FAKE JAPAN 寂しいエイリアン

FAKE JAPAN 寂しいエイリアン

地上に墜ちた寂しいエイリアン、アン・ノラエイリ。

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 鎌倉方面にアジサイを見に行こうって話が持ち上がり、その段取りで湘南方面のホテルに問い合わせの電話をしたら、待ち受けサウンドがサザンのオルゴール曲。さり気だけど、洒落てるなと、思わずニヤリ。
 まあ考えてみれば、サザンの曲を選ぶのは当たり前の発想なんだろうけど、同じやるならこの程度の「軽さ」がいいなぁと思いますね。
 最近の営業系の目を引くアイデア・サービスって、ちょっとドキツイのが多いから(笑)。

 

 ところで湘南サウンドって、思い出すのはアンの場合、サザンしかないんですけど、ネットで調べると加山雄三さんからなんですね(笑)。
 加山雄三さんから始まってTUBEまで。

 湘南って、イメージとしての幅が広いんだぁ。

 

 

 シグナルも次回がいよいよ最終話。
 って事で、第9話は最初からフルスロットルで泣かせに来てましたね。
 美咲の大山刑事に対する想いも切なすぎるし、少年時代の健人と大山刑事のオムライス描写も、なんだか「一杯のかけそば」の世界。
 かけそば、、、モリカケじゃありませんよ(笑)。

 

 それにしても大山刑事って良い奴過ぎる、、それで女子にもモテるし。
 中本刑事部長の悪魔の誘惑を、揺らぐことなく気持ちいいくらいバシッっとはね除けるし、こんな実直で使命感に燃えた男って、希少価値あり過ぎますよね。
 最近になってTV画面に再三登場する大山刑事の写真立ての中身が、何故「北斗の拳」のケンシロウなのか、ようやく判ってきました。
 でその裏には、美咲と一緒の写真が、、うわぁ、、直球で泣かせる。

 

 「シグナル」の凄いところ(多分、原作の方はもっとストレートなんだろうけど)は、今時の日本ではちょっと描写するのに腰が引けてしまうような正義感や使命感、悲しみへの一途な共感ややさしさを、なんの衒いもなく一気にぶつけて来る所かなぁ。
 でその核になっているのが、過去にいる(既に死んでいる)大山刑事という男の存在。
 ある意味、現在に生きている健人は、大山の存在に救われているって感じなのでしょうか。

 最終回がとても楽しみです。
 そんな感じで結構いいドラマなのに、もう一つ盛り上がっていない感じがするのは、やっぱり最初の掴みが上手く行ってなかったのかなぁって思います。

 もっと「泣かせ」で良かったのに。

 臆面もなく同じ主旋律で攻めて来る手法と言えば、最近じゃ日曜劇場の『陸王』もそうだったんですが、「シグナル」だって、主旋律がハッキリしているんだから、その手でやっていれば、国内の視聴動向だともっと人気が上がったと思うんだけど、、、一応、ジャンルがミステリーだからそういう訳にはいかないか、、。

 

 でもせめて、第1回第2回の謎々過ぎる構成を、もうちょっと整理した方がよかったのにとは思います。
 全10話という枠内で過去と現在を行き来する構成に加えて、他の未解決事件を前半に大量投入したのはちょっと、、。
 それと俳優さんたちは、最初に脚本を貰って、時空を越える演技プランを練ったんだと思いますが、アンご贔屓の北村一輝さんは、当初の大山像を考え過ぎたの?って感じですね。
 後になる程、大山が良くなっていったけど、ほんと最初の頃は「若い頃の大山」を計算しすぎてた感じ。
 それに比べて坂口健太郎君は、、、って彼の場合、戻るのは高校生までなんで、仕方ないと言えば仕方ないんだけど、やっぱり一本調子だったかな。

 瞬間瞬間では魅せてくれる部分は一杯あるんだけど。

PS ついで書きじゃ悪いんですけど、「ゴールデンカムイ」、作画を除いて、ホントに面白いですね。

 これ原作が人気あるわけだ。

 TVの方も演出・構成は上手いと思いますよ。

 第9話では、変態殺人鬼辺見の登場を、最後にどう捌くんだろう?って思ってましたけど、ああやるのか!ってちょっと感心しました。
  もし「ゴールデンカムイ」が「羊達の沈黙」みたいな感じだったら、あんな風には持って行けなかったでしょうね。
 最近、杉元の「良い人」描写が多くて忘れていましたが、やっぱり白石の「アイツが一番、怖い」が正解です。(笑)

