大橋弘忠東大教授が小出裕章先生を前に醜態を晒した玄海原発のプルサーマル討論会であるが、参加者の半数が九電のヤラセ動員であることがわかった。

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【玄海】プルサーマル討論会、参加者半数が九電の動員

 九州電力玄海原子力発電所(佐賀県玄海町)3号機のプルサーマル発電計画について、佐賀県が2005年12月に公開討論会を主催した際、九電が動員した社員や関連会社員らは、参加者全体(782人)の半数近い三百数十人に上っていたことが28日、九電関係者の証言でわかった。

 さらに、会場で行われた参加者アンケートに積極的に回答するよう九電が指示していたことも判明した。

 アンケート結果は原発の安全性に肯定的な意見が約65%を占め、古川康知事はこの結果などを参考に、06年3月に計画への同意を表明した。九電による“作られた世論”が、全国初となるプルサーマル発電計画を後押しした可能性が出てきた。九電は29日、この討論会を含め、過去、組織的な動員が常態化していたことを経済産業省に報告する。

 討論会は05年12月25日、県民が計画の是非を判断する最後の議論の場として、唐津市のホテルで開かれた。玄海町など地元3市町住民が優先され、他の地域の住民は抽選となった。

(2011年7月29日 読売新聞)
飯田哲也さんのツイッターで以下のようなものが流れていた。

iidatetsunari 飯田哲也 tetsu iida@ISEP
【これも必読】週刊朝日「福島第一原発の最高幹部がついに語った~フクシマの真実:この「最高幹部」は吉田所長とのこと。あまりに真に迫る、絶望的状況: 前編7/22 → http://p.tl/AdwH 後編7/29 → http://p.tl/NJhO

週刊朝日の記事は下のようなもので、読んだときに「こりゃ凄いな」と思ったのだが、吉田所長だったとは。。。。

それが嘘かホントかわからないけれど、もう一度、そういう目で読んでみたい。

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福島第一原発の最高幹部がついに語った【フクシマの真実:前編】
独占スクープ!!
週刊朝日2011年7月22日号配信

福島第一原発が「循環注水冷却システム」に完全移行した。しかし一方で、玄海原発の再稼働問題を巡って政治は迷走するばかり。こんなことで、原発事故は本当に収束できるのか。この1カ月余り、本誌の取材に応じてきた第一原発"最高幹部"の一人が語った「すべて」をお届けしよう。(本誌取材班)


 いまこの国が抱える喫緊の課題は原発問題のはずである。ところが、東日本大震災から4カ月がたったいまも、司令塔であるべき政治は権力闘争に明け暮れ、迷走している。その"無様さ"は、玄海原発の再稼働問題でも露呈した。

 「いずれ時期が来ましたら、私も責任を取らせていただきます」

 海江田万里経済産業相(62)は7月7日、国会答弁で辞任を示唆した。それはそうだろう。海江田氏は、菅直人首相(64)の"思いつき"と"いいとこ取り"に振り回され続けてきた。

 5月初旬の浜岡原発の停止要請では、海江田氏が中部電力などに根回ししながら環境整備を進め、いざ記者会見しようというところで、菅首相が突然、横取りして発表した。5月下旬のG8サミット(主要国首脳会議)では、海江田氏に知らせることなく、菅首相がいきなり「太陽光パネル1千万戸構想」をぶち上げた。

 そして今回の玄海原発再稼働問題では、菅首相は6月中旬に再稼働容認を明言したのにもかかわらず、その意を受けて地元自治体との調整を進めてきた海江田氏を尻目に、自身は「脱原発」の姿勢を強め、揚げ句の果てに、新たな安全性評価(ストレステスト)の実施を持ち出して、すべてをひっくり返したのだ。

 菅首相自身は「脱原発」の闘士気取りで、周囲に「(浜岡原発の停止以降)経産省の抵抗がすごい」などと漏らしているそうだが、これまでの言動に照らせば、その"信念"は大いに疑わしい。そもそも、ストレステストもしていないのに「安全」だと宣言した判断の根拠は何だったのか。

 結局、この政治のゴタゴタで玄海原発の再稼働は遠のいた。そして政府は7月19日にも、福島第一原発の事故収束に向けた新たな「工程表」を発表するとしている。果たして本当に「安全」だといえるときは来るのだろうか--3月11日の事故以降、現場に詰めて作業にあたってきた福島第一原発の「最高幹部」に、本誌は6月以降、幾度となく取材を繰り返してきた。いわば原発のすべてを知るこの人物が、こう語るのだ。
   ◇   ◇
 いま玄海原発の再稼働問題が取りざたされていますが、フクイチ(福島第一原発)の事故を経験した私に言わせれば、そんなバカなことはやめたほうがいい。玄海原発1号機の操業開始は1975年で、老朽化が心配。それに、現地はフクイチよりも地盤がやわらかいようです。正直、再稼働して大丈夫なのかと感じる。

 私が、こう言うのには理由があります。フクイチが地震と津波、どちらでやられたのかといえば、まず地震で建屋や配管、電気系統など、施設にかなりの被害を受けたのは事実です。地震直後、「配管がだめだ」「落下物がある」などと緊急連絡が殺到しました。制御室からも「配管や電気系統がきかなくなった」などと、すさまじい状況で、多くの作業員が逃げ出した。耐震性に問題があったのは否めません。

 こうした事態に対応している間に「津波がくるらしい」という話が入り、とにかく避難が優先だと施設内に放送を流し、情報収集を進めているうちに津波が襲ってきた。これで、街灯やトイレなど、地震後もかろうじて通じていた一部の電源もほぼ通じなくなった。完全なブラックアウト(停電)です。

 そのとき頭に浮かんだのは、どうやって冷却を続けるか、です。すぐに人を招集して、とにかく電源回復を急ぐようにと指示した。何とか電源を回復できないかと、(東京電力)本社に電源車を要請するなど、もう大声で叫ぶばかりでした。

