「一度、別々の幸せを探してみないか?」
上着に腕を通しなら、真摯な瞳で、殊更さりげなくそう言われ、はっとしながらも俺は素直に頷いていた。
二人でひっそりと朝を迎えた、そんな密室で。
ざっくりと胸に深い傷を負いつつも、表情は歪ませなかった。
だけど言外に「お前とじゃ、幸せにはなれない」と言われたような気がして、ふと、呼吸の仕方を忘れる。息苦しい部屋で、思わず視線を逸らした。
シーツの乱れたベッドが、なにがしかの愛の残滓を伝える。
これが最後だったなら、もっと……。
そんな卑しくて哀しい思いが、不意に湧き上がる。
……儚い幸せ。
それもとびっきりの。
その儚さを十分に自覚しながらも、こんな愛はもう二度とは手には出来ないと固執した。
翔ちゃんから愛される喜び、悦び、ヨロコビ。
圧倒的な幸せがそこにはあった。
本当なら、絶対に手に入れてはいけないもの。
手に入れたいと望むことさえ、許されないはずのモノだったんだから。
……潮時だったんだ。これ以上はもう……。
「さよなら、翔ちゃん」
そのまま、そこから踵を返し、俺は自分の思いに蓋をすることにした。
それから数年が過ぎ、そして今、俺は確かに幸せだ。
きっと翔ちゃんもそうだろう。
彼が歩むべき真っ当な人生を生きて、得るべき濁りなき幸せに溺れてしまえばいい。
俺のことなんか、これっぽっちも頭の片隅にも思い出さないまま。
それでも、俺は願うよ。
翔ちゃんの幸せを。
心から願う。
聖夜に俺が出来ることは、もうそれしか無いんだから。
その時、俺のスマホがテーブルの上で震える。
慌てて掴むと、きつく耳に押し当てる。
息を潜め、急いた思いに手綱をかけた。
更に一拍置いて、俺が諦めそうになった時。
『……誕生日おめでとう……』
ありがとうは言わない。
ただ意識しないまま、一滴、涙が零れた。
程なく、唐突に通話が切れる。
俺はスマホを握りしめ、優しい笑顔を思い浮かべながら、密かな幸せを嚙み締めた。
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メリークリスマス!&ハッピーバースデー!!!
だっーっ!
すみません。こんな小話なら無い方がマシだったかも。
この日は、相葉くんにとっても大事な日だけれど、きっと翔ちゃんにとっても、とても大事な日なんだと私は信じております。信じておりますとも!
どうか、幸せに。
幸せな一年をお過ごしくださいませ。
今年はこれが最後の投稿になると思います。
皆様、明るい未来を信じて来年も頑張りましょうね。