 

 賀露の海陽亭さんの次は、岩牡蠣を求めて浦富海岸へ、、だったんだけど日本海沿いの9号線を走っている内に、「海」自体に満腹した感じで、浦富海岸辺りについた頃にはもう休みたくなって、旅館に向けて引き返してしまいました。
 それにしてもこの時の白兎海岸、台風の余波でもう大変な状態でした、、毎年、夏になると人が波に浚われてっていう事故が、ニュースで流れるけど、、凄かったですよ、この時の光景。
 走る車で道路から眺めているだけなのに、恐怖感憶えるんだから相当です。

 今回の旅の宿は、二日間とも連泊で三朝のS旅館でした。
 館内にはさりげに映画監督や俳優・力士etcの寄せ書きが飾ってある有名旅館です。
 でも豪華さだけなら、ここよりバブリィな旅館はたくさんあるんですよね。
 何がいいかというと料理に手を抜かないという姿勢。
 (基本的に料理がいいと、他のサービスもいいのが普通ですね)
 料理が美味しいと言うのは基本条件で、それ以上に魅せる工夫、料理を楽しませる工夫をどれだけ手間暇かけて出来るか、、これって、凄く大切なことなんですよね。
 そういうおもてなしを受けるから「旅館に泊まる」値打ちが出てくるわけだし。
 S旅館の料理は、その辺りがとっても優れている。
 夏風邪で、かなり食欲が落ちている状態でも、出された料理の一品一品に驚きや魅力があるからちゃんと食べさせてしまうんです。

 

 真ん中に筒が立った青いガラスの器、(まあそれ自体が珍しいんだけれど)、その筒の中にはモズク酢のようなものが入っていて、その筒を持つとストンと抜けてモズク酢が器一杯に広がって、初めは見えなかったトロロや茗荷の千切りもみえるようになる。
 どうやこの筒の正体は、ナプキン止めのような気がするんだけれど、器の方も同じ色と柄のガラスなのが凄い。

 

 大手旅館としての力があるから、こんなことも出来るんだろうけれど、夜に遊びに出かけた温泉通りの小さな旅館でも、洒落たユニホームを着た仲居さんが煌々と明るい玄関件ロビーで甲斐甲斐しく接客をしてたりして、今は小さい規模でも「伸びる」所はそうやって伸びていくんだなぁって思わせてくれましたね。

 

 

 

 

 三朝温泉旅館の朝、、どうやら風邪の方は治ったようでした。
 だって普段の生活サイクルからすると完全に病気療養モードの睡眠時間でしたから、、、その代わり、さすがに夜のお楽しみは(何想像してんですか?トランプで7ならべの事だよん<真っ赤)みーんなパスだったけど、エピキュリアンも風邪には勝てないって事ですね。

 で朝風呂に入りました。
 アンは露天で、夜空と朝の空を見るのが大好きなんです。
 この旅館にチェックインした時は台風の接近で旅館の雑木林の竹が凄くしなってたけど、この日はまし、でも見上げる空はどんより曇ってます、、、さて今日はどんな一日になるのやら。

 アンは泊を伴う旅行の場合、それがどんな小さな旅でもテーマじみたものを立てることにしてます。
 この旅は「岩牡蠣と白イカを食べに行こう」でした。
 正直いって二品とも大好物ってわけでもないんですけど、過ぎゆく夏と共に旬じゃなくなる食べ物を追いかけるのも面白いかなって。


 でお昼ご飯は、賀露の海陽亭さんで、生け簀の中の白イカの姿造りって思ったけれど、まだ風邪の影響でか弾力のある触感が駄目っぽいので、山菜とか煮物が混じっているフツーの定食にしました。
 今回の旅のテーマから逸れちゃいましたが、お店の雰囲気や、周囲のお客さんたちの食べてるもの見てるだけで充分、お腹一杯です(笑。
 なんていいましたっけ、♪鯛やヒラメの舞い踊り~♪
 このお店で嬉しかったのはゴムエプロンをした安室奈美恵ちゃんみたいな粋の良い従業員のおねーさんに出会ったこと(ゴムエプロン萌えも+)。

 

