【バンコク】深夜特急に乗ってマレー半島縦断 前編 | 世界の道の曲がり角 The Bend in the Road around the World

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山と旅と写真の記録
2019.1.7~2020.3.11世界一周旅行 完
山を求めて長野県に移住。

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オフラインで書いてたのを投稿します。

 

バンコクから深夜特急に乗ってマレー半島を縦断し、マレーシアのクアラルンプールまで。

時刻は20:50。今このへんです。

 

 

「く」の字のちょうど折れ曲がったところのハートはプーケットです。こうしてみるとプーケットから直接マレーシアに向かったほうが早そう。でもわざわざバンコクに戻りました。なぜならEMSを受け取る必要があったのと、どうしても始発駅バンコクから列車に乗りたかったから。

こんな非効率的な行程も長期旅ならでは。

 

深夜特急、ヤバイです。あの憧れの列車に乗っているだけでもう嬉しくて嬉しくて。

はぁー!嬉しいー!!

近くのベッドからもうはや寝息きこえてくるんですけど、なんでもう寝てんの?もっと楽しめよこのひと時を。

 

列車に乗るってなんでこんなに楽しいんでしょう。日本でも遠出した先で電車に乗るのがすごく好きです。心地よい揺れと音を感じながら、窓の外を流れていく景色をただひたすらに眺める。町を出て民家が続き、気が付けば一面田んぼ、そしてまた町へ。そこで暮らす人々の日常の間を通り過ぎながら何気ない動きに目をとめたりして。人だけじゃなく、犬が歩いていたり牛が草を食んでいたり、そんなことを見るのが楽しいんです。

 

ただ列車に乗るだけでもそんななのに、海外で初めての寝台列車、しかもあの憧れの深夜特急ですから!

私の興奮がお分かりいただけるだろうか。

 

列車のチケットは駅窓口でも買えますが、乗車当日だと満席の可能性もあるし曜日によって運行していないこともあるそうで、プーケットに行く前にネット予約しておきました。

 

 

チケットは紙で用意する必要があるためPDFを宿でプリントアウトしてもらって、準備オッケーです。

 

 

12:00に駅近の宿をチェックアウトし、タイ国鉄ファランポーン駅へ。出発時間まで3時間ほどあります。今日でタイを離れるので最後の昼食は屋台麺食べ収め。とにかく安いし(だいたい40~50バーツ150円)屋台によって味が違ってどれもおいしくてすっかりハマってしまいました。食事の時間になれば屋台麺を探して歩きます。

 

 

これは昨晩、タイ最後の晩餐と思って食べた屋台麺。具沢山で40バーツ(140円)。

 

 

おそらく街中のほこりめっちゃ入ってると思うし衛生面はだいぶ謎なんですけど、全然気にしないし今のところ体調も問題なし。

 

 

南国フルーツも食べおさめ。これも屋台で売っています。パイナップル(20バーツ 70円)がおいしすぎて食べまくっていたら舌が痛くなって食べられなくなった。つらい。

 

 

その後ちょっとプラットホームの撮影へ。そしたら私の乗る列車もう着いてました。

 

 

ちょっとレトロな看板が良い。

 

 

 

 

絶賛清掃中です。

ただぼんやり待つよりはと、出発準備をする列車を眺めて待つことにする。そしたら同じベンチに座っていたじーさんが話しかけてきました。英語なんだかタイ語なんだか何語なんだかよく分からない。そうや!こんなときこそグーグル翻訳!と差し出してみるも、じーさん見る気なし。字小さかったかな…でもとりあえず見てくれよ。

全く理解していない私におかまいなしで話し続けるじーさん。自分のスマホに入っているタイ王族の写真と謎の美女の写真をひたすらに見せてくれます。東南アジアの国と首都、通貨を教えてくれているときだけは分かったのでリピートアフターミーしておきました。じーさんが何やら話し、私が「へー、そうなんですかー!(日本語)」と答えるコミュニケーション。訳分からなさがおもろくなってきて最終的にお互い笑顔で握手をして別れました。