 津波の破壊力を実感したのは、電源確保のために状況を見に行った作業員から「行く手をはばまれた」「瓦礫(がれき)で前へ進めない」などと報告を受け、携帯写真を見たときです。本当にとんでもないことになっていた。本社に電源車を頼んでいるような悠長なことではとても無理。自分たちで何でもやれることはやらなきゃ、もう爆発だと覚悟しました。すぐに車のバッテリーなど、原発内でとにかく使えそうなものを探させました。

 日が暮れ、周囲は真っ暗で作業がはかどらない。携帯電話の画面を懐中電灯代わりにしている--現場からは、こんな報告が次々と上がってきました。

 このあたりから「最悪のケースもありうる。海水も早い時期に決断せねば」と覚悟しました。メルトダウン(炉心溶融)も、ありうると思っていた。

 ただ、これがもしも地震だけだったら、要請した電源車なども早く到着したはずですし、非常用電源なども回復できた可能性が高い。爆発は防げたと思います。

 ここまで事故が深刻化した原因について、津波対策がおろそかだった、非常用電源の設置場所が悪かったなどと言われますが、私は何よりも、操業開始から40年という"古さ"が、地震・津波に負けてしまったと感じています。いくらメンテナンスで部品を新しくしたところで、建物は同じ。原発自体の耐用年数だけでなく、建物や構造など全体的にみて、40年は長すぎた。

 実際、免震棟ができる2年ほど前までは事務本館しかなかった。それが、地震だけでメチャメチャになり、使えない。これは、玄海を始め、全国の原発に当てはまることだと思いますね。

   ◇   ◇

 いまだ予断を許さない状況が続く福島第一原発だが、7月2日になって、最大の課題だった原子炉の安定冷却と、放射能汚染水の浄化を実現する「循環システム」がようやく完成した。

「これは、原子炉建屋などの地下にたまった汚染水を装置に通して浄化し、循環させて原子炉の冷却水として再び使うシステムです。当初、6月27日に稼働が始まりましたが、わずか1時間半あまりで停止。原因は、原子炉に再注入する配管から処理水が漏れるというお粗末なものでした。その後もトラブルが相次ぎ、不安定な状態が続いていましたが、ようやく動き始めたのです」(東電関係者)

 総延長約4キロに及ぶこの循環システムは、まず東芝の装置で「油を分離」し、次に米キュリオン社製の装置が「放射性セシウムを吸着」、それを仏アレバ社製の装置が「薬品で除染」し、最後に日立の装置が処理水から塩分を取り除いて「淡水化」する。1日1200トンを処理し、たまりにたまった計12万トンの高濃度汚染水をゼロに近づける予定だ。

 東京電力が4月17日に発表した「工程表」では、7月中旬までに「原子炉の安定的な冷却」を完成させるとしているが、このスケジュールどおり事故処理は進むのだろうか。

◆無理があった「3カ国連合」◆

 注水をしている限り、汚染水が増えるばかりで安定はありません。フクイチの1~4号機ともに循環システムがうまく機能して初めて冷却、安定となります。とにかくまず冷却して安定させなければ、先が見えません。ペースは遅いかもしれないが、一歩ずつ確実に近づきつつある。

 もちろん、現場ではもうこれ以上、汚染水を海に放出することは許されないと認識しています。ただ、なぜか本社は海に流すことをいとわない雰囲気があって、温度差を感じます。

 システムの管理は、東芝が中心でやっています。米キュリオンと仏アレバの機器を組み合わせ、日立が塩分を取り除く装置を担当している。

 システムの構成については、現場からも提案しました。でも、本社から、
 「もう決まった。これでやりなさい」
 と日米仏の装置を一つにまとめる方式になったのです。現場としては、日本だけで十分やれると考えていました。しかし、政府同士で商取引の約束でも交わしたのでしょうか、本社のある幹部は政府や経産省との絡みも暗ににおわせて、「勘弁してくれ。こちらでもどうにもならない」ということでした。

 てこずったのはアレバの装置です。仕様書などはフランス語だけでなく、一部がイタリア語で書かれていて大混乱でした。原発関連の言葉をイタリア語で読みこなすのは難しく、アレバに問い合わせても、肝心なところは「国家機密で言えない」と拒絶されるのです。

 結局、循環システムが稼働するまでに、バルブの開閉トラブルやフィルターの目詰まり、装置の接点で想定外の放射線量が出るなど問題が起き、何度も止まりました。統括した東芝も「オールジャパンでやっていれば......」と言っていた。

 とはいえ、アレバの装置の威力はさすがにすごい。放射性物質はきれいに除去されています。

 ようやく動き始めたといっても、水回りの作業はトラブルがつきものです。現場で「ぞうさん」「シマウマ」などと呼ばれている注水車もポンプの調子が悪く、よく中断しますから。

 それに、まだまだ瓦礫などの線量が高く、作業がはかどりません。1号機では、原子炉建屋の1階と2階にある配管で循環システムを接続するつもりでしたが、線量が高すぎるため、別の配管を使わざるをえなかった。無人ロボットも、瓦礫を片付けられずに入れないところがたくさんあります。

   ◇   ◇

 事故以降、現場で陣頭指揮を執ってきたのが、原発を統括する吉田昌郎所長である。「所長こそがフクイチをいちばん理解し、把握している」(現場社員)と信頼が厚い。今後の事故処理の行方は、彼の手腕にかかっているといっても過言ではないだろう。

 その吉田所長がにわかにクローズアップされたのが、5月20日に発覚した、菅首相による1号機の海水注入「停止命令」問題だ。

 きっかけは安倍晋三元首相のメールマガジンだった。

「(3月)12日19時04分に海水注入を開始。同時に官邸に報告したところ、菅総理が『俺は聞いていない!』と激怒。官邸から東電への電話で、19時25分海水注入を中断。実務者、識者の説得で20時20分注入再開」
 と記されていたのだ。