 普段、Webではエロ小説じみたのばかり書いているので、ひょっとしたらアンって年がら年中発情してるように思われてるかも知れないけど、営業でもなんでもない普通の生活の時は、たぶん一般の人より淡泊なんじゃないかと思いますよ。
 アンのような人間が女性に肉欲を感じたら、これをレズと言うのかヘテロというのか良く判りませんが、パッと見た時にセックスアピールを感じるのは女性の方が多いですね。

 

 眼鏡をかけた長身のほっそりした美人が本を無心に探している姿だとか、前出のおねーさんみたいに、ある条件が整っている場合にそれは起こります。
 だからほんとんどの場合、寝技に持ち込むのは無理で黙って見つめているしかないんですよ。
 あっ、これ、みんなもそうか(笑)。

 

 

 

 今までの自分の国内旅行を振り返ると、中距離だと「大阪から岡山付近を経て鳥取方面へ」というコースが圧倒的に多いような気がします。
 主幹道路を中心に点在する観光地を簡単に辿れるので、コース取りの為の運転に気を使わなくても良いというのが理由なんでしょうね。
 ですので、その旅行の中には、風邪をひきながらってのもあって、我ながら無茶してるなぁと(笑)。
 行けるチャンスに行かないと、次はいつそのチャンスが巡ってくるか判らないので(このスタンスのお陰で振り返ってみると、随分、あちこちに出かけています)。

 

 それにアンの場合、夏風邪だと、多くの場合、なんだか自分が病気なのかどうか判らない状態で熱に漂いながらも、動けるのは動けるので、「夢うつつの旅」って感じで、それはそれなりになんとかなるんですw。
 今回はそんな体調の中での旅行の話を。

 名の通った有名旅館でも、盆を過ぎての平日はリーズナブルな価格なんですよ。
 勿論、普通のお勤めの人には真似の出来ない芸当でしょうけど。
 でも一度とったお休みは、自分の身体の調子がどうであろうとも融通が利かないのはアンとておなじこと。
 この旅、休暇直前に夏風邪を引いたみたいでドライブ中、頭が痛くなって、予定していたコースを大幅に変更して、早い目の旅館到着でした。

 この日のお昼ご飯は、西粟倉でバイキング、、「あわくら旬の里」のバイキングはメニューが土地でとれた野菜・山菜と、川魚お豆腐、郷土料理でアンのお気に入りです。
 サラダとかおつけモノが異常に美味しいので、ご近所のスーパーなんかの「産地直送」ってどれもこれも偽装じゃないのか?って思っちゃいますw。
 で三時のおやつは、恩原高原の「うたたね荘」でだんご汁、、何処が風邪引いてんだ?といわれそうなんだけど、実際、この「うたたね荘」で少し横になって休ませてもらいました。
 「うたたね荘」のおばちゃん達、ご親切にして頂いてありがとう御座いました。
 だんご汁、とっても丁寧に作ってあってホント美味しかった。
 つけあわせのなますも、思わず持って帰ろうかと思ったくらい美味しかったですよ~。
 (今日の文章は、なんだか初めて友達と旅行にでた高校生みたいですねw。)

 この日はなんとか、予約していた三朝温泉の旅館に辿り着いて、夕食では意識的にお酒を戴きました。
 でも暫くすると、今まであまり酷くなかった頭痛が、ただいま絶賛発売中!(笑)。
 割れそうってのでもないんだけど。

 、、宿の温泉に入るまでは、お酒と素敵な夕食でOKだったんですよね。
 でもやっぱりアルコールが、、、。
 卵酒の効用を信じて、、茶碗蒸しも戴いたし、、・・・違うか。
 その茶碗蒸しが赤い巾着袋に入って出てきて「キャー可愛い」とか、「岩牡蠣ってエロじゃん」とか騒いでる内は良かったんですけどね。

 

 

 「2004年岡山女児殺害事件」の容疑者として岡山刑務所で服役中の勝田州彦受刑者が逮捕されるというニュースが飛び込んできましたね。

 

 勝田受刑者は以前から、自身の腹部をシャツの上からナイフで刺し、血に染まる状況を見ながら、少女が同じように出血する姿を想像していた。
 自傷行為を繰り返した末に入院し、担当医から「もう自分を刺すことはできない」と告げられ、これを機に「現実の少女の腹部を刺したい」と考えるようになった。


