最近、シマエナガさん大ブーム
漢字で書くと
「島柄長」
島は北海道
柄長は長い尾っぽがひしゃくの柄
ということで
島柄長らしい
漢字表記は可愛くない気がする
いや、
可愛くない
読めない上に可愛げがない
自慢気に豆知識を披露しているが、
つい最近入手した情報だ
しかも
ネットからの情報
まったく大人気がない
本題に移ろう
地元にはあちこちで目撃情報がある
しかし
実際にお会いしたことがない
避けられているのか
というくらい
会えない
臆病な性格らしい
絶対にiPhoneで撮影してやる
と
一人張り切る44歳
今年
45歳
インスタからは
毎日素敵なシマエナガさんが
アップされている
胸が膨らむ44.5歳
数年前
夫と犬さんと出没情報のある公園へ
といっても
例の老人の集う公園だ
夫に犬さんを託し
「ジュルリ ジュルリ」と
YouTubeで聴いた鳴き声を
耳を澄まして
心の耳で聴いてみる
・・・
鳥たち鳴きまくる
これじゃあ
わかりゃあしない
しかも
上ばかり見ているせいで
首が痛いではないか
眩暈もするではないか
中年女子ここで思いつく
公園にいるのは老人だけではない
写真家さんが
たくさんウロツイテいるではないか
表現が悪いな
言い直そう
撮影している写真家さんが
たくさんいるのだ
努力のしないで発見できる方法
あるではないか
写真家さんが見つけてくれるに
違いない
早速、写真家さんのいる場所を探し
同じ方向を見る
とにかく見る
調子に乗って
話しかけてみる
「何かいるんですか」
知っているじゃないか
みんなシマエナガさんを狙っていると
しかし
ここは素人ぶって小芝居をするのだ
素人なのだが
偶然を装うのだ
もちろん
誰でも構わず声を掛けている訳ではない
注意が必要だ
中にはやはり
秘密主義の人がいる
人見知りなのかもしれないが
ちょっとおっかない人もいる
そりゃそうだ
努力をせずに
人の力で見ようとしている
私の本心が見透かされているのだ
だからこそ
見極めなければならないのだ
いつ登場するかわからない
シマエナガさんに会うために
タイミングが良ければ
そんな野暮な質問も不要である
ご本人さまの登場とともに
写真家さんたちが一斉に
同じ方向を向いて
シャッターを切る
芸能人の謝罪会見なみに
シャッターが切られるのだ
そこに私は便乗する
一緒に見つけました
と
言わんばかりに
興奮し感動を分かち合うのだ
最低だ
しかし
シマエナガさんはなかなか登場しない
旦那も犬さんも
もう結構な時間
付き合わされている
疲れも出てくる
飽きてもいる
その時だ
高い木の上に小さな尾っぽの長い
白っぽい物体が現れた
興奮しながら指をさし
夫にそれを知らせる
しかし
遠い小さなその物体を
指さすだけでは
なかなか伝わらない
何せ
カメラのような
お高い望遠機能は
私たちの眼には
もちろんない
それでもようやく伝わる
小さくて白い物体は
たぶん
鳥であろうとしか
わからないくらい小さい
しかし
私にはわかる
あのフォルムはシマエナガさんに違いない
夫と見れたと喜ぶ
小さな白い物体に感動する
本当はかわいいかどうかなんで
分からないサイズだが
「可愛い」とまで
言ってのける
しかも
自分たちの力で発見したのだ
さて、
北海道三大かわいいの一つ
シマエナガさんも見れたことだし
散歩も満喫できた
心残りなく帰ってやろうじゃないか
と思っていたその時
「あれ、シマエナガじゃないです」
いつの間にか
私たちの横にいた
写真家さんがぼそっとつぶやいた
えっ
耳を疑う
「あれ、シマエナガじゃないです」
二度も否定される
真面目そうで
人見知りしそうで
私の見極め的には
声をかけないタイプの写真家さん
私たち中年おバカ夫婦の夢を
簡単に
しかも
あっさりと
消滅させたのであった
夢から強制的に冷めることになった私
笑うしかない
「なんだ~、違うのか。恥ずかし~」
中年のおばさんは
棒読みでこう言うしかなかったのだ
そんな私の反応を
気にすることなく
つらっと次のスポットへ向かう
その写真家さん
私のコメントなんかに
返答などしない
完全に
ノーリアクションだ
北海道の自然を相手しているだけあるな
あんた
動揺もせずに
気持ちを切り替えられるなんて
立派だよ
写真家さんたちは
日頃から努力し
その目的の動物の生態を
一生懸命勉強し
本気で撮影に臨んでいるのだ
ラクして見てやろうという
こんな私なんて
動物たちにも
見透かされているだろう
ふんっ
負けず嫌いな私
家に帰ってすぐに
息子のポケット図鑑
調べる~~~
小さくて白い物体だったが
たぶん、そう
こいうだ
その名も
「コガラ」
色とサイズで
勝手にシマエナガさんと
思い込む
なんて単純なんだ、自分
しかし
あの見つけた時の一瞬は
最高だった
間違いを指摘されるまでは・・・
あれから2~3年が経過した
遂に
シマエナガさんが私の前に
現れる日が来た
しかも
そんな高くない
低い木の枝
私の目の前で
可愛く飛び回ってくれた
ありがとうシマエナガさんたち
その日以降も
スポットを巡り
出会える日を待ち望んでいるが
まだ
シマエナガさんの再登場には
至っていない
最後に
あの日の写真家さんへ・・・
望遠レンズを持ち合わせていない
老眼の入った眼ですが
今後も
シマエナガさん探し
頑張ります
また
間違っていたら
気にせず指摘して下さい
宜しくお願いします
…私のシマエナガさんの旅はまだまだ続く