 それまでに官邸や東電が発表した資料では、菅首相の指示で中断していた注水が再開されたことになっていた。これでは話がまったく逆である。

 首相の大失態が原発事故を悪化させた--この問題は、谷垣禎一・自民党総裁も国会で追及するに至り、「菅おろし」を巡る政局は一気に緊迫した。

 しかし、現実には、「中断」はなかった。事態収拾に動く東電は5月26日、海水注入は「所長判断」で継続していた、と発表したのだ。

 この「55分間の注水中断」について、吉田所長は、
 「こんなに騒がれて、本社にまで呼び出され、大変なことになるとは思ってもいなかった」
 と漏らしていたという。

◆悪者になった吉田所長◆

 それほど、現場と本社の間には明らかな温度差、認識の違いがあるのです。

 実際は「55分間の注水中断」がなかったことは、一部の幹部たちは前から知っていたはずです。確かに資料上は政府に配慮して、「(注水を)菅総理の指示で再開した」ということにするため、20分程度で注水を中断したことになっていました。でも、この問題が国会にまで持ち込まれ、いまさら政府に報告した内容をひっくり返して「中断してなかった」などとは言いだせない状態だったのです。

 だから、最終的に「吉田所長が独断で中断しなかった」という話で落ち着きましたが、実は違う。

 そもそも、あの時点で注水を中断するなどという選択肢はなかった。原子炉を冷やし続けなければ、爆発は時間の問題。私たちや作業員はもとより、周辺住民も被曝(ひばく)するかもしれない。「死」につながることになるかもしれない。原子力を少しでも学んでいる人間ならば、誰でもわかることです。そんなバカなことをするわけがありません。

 当時、現場の意思は、
「『総理が了承していない』なんて言っている場合じゃない。こっちは生きるか死ぬかだ。なりふり構っていられない」
 ということでした。

 とはいえ、あれだけ問題になってしまったので、皆、「今回は、吉田所長が悪者になるしかない」と言ってましたね。

   ◇   ◇

 この「55分間の中断」について吉田所長は、東電の調査に対し、「事故の進展を防止するためには、原子炉への注水の継続が何よりも重要と判断して継続した」と説明している。

 一方の東電は武藤栄副社長が、問題発覚を受けて開いた5月26日の緊急記者会見でこう答えている。

「(3月12日の)19時25分ごろ、官邸に詰めていた者から、海水の注入について首相の了承が得られてないと連絡があった。首相の判断がない中でできないという空気を伝え、(テレビ会議で)いったん中断しようと本店と(吉田)所長が協議の上、合意した」

 結果的に、吉田所長は「合意」などしていなかったのだが、東電が「首相官邸の空気」を忖度(そんたく)して、危険な判断に踏み出そうとしていたのは事実である。一連の原発事故の処理を巡って、官邸と東電がいかに「いびつ」な関係になっていたかを表していよう。現場にとって、本社のこうした"姿勢"は許しがたいものだったに違いない。

 そのフクイチの現場では、いまも決死の作業が続いている。それでも、危機的状況は脱した--とは決して言えないのが偽らざる現状だ。今後の作業はどうなっていくのか。

◆大晦日も正月もずっといる覚悟◆

「建屋カバー」は、なんとか台風の時期の前には設置したかったが、ちょっと難しい。作業は天候に大きく左右される。大きなクレーンで設置するので、少しの風でも作業に支障をきたしてしまうのです。それに、かぶせると言っても、爆発で建屋は左右対称ではなくなっているので、技術的にもなかなか難しい。

 ちなみに、このカバー設置も本社の主導でした。ある幹部曰(いわ)く、「覆いをすれば、グーグルなどで原発の衛星写真が世界中に広がるのを隠せる」ということで、この案に政府も同意したそうです。カバー設置で放射線量の数値が劇的に下がることはないと思います。

 設置は、大手ゼネコン数社が受注しましたが、いまだ契約で話し合いが続いています。工事が必ず成功するとは限らないからです。

 最終的に、チェルノブイリのように原子炉をコンクリートで固める「石棺」にするかどうかという議論があります。実際にシミュレーションもありますが、これは、安定したときの状況次第ですね。

 安定したら、何とか核燃料を外に取り出したい。しかし、その燃料がどんな状況なのか、すでにメルトダウン、さらにはメルトスルー(原子炉貫通)もないとはいえない。飛び散っていることも考えられる。それを把握してからですが、いまのところは「石棺」は考えていません。

 いずれにしても、いま一番の課題は「人」ですね。現場で作業するのは、作業員たちです。暑さと雨の中で仕事ができるのかどうか。これまで、うち(東電)は作業員や協力会社に正直、十分なことをしてこなかった。うちの人間は現場にはあまり出ず、作業員任せというシステムが問題であることはわかっていましたが、現場レベルではどうすることもできなかった。それが事故の重大さを把握できなかった一因でもある。

 現場ではいまも、寝るとき以外は仕事です。食事も最近まで1日2回とれたらいいところだった。本社では休んでいることになっていますが、実際はろくに休んでいません。吉田所長は、こう言っています。

「恐らく今後、年内に安定化できるかどうかが焦点になるだろうが、それは正直、厳しい。クリスマス、大晦日(おおみそか)、正月、ずっとフクイチで過ごす覚悟でいる。私は最後の最後まで、事故が収束するまで、ここを離れない決意です。作業員や協力会社の方々にも申し訳ないが、ご協力を頂きたい」

 その思いで、皆が一丸となって事態に当たっているのです。 (以下次号)