 こういった経過を知らされると、性的ファンタジーの限界というのか、そういう「壁」をいとも簡単に跳び越えれる人間って、そこら中にいるんだという事を否が応でも思い出さされて背筋が寒くなります。
 それでも最初は、勝田受刑者って直接的な犯行に及ばず「自分の腹部」を刺していたんですね。

 当然、刺せば傷みが走る。

 それでも自分で刺す。

 この辺りを拘って考えるならば、その欲望の屈折は、単純に「最初は犯罪を犯したくなかった」という経過などより、もっと複雑なのかも。

 実は、この事で考えたのはもう一つあって、最近、TVで放映された「ゴールデンカムイ」の第8話「殺人鬼の目」に登場する連続殺人犯・辺見和雄の描写なんです。
 ・・・いや、それをもって何とかと言う、つもりはありません。
 考えるのは、こういう現実で起こる事件と、ドラマやアニメ・映画との不思議なシンクロニシティ、共時性の事なんです。
 あらゆる表現の根っこは、「世界の解釈・人間観察」にありますから、事件と「似た事」は、アニメであっても当然、起こり得ると思います。
 でもその発現時期がシンクロする率ってそう多くはないですよね。
 それに個人的な感覚だと、シンクロニシティが多発する時って、社会がかなり不安定になって来ている時なんじゃないかと感じたりしてます。
 これ、なんとなく怖いですよね。

 

 

 

 警察上層部が有力政治家の手先となって、ある事件の隠蔽や捏造するというストーリーは、随分昔からあって、それ自体は珍しくはないんですが、このドラマの息苦しさは、一体何なのでしょうか?
 それはこの国が、モリカケ(森友学園)問題で近畿財務局の男性職員の方が自殺したり、ある一つの事実を否定する為に、次から次と行政レベルで改竄が行われたり、日大アメフト問題では日大の権力構造の闇の大きさが見えてきたりと、いつになくシグナルで描かれる世界がリアルに見える状況下にあるからではないでしょうか?

 

 普通、このような筋だてのドラマというものは「現実にはそんなことはない」と思えるから楽しめる部分があるのだと思えます。
 ですから主人公たちが置かれた立場も「出来るだけ悲惨」であったり、「不条理」であったりする方が、やがて訪れるカタルシスが大きいのが常なんです。
 でも、「現実にもこんな問題は大いに起こりうる」と視聴者が感じたら、話は別ですね。

 

 特に第8話では、『生け贄に選ばれたのは、(選ばれるのは)そいつに金もコネもなく、この社会から抹殺されても誰も振り向かない人間だからだ。』と行った趣旨が、何度も繰り返されました。
 結局、強い人間がシラを切り通したら、なんとかなっちゃうのが、この世の中なのか、、。

 なんだか現実の問題とダブっちゃいますね。

 主人公の三枝健人は、その生け贄に選ばれた側の人間の怨念を背負って、正義の執行を成そうとしている訳です。
 原作の韓国版シグナルは韓国で大変な人気だったそうですが、もしその内容が日本版のシグナルとそう変わらないのなら朴 槿恵大統領を引きずり下ろした韓国民衆の感覚を考えると、さもありなんと思います。

 

 ただ三枝も、過去を変える事の危険性を知り、大山刑事との間に生まれた精神的な絆や美咲との関係もあり、単純な復讐心だけでは突き進めない事も理解し始めています。
 ・・・そこで、残り数話の展開は?っという所なんでしょうね。

 多分、韓国版だと、メチャメチャ大泣きさせるエンディングが用意されてた筈で、さあ日本版はどうなるんでしょう?


PS 今回、大山の遺骨を見つけた時の美咲を演じた吉瀬美智子さん、、良かったです。
 正直、ここまでモロに感、情を表に出し切れる女優さんだと思っていなかったので。
 それと、あまり関係ないけど、亮太・健人兄弟が美形過ぎて、ずっと見てても飽きないってのもシグナル、ポイント高いです(笑)!

