正月早々の元三大師、地元の寺の本堂には入りきれないほど多くの人が集まっている。太鼓の鳴り響く護摩堂内は、赤々と燃え上がる火炎に投げ入れられる護摩木のはぜる音と読経が絶え間なく続いている。晴れてはいるものの外は寒風が吹き荒れている。大木も草も旗もみんな大揺れ、墓地の塔婆がカタカタとうるさく、今にも飛び出しそうな勢いだ。
年始で訪れた実家の位牌の裏の刻字を読む叔母。両親の、すでに亡くなった七人の兄弟たちの命日と名前を。その都度語られる思い出と人柄と………居合わせたみんなの心にたやすく飛び込んでくる。そのうちのひとりが、おれの母であり、あのカタカタとうるさい音のどれかでもあるのだろう。
年末も押し詰まった頃、たまたま聴いたブッカー・リトルが余りに良いので感激してしまった。もともと好きだったが時を隔てて聴いてみて、ますますたやすく心に飛び込んでくるものを感じた。1961年の録音だから俺が小学2年生の時だ。半世紀以上も経っているが全く色褪せていない。ますます彼の息吹きが伝わってくる。このアルバムを作った後23歳で彼は夭折している。
若々しくて、瑞々しくて、ストレートで伸びやかなトランペット。でもまず一等最初に心に飛び込んで来るのは、何とも言えない彼の哀愁に満ちた独特の音色だ。今回もそれは全く変わっていない。でも改めて気付かされたのは、曲の素晴らしさ、彼の作曲家としての非凡さだ。