福島第一原発の最高幹部が語る「フクシマの真実」 後編
新工程表はデタラメ
週刊朝日2011年7月29日号配信

いよいよ「脱原発」の姿勢を強める菅直人首相だが、その足元に横たわる原発事故は、本当に収束に向かっているのだろうか。「工程表」の妥当性は、原発の現状は、そして政府・経済産業省・東京電力の協力関係は--先週号に引き続き、福島第一原発"最高幹部"の一人が語る「フクシマの真実」第2弾!! (本誌取材班)


 菅直人首相は7月13日夕、首相官邸で開いた会見で、今後の国のエネルギー政策について「脱原発依存」を進める考えを示し、力を込めてこう語った。

「この大きな事故を踏まえて原子力政策の見直しを提起するのは、その時代の総理の責務だ」

 いまこそ日本は原発に頼った社会構造を改め、自然エネルギーをはじめとする"安全"な代替エネルギーにシフトすべきだ--そう主張する方向性そのものに異論は少ないだろう。しかし、あまりにもいまさらである。

 時事通信の世論調査(7月7~10日に実施)では、菅政権の支持率は、前月から9・4ポイント急落して12・5%。これは2009年9月に民主党政権が誕生して以来、最低の数字であり、あの森喜朗政権末期(01年4月)の支持率10・8%に迫る勢いだ。

 菅首相から人心が離れていく、その理由は簡単だ。就任以来、繰り返されてきた"思いつき"と"自己都合"の言葉の軽さに辟易としているのが、この数字から読み取れるではないか。その首相の口から発せられる「脱原発」路線に対し、かえって反発が生まれているとしたら、まったく皮肉な話だ。

 福島第一原発の事故収束に向け、政府は7月19日、「新工程表」を発表する。

 東京電力が4月17日に発表した"旧"工程表では、最初の3カ月程度が、確実に原子炉を冷却し、放射性物質の放出を減少に向かわせる第1段階(ステップ1)、そしてさらに3~6カ月かけて、原子炉を100度未満の安定状態に保つ「冷温停止」にし、放射性物質の漏出を大幅に抑える第2段階(ステップ2)に至る、としている。

 いま、ちょうどステップ1の目標期限を迎えたところだ。しかし、政府と東電が掲げるこの工程表は、果たして信用に値するものなのだろうか。実は、現場の意識とは大きな乖離があるという。これまで継続的に本誌の取材に応じてきた福島第一原発の「最高幹部」が、こう語るのだ。

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 この"旧"工程表については、4月の本社発表に先立って、実はフクイチ(福島第一原発)の現場からは「(収束までに)約1年半」というスケジュールを想定したものを出しました。これでも、熟練の作業員をフル動員することを前提にして、ようやく達成できるレベルです。

 ところが本社からは、
 「こんなのでは遅すぎる。菅総理が納得しない。(5月下旬の)サミットでどう説明するんだ」
 と言われました。結局、本社がいろいろと継ぎはぎして「9カ月」の工程を作ったのです。

 工程表では3カ月+3~6カ月の「2ステップ」などと謳(うた)っています。ステップ1は何とかなるかもしれないが、問題はステップ2。このスケジュールどおりなんて到底、無理な話ですよ。放射線量の限度を超え、どんどん熟練作業員の人数が減っていく中で、どうすればできるのですか。

 無人ロボットが導入されましたが、あんなのが何台あっても最後の最後は「人手」が必要です。その「人手」の作業を阻むのが、建屋の地下にたまった汚染水なのです。

     ◇   ◇

 実際、工程表を進めれば進めるほど、その見通しが甘かったことが明らかになっている。すでに東電は5月17日、「新しい工程表」を発表した。4月の発表から、わずか1カ月での「修正」である。

 最大の修正は、原子炉の冷却方法だった。もともとは、1~3号機の格納容器を水で満たして核燃料を原子炉圧力容器ごと冷やす「格納容器冠水」方式を予定していたが、これを断念。というのも、格納容器に穴が開いているようで、注水しても一向に水がたまらないことがわかったためだ。

 そこで新たな方策として打ち出されたのが、いまようやく動き始めた「循環注水冷却システム」だった。

◆1~4号機はどれも危ない◆

 この「冠水」方式にしても、現場は当初から「メルトダウン(炉心溶融)で格納容器に穴が開いている可能性があるので難しい」と指摘していた。しかし、「実際に穴が開いているのを見たのか」という変な話になり、この方式が政府に上がってしまった。

 一方の「循環注水」方式は早い段階から候補に挙がっていたが、装置を準備するのに時間がかかるからと却下された。それが、いきなり復活したのです。

 工程表には、細かい工事内容も書かれていますが、実際には予定されていたよりも1・5~2倍の時間がかかっている。「循環システム」設置だって、予定の1・5倍の時間がかかりました。本社の作った工程表は、あくまでも理想で、現実性は乏しい。

 さらに今後、この暑さの中で作業は困難になります。作業員たちの健康のため、いま工事は朝6時ごろから始め、午後2時ごろには終わらせている。こんな環境の中で、工程表どおりに実現させるのは難しい。それに、1~4号機はそれぞれ状況が違うので、予想できない事態もあり得ます。

 19日に発表される新工程表でも、期日の修正はあまりないようです。というのも、期日については政府の意向が強く、政治的な責任問題が発生するとかで、なかなかいじれないらしい。結局、理想論を前提に、結論ありきでスケジュールをはめ込んでいるだけ。現場としては、国民に本当のことを知らせるべきだと思っています。

     ◇   ◇

 驚愕の証言である。いま発表されている工程表は、まったくの"デタラメ"だというのだ。

 実際、現場は事故収束に向けて着々と工事を進めつつも、決して事態を楽観していない。作業を妨げるいちばんの要因は、やはり「汚染水」だった。

     ◇   ◇

 ずっと「水」に苦しめられてきました。原子炉を冷やせば冷やすほど汚染水が増え、それが建屋の地下、トレンチ(タービン建屋外にある地下の作業用トンネル)に大量に流入していくという悪循環です。大雨が降ると敷地内に流れ出す可能性もあり、作業員が近寄れなくなる。海に流れ込む恐れもある。いま、ようやく「循環注水冷却システム」が動き始めましたが、まだ安定したとはいえない。