 このブログの基本スタンスは、面白いドラマや映画は視聴率云々じゃなくて、面白くてクリエイティブな作品をどんどん評価して行こうってものなので、中には出だしや前半がフラフラした作品なのに途中から良くなって来たものも、ちゃんと取り上げようと思ってます。

 最近のTVドラまでは「西郷どん」が、その筆頭ですかね。

 西郷吉之助が島に流されるまでは月照との絡みが出てきて、ドラマとしてちょっとは持ち直してきた(視聴率の事ではなく)ものの、今までのお馬鹿な演出から抜けきれないでいたんですが、「島編」になってからは、素直な好感の持てる出来になりました。

 俳優陣の力量は、変わらないので、やっぱり制作側の作品の「打ち出し」方の変化なんでしょうね。

 勿論、歴史大河としての魅力を取り戻したという訳ではありませんが、恋愛ストリートして、あるいは少しは「ウチナンチュー・ヤマトンチュー」の関係性に触れるという社会的テーマに手を染めた辺りも含めて、上質なドラマになりつつあるような気がします。
 典型的悪代官・田中雄之介を近藤芳正さんが見事に演じているんですが、「西郷どん」の場合、この悪役ぶりを「水戸黄門」レベルから、ちょっとだけ上げてるような感じです。
 おそらく、やろうと思えば、もう少し現在の社会批判に通じるような部分まで演出展開出来るんだけど、「西郷どん」では、これで精一杯って感じかなw。

 

 兎に角、ちょっと深読みすると、田中雄之介の描き方で彼の背後にある「権力」や、その「権力構造」の中で、己の欲望や保身を追求しようとする人間の理屈なんかを、ちゃんとあぶり出しているような、そうでないようなw。

 それしっかりやると、「反日」とか言われちゃうのかなwww?

 

 それと回復の起爆剤は二階堂ふみちゃんの熱量でしょう。

 台詞回しは時々、方言といっても、半分判りやすくする為か、標準語と混ぜたような感じになってて「うん?」って思う所があるけど、その熱量は半端ないです。

 (彼女の昔からの演技スタイルを知ってる人には、演技派っていう括りの評価は、違和感があると思います。この人はどちらかというと「二階堂ふみの○○」って女優さんです。)

 少なくとも二階堂ふみの光が、鈴木亮平君をピカピカ照らし出してるのは確か(笑)。

 

 ・・「島編」の持ち直し度も、長期遠征ロケの目眩ましで、その内、駄目になるかもって意地悪く見てたんですけど、場面が本土に移った第20回「正助の黒い石」も、大久保正助役の瑛太氏の演技に見応えがありました。
 瑛太氏の場合は、最初から「西郷どん」の大久保利通役は「いいんじゃない?」って感じで、あれ瑛太ってこんなに味わいがあったっけ?と見直してたんですけど、「正助の黒い石」は、瑛太氏に凄く填ってました。
 多分、もっと複雑な感情表現が必要な脚本でも、今の瑛太氏なら演じられると思うんだけどなー。
 第20回「も「結構、複雑な役所やん」っと思いながら見てたら、最後の落とし所が友情だったり、夫婦愛だったりするので、カックンしちゃうんですが、これは瑛太氏のせいじゃないよね(笑)。
 それと島津久光役の青木崇高氏ね、、ホントこの人、久光みたいな役所がすっごく似合う。

 多分、他の人がやってもこんな感じには絶対に仕上がらないと思うし。

 いやぁこう見てみると、「西郷どん」って、もっと内容レベルを上げても、充分、演じきれる俳優さんが多いんじゃないですか。

 ホント、本気になってもっと骨太なドラマにしようと思わないのかしら?

 「島編」での仕上げ方をベースに今後を展開していったら、「西郷どん」もちょっとは目鼻が付くと思うんですけど、さてどうなる事ですやら。

PS 「シグナル」の方も俄然、面白くなって来ましたね。

 なんか北村一輝氏が、木訥とした青年刑事って役所を、あまり意識しなくなって来てから(大山剛志刑事の加齢変化?)、急に面白くなって来たっていうのか、過去と現在の絡みの面白さが全面に出てきたせいでしょうかね。

 それに坂口健太郎君って、静かに堪えた感じの演技の方が絵になるし、そっちの三枝健人像が多くなって来たってのも大きいかな(笑)。

 

 

 

 

 

 

 きょうのテーマは、ゴネ女じゃなかった映画「ゴーン・ガール」に愛を学ぶ、です。
 「恋愛」って難しいですよね。
 特に難しいのは「結婚」、人によっては、結婚と恋愛は何にも関係ないと仰る方もいますが、アン的には、結婚に「恋」はなくてもせめて「愛」はあるだろうと思いたいです。
 でも、結婚してないし・出来ないし・するつもりもないから説得力0ですが。