 

発車30分前にちらほらみなさん乗り始めました。

 

 

この列車はタイとマレーシアの国境、パダンブザールまでいきます。以前は1本でクアラルンプールまで行けたそうですが路線廃止になってしまったため、国境でマレー鉄道に乗り換えなければなりません。

 

 

狭い入り口。いざ乗車。

 

 

車内昼バージョン。レトロな雰囲気。扇風機がついていますがクーラーがしっかりきいているので動いていません。

 

 

夜になると二段ベッドになります。本来4人掛けですが、上段下段の人がそれぞれ1席使えるため広々。

 

 

広々のはずが、私の荷物でかすぎて圧迫感が半端ない。

 

列車は定刻ジャスト15:10に動き出しました。もうすでに興奮がヤバイ。

 

 

途中から同じボックス席のおばちゃんが乗り込んできます。会釈しようとするも目線が合わない。なんかとっつきにくい人なのかな。残念だ。と思ったらしばらくして話しかけてきてくれました。どうやら私のことをタイ人だと思っていたらしい。マジか。じつはバンコクでもアジア系観光客に駅のことをきかれ、タイ語でお礼を言われました。そんなにタイ人に見える…?純日本人顔だと思っていたので複雑な気持ちです。

 

 

おばちゃんも英語はそこまで達者ではないとのことでお互いゆっくりゆっくり話す。タイのどこに行ったとか、おばちゃんの家族のお嫁さんが日本人だとか。窓の外の景色を見て、あれが砂糖が採れる木だとかいやそれはココナッツの木だとか、交通渋滞がすごいねーとか日が沈むねーとか。途中、車内販売に強引にタイ米せんべいを5袋ぐらい売りつけられるおばちゃん。結局押し負けて買って、私とお隣のボックスのヨーロッパ人カップルにおすそ分けしてくれました。いい人~。

 

 

ポン菓子みたいなのにカラメルがかかっている。素朴でおいしい。

 

夕食を買ってこなかった私を気にかけてくれて、お弁当の車内販売が回ってきたときに「ほらほら!来たわよ!」と教えてくれました。

 

 

ガパオライス弁当、おいしかったです。45バーツ(157円)、街中で買うのと同じ値段。車内販売はほかにもおやつやジュースなどありました。私は行きませんでしたが食堂車もあったので飲食には困りません。

 

ときどきおばちゃんと話し、あとは窓の外を眺めてあっという間に日没です。

 

 

19時前に列車のスタッフがベッドメイキングにやってきました。動画を撮る間もなく手際よくあっという間に真っ白なシーツが敷かれたカーテンつき二段ベッドが出来上がりました。私は下段。出入りが楽だし、上段より広いしなにより窓があります。便利な分上段よりやや高い990バーツ(3460円)ですが絶対下段のほうがいいと思います。

 

 

上段はシートベルトが柵代わりに2本天井から付いているだけで他になにもないので落ちそう。ちなみに下段席だと昼間は進行方向向きに座れるのでなお良いです。

 

 

カーテンを閉めるとすごくプライベート空間。クーラーもちょっと強いぐらいにしっかりきいているし、洗面台やトイレもあるし、めっちゃ快適。電源は各ベッド近くにあるのかと思っていたら、車両中央に何個かあるだけ。みんなで譲り合いですね。Wi-Fiはありません。車内の明かりはずっとつきっぱなしだそう。カーテンを閉めれば光は透けますがけっこう暗くなります。餞別でいただいたソーラーパフがめちゃくちゃいいかんじに灯してくれている中、日記タイムをしています。

 

はー楽しいな。なんか眠くなってきたけど寝るのがもったいない。このままいつまでもどこまでも走り続けてくれたらいいのに。深夜特急がいつのまにか銀河鉄道になってたりしてな。

 

明日定刻なら8:47にマレーシアとの国境パダンブザールに到着します。そこでマレー鉄道に乗り換えて一気に首都クアラルンプールまで。国境越え、スムーズにいきますように。