 しかも、もしも核燃料がメルトスルー(原子炉貫通)しているならば、たまった汚染水は非常に高濃度になっている。チェルノブイリ事故の際は、すぐに地下水対策をしましたが、それは日本の技術だった。地下にトンネルを通し、セメント、ベントナイト(粘土鉱物)などを注入して固めてしまう方式です。これをフクイチでも実施すべきではないかと思う。国土交通省はこうしたプランを数多く持っていますが、所管の経産省との連携がうまくいっていないのか、適切と思われる対応策が講じられていないのが現状です。現場からも本社にプランを上げているんですが、何の動きもない。

 また、4号機が危ない、1号機がダメらしい--などといろいろ言われますが、私から言わせれば、どれも危ない。工程表では汚染水の流出源についても、詳しく触れられていません。

 たとえば、1号機は格納容器から漏れているようです。しかし、その場所が特定できない。穴の大きさもわからない。つまり、何もできない。安易にどれくらいで収束すると断言できないのです。

 3号機では、1、2号機に続いて水素爆発を防ぐための窒素注入がようやく始まった。しかし、地下に大量の汚染水がたまって苦しい状況には変わりない。建屋内に入ることはできましたが、内部は飛散した瓦礫で埋もれていて、燃料プールの確認も大変な状況です。

 3号機、4号機に共通していえるのは、建屋の強度に不安があることです。かなり崩れていて、作業中に上からコンクリート片が落ちてくることもあり、作業員も怖がっている。

 特に4号機の燃料プールは、早急に手だてを講じないと危ない。4月の最大余震の際は「倒壊を覚悟した」と言う作業員もいたほど。すでに建屋の補強工事に着手し、作業は順調に進んでいますが、本格的な台風の季節の前に何とか対応したいところです。

 2号機も、ひどい状況です。作業の間、汚染水があふれたり、漏れたりしないかとヒヤヒヤの連続でした。ただ、少なくとも配管などは爆発でやられていないので、1号機、3号機とはちょっと状況が違いますね。とりあえずは最悪の危機は脱出したと考えています。

 最近でも、1~4号機の映像を中継している「ふくいちライブカメラ」を見て、「白い煙」が出ているとの指摘がありますが、あれは燃料プールの使用済み燃料が熱を持っているため、湯気みたいなものが出てそう見えるのです。プールから水が漏れているので十分に冷やせず、熱が下がらない。それで水蒸気が出る。もっとも、その「湯気」には放射性物質も含まれています。

     ◇   ◇

 現場は事故から4カ月たったいまでも、本社の"事なかれ主義"、そして官邸のパフォーマンスじみた言動に振り回され続けている。その矢面に立たされてきたのが、現場で陣頭指揮を執る吉田昌郎所長だ。

 震災翌日の3月12日早朝に、菅首相が断行した「現地視察」も、現場にとっては大きな"弊害"だった。

 11日、原発事故の状況が刻一刻と深刻化する中、深夜になって菅首相は突然、第一原発の現場を視察すると言いだす。格納容器内の圧力が上限を大きく超え、一刻も早くベント(排気)の必要があるとされていたころだ。菅首相は「一向にベントをしない現場に活を入れるためだった」などと説明しているが、この視察が結果的に、現場を混乱させることになったという。

     ◇   ◇

 12日早朝(午前7時すぎ)に菅さんがこちら(フクイチ)に乗り込んできたときは、本当に驚きました。確かに事前に「総理が来る」との連絡はありました。しかし、そんな急に、本当に来るとは思いもしなかった。しかも、ヘリコプターで来て免震棟で会うなり、
「何をやっている。ベントはどうなっている。早くするんだ!」
 などと怒鳴り散らすのです。総理にそこまで言われると、さすがに皆、引いてましたね。吉田所長は、
「とにかく、どんなことをしてでもやります。決死の作業で、命かけてでも絶対に何とかします」
 と答えてました。

 1号機が水素爆発を起こしたのは、ベントが遅れたせいだと指摘されていますが、現場としては、近隣住民のことが気になっていました。ベントをすれば放射能がまき散らされる。近隣住民の避難状況はどうなのか、放出される範囲は広範囲にわたるので、現場としては、かなり深刻に考えていました。

 それに、自動でベントを開閉する装置がダメになっていたため、手動で動かさなくてはならない状況だった。当時、1号機のリアクター(原子炉)建屋はかなりの放射線量が予想されていました。そんな危険な場所に誰を行かせるのか。本当に決死の作業なのです。

◆もうフクイチで死んでゆくのか◆

 この「早朝視察」について、吉田所長は周囲に、無念そうにこう言ったという。

「言い訳になるかもしれないけど、菅総理がフクイチの現場に来たことで、そちらにばかり目がいってしまい、2時間ほど『ベント』などの指示が出せなかった。当時は、すべて私が指示して動いていた。それが止まったことで、周りも動けなくなってしまった」

 東電が6月に公表した報告書によると、吉田所長がベントの準備を指示したのが12日午前0時6分のこと。そして東電が、ベント実施を菅首相、海江田万里経産相、そして原子力安全・保安院に申し入れ、了承される。ところが、午前2時24分には、現場の放射線量から作業可能時間は17分と報告され、午前4時半ごろには、余震による津波の可能性から現場操作の禁止が指示された。ベントに向けた状況が、いかに困難だったかがわかる。

 さらに、午前8時27分になって、原発立地町である大熊町の一部住民が、まだ避難できていないとの情報が入る。避難終了を待って、ようやく作業員が現場に向かったのが午前9時4分。格納容器圧力の低下を確認できたのは午後2時半になってからのことだった。