 「ゴーン・ガール」って、人間関係的には、あの不倫文化の金字塔・「ゲス不倫」のベッキーじゃなくて、川谷絵音を主人公にした映画、、。
 でもないか、どちらかと言うと川谷絵音の奥さんを主人公にした映画ですね。
 川谷絵音がベン・アフレックで、奥さんがロザムンド・パイク。
 うーんと映画ではベッキーは誰だっけ(笑)。

 ざっと映画の粗筋を紹介すると、『表面的には幸せそうに見えるニックとエイミー夫婦。そんなある日、エイミー(ロザムンド・パイク)が血塗れの部屋から謎の失踪、やがて疑いの眼差しはニック(ベン・アフレック)に向けられ、ニックは世間からの激しいバッシングの嵐に晒されるのだが!?』って感じなんですが、この映画の面白いところは、そんなありきたりのミステリーぽい展開は前半3分の1位のところで終わってしまって、あとは「マスコミ(世間)vsニック」と「エイミーvsニック」のそれぞれを、息もつかせぬ毒のある面白さで突っ切るところでしょうね。
 この「毒」は、デヴィッド・フィンチャー監督の独壇場ですね。

 2016年2月12日の宮崎謙介ちゃんの会見、国会議員の「育休取得」を提言しておきながら、妻の出産入院中にタレント女性と不倫をしていたことが報じられて衆議院議員の辞職を表明した例のアレ、見てました?
 アン的には、アレ、あくまで国内水準だけど結構、評価してるんですよ(笑)。
 「倫理的に見て何とか」とか「政治家として何とか」とか、色々言いたい人もいるんでしょうけど、宮崎謙介ちゃんって、基本的に「軽い人間」なんだから、あの程度でも充分ちゃんとやったと思うんですよ。
 チャラ男君にそれ以上の事、望むのが無理ってもんでしょう(笑)。
 でも同じなら「ゴーン・ガール」のニック程度の謝罪会見?あれ位の事して欲しかったなぁ、あれ見てて隠遁中のエイミーだって「ざまあみろ」とは思いながらも、それなりに自分の夫に対して感じる所があったみたいだし。
 宮崎謙介ちゃんのアレって、結局、自民党に謝ってるわけでしょ。

 このニックを演じたベン・アフレック、今ではすっかり新生バットマンでもう一度脚光を浴びていますが、「ゴーン・ガール」で光っているのは、なんと言ってもロザムンド・パイクでしょ。
 ロザムンド・パイク演じるエイミー、前半の「出来る女」パートも良かったけど、何と言っても、その悪巧みが明かされてからのパートが超面白いです。
 ちょっとお間抜けなくせに、やっぱり超したたか。
 だってエイミー、昔、自分に付きまとってたストーカーを逆に利用しちゃうんですよ。
 そのエイミーを単なるサイコ女みたいな形でまとめないで、ロザムンド・パイクがそれこそ「生きた女」として演じきってます。
 演出の方では、このエイミーで、悪女かキレ女か、出来る女の暴走か、まあ女なら誰でも持ってる特性を、ただ誇張してみせただけなのかも知れませんけどね?
 どちらにしても、この映画、男に取っての「理想的な女」を常に演じてるアンには、あまりお呼びでない部分が全面に押し出されていましたね。
 そんな女の怖さに、「結婚」という男と女の生活様式が絡んでくるんだから始末に負えません。
 ラスト辺りでエイミーが「お互いに憤り相手を支配しようと傷つけ合うのが結婚なのよ」とニックに宣言して、そのマウンティングを完了させるのを見たアン周辺の既婚男性陣の多くは、苦笑いと共にみんな半泣きでしたね(笑)。

 でもアンは、こんなエイミーだって、精神的な「まぐろ(女)」と比べたら凄くましだと思うんですよね。
 少なくともエイミーが、ニックから受け取るべき愛情について拘りを持っていたからこそ、この復讐劇が始まるんですから。
 「まぐろ」なんて只、愛されるでけで、何の反応も返さないんですよ。
 「愛が足りない」とも言わないし、「その愛は間違っている」とも言わない、耐えてるわけでもない、無関心でさえない。
 ただただ、自分に向けられる愛を受け入れているだけ。
 その代わり変化が起きないから二人の間にはさしたる破綻もない。
 意外に多いんですよ「まぐろ」は。
 恋愛経験が少ないのか、あるいは数ではなくその「深さ」が足りなかったのかは、知りませんけどネ。
 情報量が多くなるほど人間関係は希薄になる。恋愛の「ドロドロ」のやり方すら間違える。

