7月8日、吉祥寺でおこなわれた舞台『なぞらえ屋 ~開闢九重千曳~』を観劇してきました。
 私が足を運んだのは6日から公演されたぶんの千秋楽にあたる回です。この作品には伴大介さんを含め、前作『オクトの樹』  から多くの出演者が合流したもよう。
 幸運にも私は、昨年暮れあたりから月に一度は伴さんとお会いできてる状態が続いております。そして、まさかこれほど短期間で伴さんの生芝居を連続して観ることになろうとは、まったく予想しておりませんでした。
 また『オクト』を当ブログでレポート してみたところ、有難いことに何名かの出演者の方々からコメントをいただいたりしました。そして、この舞台に出演される方もいらっしゃいます。そんなこともあって、前回とは違う、なんだか不思議な感覚で観劇することになったのでした。

 

 

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 原作・脚本は『オクト』と同じく有里紅良さん という方で、特別出演としては伴さん以外には声優として有名な清水マリさん 、また千葉繁さん (私的には一堂零の声や『北斗の拳』での超ハイテンション次回予告がとくに印象的)が特別映像出演として参加されていました。

 当日の午前中は、出演者の方々が書かれた稽古日誌やインタビュー動画などを見て軽く予習。しかし、この舞台のタイトルが「なぞらえや・かいびゃくここのえちびき」っていう読み方なのを確認し損なう始末。ストーリーにも軽~く目を通したのですが、あんまり頭に入ってない。
「まぁ、そんな細かいことはなんとでもなるだろう」
 そう高をくくって出かけました。しかし、そのような気のゆるみが後々で命とり(?)になろうとは、このときは思いもせず・・・。

テレビなぞらえ屋公式ページ ←稽古日誌やインタビュー動画なども見れます。

 場所は吉祥寺・前進座劇場。いつもの伴さん会常連メンバーも10人以上駆けつけ、なかにはこの日が2回目の来場という人もいました。
 私の席は、ステージに向かってやや左側に客席後方から一直線に貫く花道の側。既にいる顔見知りの人たちや私より後に到着した顔見知りの人たちに挨拶し、ワクワクしながら開演を待ちます。

大正生まれのブログ ←2013年1月で閉館し、30年の歴史に幕を閉じる予定とか






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これはステージ側から見たところ。
花道の内側に沿った席でした→



 幕が開きました。
 あれ?
 パンフレットの写真をチラ見程度しかしてなかったので、今回も『オクト』同様、何処かの国の何れかの時代の冒険モノだとばかり思ってたのですが・・・。
 現代劇だったのか。
 まぁいいです。そこはそれほど重要じゃない。
 ということで、観劇を続けるわけなのですが・・・。

 これ、書くべきかどうか迷ったんですけどね。考えて考えて・・・書くことにしましたわ。
 じつは終演後、前回の『オクト』のときと同じく、観劇したメンバーでミニ伴さん会を近所の居酒屋でやったんですよ。
 途中までですが、伴さんもお越しになりました。そこで、なんと、まさかまさかのダメ出し大会になっちゃったのであります(爆)!

 ダメ出しの対象となったのは伴さんへのものではないのですが、みんな同じようなことを感じながら観ていたようです。私なんかも「今回のはレポートにするの難しいなぁ・・・」などと思いつつ観ていたわけですけれども。
 これはもう、わかりにくさに尽きます。まず、出演者に早口の方が多かったのか、それとも音響の問題なのか、全体的に台詞の聞き取れない箇所が多かった。結果、そのうちわかるだろうと思っていた設定やストーリーが、いつまでたっても理解できないという様相に。