 そして午後3時36分、1号機で水素爆発が起きた--。

     ◇   ◇

 1号機が水素爆発を起こしたときは、もう目の前が真っ暗でした。ベントをしたのに、いきなりの爆発でしょう。最悪の事態です。免震棟内もパニック状態で、「帰らせてくれ」と言う作業員、社員も出てきました。私たちには、それをとめることはできません。とにかく残った人間でやるしかない。もうフクイチで被曝(ひばく)して死んでゆくのか、これまで原発で過ごしてきた何年もの日々が一瞬、頭をよぎりました。

 当時は知らなかったのですが、政府は震災当日の11日午後9時23分に、原発から「半径3キロ圏内」の住民に避難指示を出し、その後、翌12日午前5時44分に「10キロ圏内」、午後6時25分に「20キロ圏内」--と次第に範囲を拡大していった。

 でも、現場ではもっと広い範囲、少なくとも半径50キロは避難していると思った。なんといっても、あれだけの爆発だったんですから。結局、避難範囲が半径3キロ圏内と聞いたときも、「大丈夫か?」と思ったのが正直な印象ですね。

 米政府は当時、半径50マイル(約80キロ)圏内の自国民に対して避難勧告を出しました。チェルノブイリ事故では、国際原子力機関(IAEA)の報告によると、旧ソ連の汚染地域は約14万5千平方キロメートルで、約300キロ離れた地域でも高いレベルの汚染があったことがわかっている。爆発が相次ぐ中、当時は私自身、半径30キロどころか、青森から関東まで住めなくなるのではないかと思ったほどです。

 本社と政府の話し合いで決まったんだろうけど、余震の危険性などを考えれば、最低でも半径50キロ、できれば半径70キロ、万全を期すならば半径100キロでも不思議はなかった。最初は広範囲にして、それから「SPEEDI(緊急時迅速放射能影響予測システム)」の予測などをもとに狭めていけばよかったのではないでしょうか。

 いま原発は何とか安定していますが、放射性物質がかなり飛散しているのが実態です。避難地域の見直しが必要だと思います。実際、もう半径20キロ圏内は戻れないと、そろそろ発表してもいいんじゃないか。子どもたちが学校に通うのは無理です。最初からもっと広範囲で避難させていればと悔やまれます。

     ◇   ◇

 菅政権は6月27日、首相補佐官だった細野豪志・衆院議員を新設の「原発担当大臣」に据えた。原発事故対応に特化した新ポストだが、海江田経産相との役割分担ははっきりしない。果たして今後、事故収束に向けて政府・経産省・東電の歯車は、うまく回っていくのだろうか。

◆「私の立場はどうなるんだ」◆

 細野さんが原発担当大臣になって歓迎ムードがあるようですが、現場としては、うーんという感じ。期待はしていたんですが、正直いって彼は経産官僚と変わりない。現場が望むのは、意思決定のスピードとリーダーシップ。でも、細野さんと話しても、どちらも兼ね備えていない。経産官僚が言っていたことを、数日後に細野さんの口から聞くという感じです。経産官僚の言うがままの「操り人形」と我々は呼んでいます。

 政府の原発に関する決定は本当に遅い。菅総理は「細野に任せてある」と言うのに、細野さんは「決めるのは総理」と言うばかり。菅さんが責任を細野さんに押しつけているのは誰の目にも明らかで、細野さんは、それには乗らないと牽制(けんせい)しているんです。堂々巡りで、一向に前に進みません。

 東電本社も経産省の言うがままで、こんなにノンビリでいいのかと思うほど意思決定が遅い。この状況を喜んでいるのは、経産省をはじめとする官僚たちです。

 現場と本社には、明らかに認識のズレがあります。フクイチから本社には毎日、膨大な量の情報が上がりますが、いま国民に公表されているのはその10%、いや1%くらいかもしれません。実際、現場は当初から「メルトダウン、メルトスルーの可能性がある」と報告していますが、本社は発表しませんでした。

 一連の発表を見ていると、派閥や上司との人間関係など、社内でしか理解できない力学が働いているように思えます。

 というのも、うち(東電)は、とにかく風通しが悪い組織なんですよ。いろんな人間が口を出してくる。

 現場と本社は、衝突ばかりです。ある本社幹部は、情報公開を巡ってこんなことを言っていました。

 「そんな情報が保安院や政府にわかると、大変なことになる。(問題が)ますます拡大するじゃないか」

 そして最後には、
 「私の立場や出世はどうなるんだ。キミはわかってるのか!」
 と言うんだから呆(あき)れてしまいます。的確な情報が適切なタイミングで届かないから、トップが最終決断しなければならないときに、十分な情報がないということが起こるのです。本当に、どこを見て仕事しているんでしょうかね。

 今回の事故は我々の責任が重大で、おわびするしかありません。いま、フクイチには日本、いや世界の存亡がかかっている--私たち現場の人間はそういう覚悟でやっています。でも、残念ながらこれが、いまの本社の状況なのです。
http://sumai.nikkei.co.jp/edit/mercury/detail/MMSUc3000021072011/

日経新聞のサイトの不動産情報の記事を見ていて、驚いた。

また、福島第一原発からの放射能汚染で意外な高濃度汚染地域として名前が挙がった柏市でも「オーベルグランディオ柏(総戸数213戸)」60戸が即日完売している。

とのことである。こりゃ本当に、みんな、全然、気にしていないのであろうか?