 「テラスハウス」なんか製作してたり、見てたり、、駄目ですよ。あんなの。

 こんなご時世だから、男も女も、やっぱり「恋愛」については、ちょっとは本気で勉強した方が良いかも知れませんね。

 

 

 

 

 

 今日はニールス・アルゼン・オプレブ監督がスウェーデンで撮った映画、「ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女」三部作のお勧め記事です。
 多分日本では、デヴィッド・フィンチャー監督の「ドラゴン・タトゥーの女」の方が、有名だと思うんだけど、ミステリー好きにならアンはこっちらをお勧め。
 実を言うとアンが、これらの映画を見た順番では、「ミレニアム」の日本語字幕版を見て、次にフィンチャー版「ドラゴン・タトゥーの女」の日本語吹き替えを見て、最後に「ミレニアム」の日本語吹き替え版をって随分、奇妙な事をやったのですが、やっぱり「ミレニアム」の方が何度見ても面白かったのです。

 そりゃ、フィンチャー版「ドラゴン・タトゥーの女」は、オープニングからして「SM風味の007?」って感じで、派手さはあるけど、ダニエル・クレイグがアクションやらないで推理探偵もどきをやっても似合わないし、一番ネックになるのが、肝心のドラゴン・タトゥーの女であるリスベット・サランデルが、この映画の場合、貧弱すぎるって事です。
 主人公はリスベット・サランデルなんだけど、ダニエル・クレイグを映画に持ってきたら、彼を中心に描かなきゃしかたないですからね。
 あの「セブン」とか「ファイト・クラブ」を撮った監督が、「ドラゴン・タトゥーの女」のいう出来の良いミステリー原作を映画化したんだから、凄い作品が出来ると期待したんだけど、こんな事もあるんだなーと(笑)。
 この映画の3年後に撮ったデヴィッド・フィンチャー監督の「ゴーン・ガール」は面白かったけどね。
 デヴィッド・フィンチャー監督の作品って、正体の判らない隠し味で「美味しくなる」みたいな所があるんだけど、「ドラゴン・タトゥーの女」の話の方は、そういう要素を必要としないんじゃないかしら。

 この原作、妙に捻らないで、見てる方が胸苦しくなるほど、主人公たちがただひたすらに、見えない敵と「精神・知能・身体」を振り絞って戦っていく姿を描くのが正解でしょう。

 って事で、ツェッペリンの「移民の歌」とかをテーマに持って来るとか、華々しい作りの割には、フィンチャー版「ドラゴン・タトゥーの女」は、かなり「なんだかなぁ、、」の出来。

 で「ミレニアム」の方なんだけど、スウェーデン映画と言う日本人にはあまり馴染みのない肌触りではありますが、見始めるともの凄く上質な「火曜サスペンス劇場」みたいな感じで、感覚的にも結構しっくり来ちゃったりします(笑)。
 ってか、何と言ってもリスベット・サランデルを演じてるノオミ・ラパスが凄すぎです!
 フィンチャー版ではダニエル・クレイグが演じたジャーナリスト・ミカエルも、こっちはミカエル・ニュークヴィストさんで実にしっくり来ます。

 精神的にはタフだけど、そんなにスーパーマンじゃないミカエルが、リスベットに応援をして貰いながら依頼を解決していく「ミレニアム 1」から始まって、残り2部作まで、ミカエルとリスベット、それぞれの視点を交えながら話が進んで行き、最後には国家機密暴露まで行っちゃいながらも、「やっぱリスベットすげー!!」ってゆー全体の構成が秀逸です。
 三部作で一本が2時間近い長さだから、ホント、長編ミステリーを読んでる感覚を充分味わえるし、好きだワー、こーゆの。


 それにこの映画、LGBT問題に関心のある方、あるいは当事者、その周辺の方々にもお勧め。
 とにかくノオミ・ラパスのリスベットが絶品(見れば判る)。
 こんな風に書くと「なーんだ色物?」って思われちゃうかも知れないけど、「ミレニアム」のバックボーンはスッゴク硬派だし、ある意味では「社会派映画」って言い切ってもいいかも知れない側面もあります。
 あらゆる権力・抑制・差別に立ち向かう一人の女の生き様が凄すぎです。
 まっ、フィンチャー版の「ドラゴン・タトゥーの女」しか見てない人は、騙されたと思って見てけろ~。