【クングスレーデン】渡渉プロフェッショナルは足の痛みなどもろともしない。5日目 | 世界の道の曲がり角 The Bend in the Road around the World

世界の道の曲がり角 The Bend in the Road around the World

山と旅と写真の記録
2019.1.7~2020.3.11世界一周旅行 完
山を求めて長野県に移住。

7月24日(水)5日目 
チェクチャ→アーレスヤーレ


7時半起床。どうやら雨は降っていないようです。でもどんより曇っているので風で乾いたテントを早々に撤収してから朝ごはん。本日の朝食はインスタントラーメンとマリービスケット。


9:15 出発。アーレスヤーレまで13kmの道のり。気温は17度ぐらい。天気は良くなさそうですが雨が降らないといいな。

しかし…なんだ…
足が…痛いだと…!?

右足アキレス腱が歩くたびジンジン痛みます。実は昨日終盤から怪しかった。久々のテント装備でこんなに歩いたからやっぱり負担かかってたのかな。それとも歩き方がまずいのか。それとも靴が合ってないのか。今更。
待ってくれ、まだ今日入れて3日間歩かないといけないんだ。何なら2019年トレッキングづくしの夏はまだ始まったばかりなんだ。
ここで倒れるわけにはいかない。幸いまだ全然歩ける程度の痛さですがここから悪化したらどうしようと気がかり。どうにもこうにも歩くしかないんですけど。ヘリコプター要請した場合って海外旅行保険使えるんだっけ?
ちなみに両足とも踵は絆創膏で予防したのも虚しく靴擦れ。満身創痍感すごい。


道は果てしなく続いています。マジで果てしねぇ。足を気にしつつ黙々と、でもたまに歌いながら歩く。ハイカーはたくさんいて今日もヘイヘイ挨拶しながら歩きましたが、ふと気がつくと見渡す限り誰もいない、広い大地に私ひとりぼっちのひと時もあります。そのたび「すごいところに来ちゃったな…」って気持ちになる。


幅広め、流れ速めの川と対面。ルート上にはずっと岩に赤いペンキでマークがつけられておりそれを辿ると迷わずに歩けるんですが、見てください、
川の真ん中にマークある。
これ渡ってこいとな。なかなかスパルタですね。
写真で見るとあまり深くなさそうだし水面からのぞく石もたくさんあって渡れそうに見えますが、いざ渡ろうとすると何気に深かったり石と石が遠かったりと難しいです。ストックがないのでバランス力、石の固定具合の見極め力も試されます。
ブログ情報で膝の高さまで浸かってざぶざぶ渡ったと見たので靴を脱いでサンダルで行く覚悟もしてきましたが、靴脱いだり拭いたりするのがめんどくさいので極力靴のまま濡れずに渡りたい。

川べりに立って水面を見渡し、渡れる石を見据えて対岸までの道筋を見極めます。そして気合いをいれてテンポよく、
ほっほっほっ!


どうにか靴の表面を濡らす程度で浸水することなく渡りました。
何度も渡渉を繰り返すとだんだん道筋を見極めるのも早くなり、プロフェッショナルな気持ちになります。渡渉ならお任せください。
振り返ると同じく川べりをウロウロして道を見極めているハイカーたち。がんばれ。

こんなのが3回くらいはありました。どれもなんとか靴のまま渡れましたが、ミドルカットかハイカットのトレッキングシューズでないと難しいです。夏本番に雪解け水がもっと多くなると川も深くなって膝まで浸からないと渡れなくなるのかもしれません。
一度、キーンのサンダルで歩いているかっこいいおばさんハイカーを見ましたが、なかなか大きい荷物だけどまさかそれで全行程歩いているのか…?それはそれですごい。


川を渡ればまた果てしない道。曇りだし右足の痛みもあってあまり景色を楽しめていません。


ああ、でも振り返ると雲の切れ間から日が差してところどころ雪に覆われた山が美しく照らされています。


雲が低く垂れ込め、山の頂上を隠している。


果てしない道の先に湖らしきものが見え、その手前に小屋が建っているのが見えました。おそらく今日のゴールのアーレスヤーレ小屋。思ったより早く見えたなと思ったけどここから2時間半ぐらいかかりました。歩いても歩いても小屋が近づかない。


また川。さすがにこの川はしっかりした橋が架かっています。


途中のちっちゃな川。この真ん中の薄い岩、水の流れで削られたのかな。


振り返ると大きな川がうねうねと広がっています。


14時、アーレスヤーレ小屋に到着しました。お疲れ様でした。
この小屋は売店やサウナがある大きな小屋です。ここでサウナに入る気満々だったのに、女子的諸事情で入れなくなりました。残念すぎる。


小屋がある高台からその先を見ると広い湖が広がっていて絶景。今日はこれが見える場所にテントを張りました。テントの中から見える景色を重視して張ったら強風をもろに受ける向きになってしまい、テントが
飛ばないか心配。張り終えた頃からまた雨がパラつき出しました。昨日も今日もギリギリ行動中の雨を回避しています。すごい。


テント近くにいた雷鳥。


今日歩いてきた方面。なんか…太古の昔を感じる。氷河が大地を削り、そこに今も脈々と川が流れている。まさに絶景。しかもちょうど日が差してめちゃくちゃ神々しい。うーん、ちょっと写真には全然うまく写ってないな。ここまで歩いてきた者のみが見られる光景であります。

この絶景を前に日本人のKさんご夫婦とおしゃべりしました。この感動を日本語で分かち合えて嬉しい。しかもお二人とも登山好きなので山トークができてなおうれしい。
でもこの場所とんでもない強風でした。しばらく強風に煽られつつ喋ったあと、なんでこんな場所で喋ってんだろうねとなり、各自小屋とテントに戻りました。

ところで、このトレイルでは写真に写っているイモムシ型のテントを使っている人が多い。日本じゃあまり見ない形です。各地でよく使われている登山ギアを見比べるのもおもしろい。ニュージーランドで無くしたプラティパス(登山用折りたたみ水筒)をどこかで買おうと思ったらこれまでどこに行っても見つけられません。あれ使ってるの日本だけなのかな。

5日目終了です。
現在22時過ぎ。風はおだやかになりました。静かに眠れそう。明日朝起きたら右足アキレス腱の痛み、消えていますように。