それとも、首都圏の不動産が暴落したりすると、担保割れが生じて不良債権だらけになって、壊滅的打撃を受ける銀行が、子会社やら、関係の不動産会社やらを経由して、あの手この手で売ってしまったのだろうか?60戸くらいなら、直感的には、なんとかなりそうな数字である。単純計算で、

一戸2500万円×60=15億円

だから、実需を引けば数億円の話である。銀行や不動産会社にとっては、どうにでもなる数字である。まぁ、なんだかんだで大幅値引きをしたのかもしれない。

一番下に貼った毎日新聞の7月1日に記事には、

一方、市場の先行きにも震災と福島第1原発事故が暗い影を落とす。ニッセイ基礎研究所が4月、不動産分野の実務家ら1051人に行ったアンケートによると、不動産市場で重視するリスクについて「電力不足・停電」が37.5%、「原発・放射能汚染」が28.4%にのぼった。

と書いてあるので、あまりにも市場動向と動きが違いすぎるように思うのである。


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月例マンション動向(首都圏)
不動産情報サービスのマーキュリーによる、1都3県のマンション供給予想・実績データと分析。

震災後、供給が少なかった千葉県が絶好調・2011年6月の実績

 不動産情報サービスのマーキュリーの調べでは、2011年6月の首都圏新築マンション供給戸数は4184戸となった。前年同月比で380戸、10%増となっており、3カ月ぶりに前年同月を上回った。

 地域別供給戸数は、東京23区1750戸(当月シェア42%)、横浜・川崎774戸(19%)、千葉県635戸(15%)、埼玉県602戸(14%)、東京都下218戸(5%)、神奈川県下205戸(5%)。前月比・前年同月比で供給戸数が下回ったのは東京23区と都下。一方で千葉県・埼玉県が大幅増加となったため、23区のシェアが42%と3カ月ぶりに過半数割れとなった。

 首都圏の初月申込率は78.7%と、5カ月連続で70%を上回った。地域別では、千葉県97.1%、神奈川県下91.2%、東京都下87.2%、埼玉県74.6%、東京23区74.6%、横浜・川崎72.1%と、すべてのエリアで70%を上回った。

 平均坪単価は1都3県全体で213.1万円と前月比13.1%下落、平均グロス価格も4561万円と5.4%下落、平均面積は70.76平方メートルで8.9%上昇。これらの数値からも、東京23区のシェアが下がり、千葉県・埼玉県のシェアが高かったことが伺える。

 2011年6月の特徴は、千葉県で供給大幅増と驚異的な初月申込率を出したことである。

 千葉県では、昨年10月に530戸の供給があって以来、低水準の供給が続いていた。特に震災後は、3月:166戸、4月:97戸、5月:170戸と、首都圏で最も供給が少ないエリアとなっていた。浦安市や千葉市の沿岸部に液状化が発生したことが、供給に急ブレーキがかかった要因となった。

 ところが6月は、湾岸エリア物件である「プラウドシティ稲毛海岸レジデンス(総戸数432戸)」267戸が連続即日完売、超高層タワーである「グランドターミナルタワー本八幡(総戸数465戸)」160戸が月内完売。また、福島第一原発からの放射能汚染で意外な高濃度汚染地域として名前が挙がった柏市でも「オーベルグランディオ柏(総戸数213戸)」60戸が即日完売している。

 震災後、特に敬遠されてきた湾岸エリアや、超高層物件が絶好調なのだ。これらの物件が他の大規模物件と違うのは、広域での集客よりも、地元集客が圧倒的に多いことだ。そのため、特に稲毛海岸と柏の2物件は地元民力に合わせた価格戦略が徹底されており、2000万円台~3000万円台前半までのボリュームが多く、一次取得層の取り込みに成功している。本八幡は駅徒歩1分の希少性に加え、2008年以降新規販売が無かった供給空白エリアであったため、地元顧客のニーズを吸い上げやすい環境にあったと言えよう。

 しかし、これらの物件が売れた要因として忘れてはならないのが、地盤や建物構造に関するリスクを調査し、事前に十分な対策を講じたうえで、丁寧に顧客に説明する姿勢が出来ていることが挙げられる。

 震災を経て、顧客が住宅に求める志向が変化してきている。利便性、眺望、ステータス感から、安心、安全、人や地域との繋がりにシフトしている。供給サイドが顧客の志向変化をしっかりキャッチし、上手な対応をすることが出来た好事例であったと言えよう。

※集計の数字は2011年7月20日時点のもの


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路線価:震災で市場環境が一変…下落縮小も取引激減

 国税庁が1日発表した11年分の路線価(1月1日現在)は平均で前年比3.1%下落となり、下落幅が10年分(同4.4%下落)より縮小、地価の復調傾向を示した。しかし、3月11日の東日本大震災以降、不動産市場の環境は一変。被災地だけでなく東京圏でも取引が激減、地価復調の動きが断ち切られた形。先行きも電力不足などによる経済への悪影響が懸念されており、商業地を中心に下落傾向が再び強まる可能性が指摘されている。

 震災後の取引減少は、東京都心部で顕著だ。マーケティング会社「リーシング・マネジメント・コンサルティング」(東京)が東京23区の賃貸不動産を主に扱う仲介店290店を対象に5~6月に行ったアンケートでは、震災後、本来繁忙期の3月の客足が「例年に比べて減少した」との回答が87%にのぼった。

 特に、浜松町などを営業地域とする港区沿岸部は4~5月も「減少した」が60%と高止まりしたままで、取引低迷に歯止めがかかっていない。近年、高層マンションが林立する人気エリアだったが、震災後に液状化問題への不安が広がったことや、停電時のエレベーター停止問題が逆風となった。

 取引低迷は、大きな地価下落圧力となっている。日本不動産研究所が半年に1回、全国約2000地点を対象に調査する「市街地価格指数」によると、関東地方は前回調査(昨年9月末)までは3回連続で宅地・商業地を含む全用途平均で下落率が縮小していた。しかし、直近(今年3月末)の調査では下落率が1.4%と横ばいとなり、地価復調傾向がストップした。同研究所の高岡英生鑑定役は「震災がなければ価格が上昇に転じてもおかしくない地点もあった。下落率縮小の流れが、震災でいったん途切れた」と分析する。