 観劇してるあいだは「自分に集中力がないのかなぁ」と思ってたんです。ところがそれは決して少数派だったわけでもないらしく、どうも私の感覚だけがおかしいわけでもなかったようだ。
 それでも、なかには理解できてる人もいて「あそこはこういう意味なんですよ」と解説してくれたりもしたんですが、なんでそこまでわかるのかが私にはわからなかったりする(笑)。
 これには伴さんも「そりゃそうだろう。オレだってわかんないもん」と笑撃衝撃のコメント! いいのか、伴さんがそんなこと言って(笑)? Σ(=°ω°=;ノ)ノ
 ですが、こういうところが伴さんの楽しいところ。ですから、これもオッケー牧場なのであります。

 話を戻します。
 そんなわけで、私には最後まで展開を理解できぬままでの観劇となったのであります。ついでに言うと、主人公が誰なのかもよくわかんなかった(笑)。 σ(^_^;)
 それでも、視覚的には楽しめるだろうと思い、細かいところもぜんぶ見てやろうという気にはなってました。
 が、こんどは光の演出が私の目を苦しめた。舞台中央にある照明が強烈な逆光となって私の目を眩ましたのだ。
 これは、逆光を使った演出なんだと思います。たぶん演出側の思惑どおりかと。他の観客にとっては派手で見ごたえのある場面が繰り広げられていたのではないかと思われます。ですが。ですが・・・・・・。
 私ね、強い光を浴びると溶けちゃうんです(泣)。 (>_<)
 ちょっとあれ、ツラかったわ。

 アクションシーンはよかったですね。とくに印象的だったのは『オクト』でも大活躍だった谷口洋行さん。この方はわかりやすいし安心して見ていられます。
 終盤、敵と味方が連続して一騎討ちをおこなう場面がありました。この場面では、ほとんどの兵士がカッチョイイ武器を使うなか、谷口さんだけは素手だったのです。
 内容がわからないまでも、なんとなく時代劇の必殺シリーズ に近いお話だということは察したのですが、それならば谷口さんの役どころは山崎努さんが演じた  “念仏の鉄” といったところでしょうか。坊主頭なところも共通するし。
 欲を言えば、もっと鉄に近づけた人格で見たかったかもって思いましたね。鉄といえば必殺の登場人物のなかでも最高の人気を誇るキャラでしたが、あれはヒーローでありながら人間の悪いところをぜんぶ持ってるような凄さがありました。谷口さんなら、そういうのもできそうな気がします。
 一騎打ちの最後はチョップというか  かめはめ波 のような突きでトドメ。いいですねぇ、ああいうの好き。

 それから、前回の『オクト』では私的MVPだったロバートウォーターマンさんは今回も存在感を示していました。
 悪役で酒飲みの役でしたけど、ひょうたんの持ち方がよかったです。紐を握り、ひょうたんを手の甲に乗っけるようにしながら口に運ぶという飲み方ね。あれは誰のアイディアなんでしょうかね?

 あと、伴さんの登場場面なんですけどね。水戸黄門みたいな出で立ちで現れたのには目がテン になりました。もっともそれは、かりそめの姿だったようですけど。
 でね、やっぱり伴さんの台詞は聞きとりやすいんですよ。それに、佇まいに格の違いを感じずにはおれず、そこのところだけ違うのものを見ているような気がしてました。
 これは仕方ないです。若い人にあれをやれって言っても無理でしょうから。
 そういえば初日や2日目を観た伴さん会幹事のSachikoさんをはじめ、メタルダーの妹尾青洸さん、次回伴さん会ゲスト予定の平山満さん、それにあと何人かの私の知人が、メール、ツイッター、掲示板などで「やっぱり伴さんは凄い!」と口を揃えて絶賛していたものです。なるほど、こういうことなんですね。

テレビ【参照記事】平山満さんのブログ→拡散希望!!【伴大介さん】のはなし

 終演後は出演者の皆さんが外で見送ってくださります。その際、ロバートウォーターマンさん、あおい未央さん、かなたみきさんには少しだけご挨拶させていただきました。
 この方々とはネット上でのやりとりは何度かさせていただいたのですが、なんか照れくさくなって、ちょっとだけしか話せなかった(笑)。 (・・。)ゞ

