迅さんはとても丁寧な物腰で対応してくださる方なのですが、最近は悪女のような役どころを目にすることも増えてきました。なんだか不気味さを感じます。
 また、わらびさんは前回が子どもやウサギの可愛らしい役だったのに、今回は般若のような目をした女になっておられまして。それをあとでご本人に申しあげましたところ、なぜか「やったー!」というようなリアクションをされてましたけど(笑)。
 そして正太さん、続いてゴイチさんが目覚める。どうやら全員、それまでの記憶を失っているらしい。
 みんなが辺りを物色してますと、なぜか全身を縛られて服には血のり(ケチャップ?)がつき、口に猿ぐつわをはめられたぐっちょさんが発見される。
 ぐっちょさんのその姿、似合いすぎてて神々しさすら感じます(笑)。しかし、ぐっちょさんを不審がる一同は猿ぐつわを解こうともしません。
 そうこうするうち睡眠スプレーのようなものが発見されます。何かが思い出せそうになるゴイチさん。どうやら一同は、このスプレーで意識を失っていたらしい・・・と、そこまでは思い出せた。
 謎の究明を急ごうと、ついにスプレーが噴射されようとする! だが、後ろで「やめろ!」という表情の猿ぐつわ!
 猿ぐつわ必死の願いも虚しく、またしても眠りに入ってしまう一同。が、やがて目覚めた迅さんとわらびさんは「誰よ、あなた!」。
 そして正太さん、続いてゴイチさんが目覚める。どうやら全員、それまでの記憶を失っているらしい。
 みんなが辺りを物色してますと、なぜか全身を縛られて服には血のり(ケチャップ?)がつき、口に猿ぐつわをはめられたぐっちょさんが発見され・・・・・・このパターンが繰り返されるという展開。
 もうね、素晴らしいですね! ツッコミどころだらけじゃ。そこがどこなのか? 彼らは何者なのか? なんで猿ぐつわなのか? いっさい明かされることなくお話は終わってしまいます。どういう設定なのかさえ丸投げ。すべては観客の解釈次第。冒険しまくりのお話でした。
 しかも5人が、ところ狭しと動いていたこともあり、ほとんど本を持っていた印象すらありません、リーディングなのに(笑)。

 とにかく「観ている人に寝られないように。そこに精力を注いだ」という妹尾さんワールド全開な4本。たぶん、こんなスタイルのリーディングをやってるところは他にはないのではないかと思われます。珍しいものを観ているお得感もあってか、たしかに眠くはならないですわ。
 うまいこと妹尾さんの術中にハマりました。幸せです。もしかしたら変なもの好きな全温度チアーさんが客席にくるのを計算に入れて演出されていたのかも・・・と思うのは考えすぎだろうか(笑)。

 これでゲキ塾。さんからの出しものは終わりなのですが、正太さんから催促されるかたちで赤星さんによるボーナストラックが敢行されることになりました。それは赤星さん曰く、お店が暇なときに自ら執筆したというオリジナルストーリーなんだそうです。

「リーディングは、お客さまの想像力に委ねられます」
 たしか赤星さんは、そんな意味合いのことを話されてから始められました。


 いきなり「私は妻を殺しました」的な展開です。『半落ち』みたいな話なのかなーと思いました。ところが、このお話も、やっぱり普通ではありませんでした。
「ああ~、妻が麻生太郎になってゆく・・・!」
 えーと、つまりですね。主人公が、愛する奥さんがどんどん麻生太郎に変わり果てようとする様に苦悩するというお話なんですよ。被った帽子が、どうしても斜めになったりするんだそうです。
 で、最終的に奥さんのほうが「麻生太郎になってしまう前に、私が私でいられるうちに殺して~」と懇願し、主人公は豆腐の角で三日三晩、泣きながら殴り続けてぶっ殺す・・・っていう展開。
 これはですね、私が『スペクトルマン』のなかでいちばん好きなエピソードである「ボビーよ怪獣になるな!!」「悲しき天才怪獣ノーマン」前後編(『アルジャーノンに花束を』が下敷き)で見た、凄まじいお話を彷彿させるようなストーリーでした。
 一見して“麻生太郎”というキーワードによって笑ってしまうのですが、内容的にはじつに悲しいお話なのです。お客のなかでそこに気づいた人がどれくらいいたのかわかりませんけど、悲しいお話に見せないところが赤星さん流の持っていき方なのかもしれません。
 また、さすがにリーディングカフェのオーナーさんということもり、語り方に説得力があります。加えて人生の重みという、若い人にはない絶対的な武器も備わってます。ボーナストラックにしては、かなり上質なものを見せていただきました。


 公演が終了しました。しばし雑談タイムのなか、私は赤星さんと少しだけお話させてもらいました。
「ホントは悲しいお話ですよね」
「うん、悲しいお話よ」
「でも、ヘタしたらゲキ塾。さんを食っちゃいそうになりますね」
「そう、だからホントはやっちゃいけないの(ニヤリ)」
 たったいま観たリーディングの感想を中心に話をさせていただきましたが、他にも先日ネットで見つけた、
怪物ランドとして『笑っていいとも』のテレフォンショッキングに出演されたときの様子が書き起こされていたサイトを発見したことを報告。
「へぇ~、そんなのがあるの。私は見たくないけど(笑)」
「アタマ剃ってて“剃刀勝ち”するって書いてありました」
「ああ、そんなこと言ったなー」
 放送されたのは1985年2月のことです。よくそんなのを書き起こしたなぁ、と感心するばかりですが。
 ちなみにこの日、赤星さんの頭髪は、赤星さんにしてはロン毛でありました。

 

<文字数が収まらなくなったので後編へつづく>