 そして私たちは出入り口付近で伴さんを囲んで談笑し、このあとおこなうミニ伴さん会の会場が決まるのを待つわけですが、側に清水マリさんが立ってらっしゃったので少しお話させていただきました。
 清水マリさんといえば『鉄腕アトム』のアトム役や『妖怪人間ベム』のベロ役などで知られる超大物の声優さんです。ですが、このとき私が話題にしてみたのは『ジェッターマルス』 。たしか一昨年あたりに東映チャンネルでも放映されてて、私は録画していたのを去年になってから観たから記憶がわりと新しいんです。
「ジェッターマルスね、あれが好きって人、多いんですよ」
 ニコニコしながら清水さんが答える。
「(物語の設定である)2015年あたりになったら、また注目されるんじゃないですか?」と言ってみたところ、「ああ、そうかもしれませんねぇ~」。
 ひと仕事を終えた直後ということもあり、安堵の表情でした。 C=(´▽`)

 我々は居酒屋へ移動します。本当は出演者の皆さんが打ち上げに使われる会場と同じところにしたかった(どっちにも顔を出す伴さんの移動する手間が省けるため)のですが、満席だったので同じ建物内にある別の階の別の店へ行くことに。
 我々だけが先に行き、あとから伴さんがご到着。もっと遅くからの出演者の打ち上げが始まるまでのあいだ、しばらくおつき合いくださいます。

 で、上記にありますようにダメ出し会が始まったのですよ(笑)。
「いろんなものを詰め込みすぎてしまった」
 伴さんが苦笑いしながら作品の反省点を語る。ちなみに、詰め込みすぎて失敗したもので真っ先に思い浮かぶのが、私なんかはSF映画『さよならジュピター』 だったりします(笑)。
 ですが「詰め込みすぎ」ということは、それだけやりたいことがいっぱいあったということなんでしょうね。本当なら「やりたいこと」をいくつかの作品に分けたほうがよかったのかもしれません。でも、そうするわけにはいかない事情に思い当たることがありました。ここには書きませんけどね。

 また、やはり伴さんのところは締まった空気になるというような声が出るんですよ。これには「まぁ、そういう役どころだから・・・」と謙遜(?)する伴さん。そのいっぽうで、若い人たちに紛れてコミカルな場面も演ってみたかったと思わせる口ぶりの伴さんなのでありました。



 誤解しないでほしいのは、なんだかんだ言いますけど、舞台を楽しめなかったのかというと、そうではないんです。伴さん会のメンバーは私も含め、そういうのもちゃっかり面白がれる人たちばっかりです。とくに私なんかはハプニングも大好物ですから。
 じつは伴さんも、台詞が飛んでしまった箇所があったとカミングアウトしてました。一部にはそれがわかった人もいたのですが、残念ながら私にはわからなかった。
 ダメですよ伴さん、どうせならわかりやすく失敗してくれなきゃ。あとでツッコミ入れる楽しみが減っちゃうじゃないですか。 ヾ(・・;)
 それに、もし今回のが失敗の多い作品だったとしても、この系統の失敗を私は責める気にならない。というか、むしろ歓迎だったりします。滞りなく普通に成功で終わるものよりは、何か引っかかりがあったりツッコミどころがあるもののほうが心に残ったりしますしね。他人事ながら、お芝居の難しさを考えさせられたりもするきっかけにもなりましたし。
 聞けば、初日は照明トラブルというハプニングがあって、開演が遅れたり作業灯とピンスポのみでの上演を強行したり・・・で、かなり大変だったとか。なんか『8時だョ!全員集合』の停電事件 を彷彿させるエピソードです。
 、それ見たかったな。初日に行けばよかったかも(笑)。

 すいません、関係者の皆さんにとっては、あんまり嬉しくないレポートになっちゃいました。
 でも私は、観に行ってよかったと思っております。皆さん、お疲れさまでした。 ☆ヾ(⌒ー⌒)/~〃。.:*:・'°