 一方、市場の先行きにも震災と福島第1原発事故が暗い影を落とす。ニッセイ基礎研究所が4月、不動産分野の実務家ら1051人に行ったアンケートによると、不動産市場で重視するリスクについて「電力不足・停電」が37.5%、「原発・放射能汚染」が28.4%にのぼった。また、日本不動産研究所は東京や大阪など6大都市について、最高価格地と商業地で半年後、地価の下落率が拡大すると予測する。みずほ証券の石沢卓志チーフ不動産アナリストは「震災から日本経済が立ち直るカギは電力供給の安定と物流拠点の整備。対応が遅れれば製造拠点の海外流出などで地価の長期下落を招きかねない」と指摘する。【三島健二】

 ◇路線価◇
 相続税や贈与税額の指標となる、主要道路に面した土地1平方メートル当たりの1月1日時点の評価額。国土交通省が3月に公表する公示地価を基にするが、12月末までの相続や贈与による土地取得に適用されるため、年末までに土地価格が下落した場合を想定し、納税者に不公平が生じないようあらかじめ低めに設定され、公示地価の8割を目安とする。その上で、売買実例などを考慮して国税庁が算出する。

毎日新聞 2011年7月1日 22時25分(最終更新 7月1日 23時19分)
だいぶ前に「福島原発:銀行の極めて愚かな決断」という記事を書いたが、予想通りの展開になっている。貯金を沢山している人は、こういった大銀行からお金を引き上げたほうがいいだろう。

オススメは前にも書いたが、地元の信用金庫などである。

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ついに東電“融資”から逃げ始めた最初の銀行とはどこか?
2011.07.24 07:00


 ようやく国会審議がスタートした原子力損害賠償支援機構法案だが、現時点ではその成立の見通しがほとんど立っていないのが実情だ。東電と並んで、その審議の行方を固唾を呑んで見守っているのが、他ならぬ東電の取引銀行団だ。ジャーナリストの須田慎一郎氏が解説する。
 * * *
「もし廃案ということにでもなったら、銀行の東電に対する債務者区分は、現状の『正常先』から『要注意先』に落とさざるを得なくなる。そうなった時点で東電はアウトだろう」(東電の主力取引銀行幹部)
 現状の東電の経営状態を考えると、いまだに「正常先」に区分されていること自体驚きだが、「一口に正常先といっても、その中で細分化されている。東電の場合は、要注意先一歩手前の正常先だ」(前出の銀行幹部)とのこと。
 つまり、東電はいつ要注意先に転落してもおかしくない状況にあると言えよう。
「もし仮に要注意先に転落ということになったら、新規融資に応じられないことは言うまでもないが、既存融資分のロールオーバー(借り換え)にも応じられなくなる」(メガバンク役員)
 その資金繰りに不安を抱える東電は、これまで全取引金融機関に対して融資のロールオーバーを強く要請、金融機関サイドも積極的にこれに応じてきた。しかしここへきて、金融機関サイドの融資対応に異変が生じつつあるというのだ。
「6月末に主力取引行の一角を占める三菱東京UFJ銀行からの融資の一部が返済期日を迎えたのです。これまでだったら期間6か月の借り換えに応じてくれたのですが、今回に限っては期間1か月という条件になってしまいました」(東電関係者)
 こうした三菱東京UFJ銀行の動きは、何を意味するのだろうか?
「三菱東京UFJとしては、他金融機関が借り換えに対してどのような動きをしてくるのか、その辺りを見極めたいということなのでしょう」(他の大手銀行役員)
 だとするならば、取引銀行サイドも東電に対して徐々にではあるが確実に腰が引け始めたと言っていい。
 こうした状況を考えても、前述の法案審議の行方には要注目だ。
※SAPIO 2011年8月3日号
http://ameblo.jp/anmintei/entry-10954999622.html が無事に終了。非常に充実した研究会と懇親会でした。



昨日の阪大豊中での下田正教授の講演で、上記のプルト君を見せていただいた。まさしく、「洗脳」というにふさわしい。例の、大橋弘忠教授がこのビデオと同じことを言っていた

下田教授が強調しておられたのは、「安全神話」を繰り返し繰り返し繰り返しやっているうちに、原子力をやっている人々自身が、原子力を安全だと確信していることだという。自分でついた嘘を、自分で信じてしまった。

懇親会で、原子力関係の部局に紛れ込んでしまった外部の人と議論していて、彼らが如何に思考停止に陥っているかを確認した。それは、本当に想像を絶するレベルである。何よりも、原子力の全体を理解しないように全力を挙げている。おそらく、全体について考えると、「反原発」にならざるを得ないので、思考停止の練習をしているのである。

それで、自分のごく狭い領域以外は、政府や電力会社の宣伝をそのまま受け入れて、そのまましゃべる。彼らが、こうした話になると、一様に、ヘラヘラ笑いながらしゃべるのは、自分でもおかしいことはわかっていて、それでも、受け入れないと立場をうしないので、「エヘヘ、そこを聞くのは、ヤボというものですぜ、旦那。」という気分なのだと考えられる。

下田教授は昨日以下のビデオを見せて下さった。寺坂信昭は例によって東京大学の出身だ。経済学部だが。2分過ぎたところでヘラヘラ笑っている。アナウンスは「余裕の笑み」と見当違いのことを言っているが、これは

「原子力名物・ヘラヘラ笑い」

なのだ。

以下のような記事をツイッターで知った。

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隠蔽体質の最たるものは泰子が夜の商売をしていることを、東電の連中がみんな知っていたことだよ。それでいて社員が身体を売っているなんて認めるわけにいかないから処分するでもなく、ロクに寝てないから会議中にウトウトする泰子を、同僚はみんなでバカにして笑っていた。どれだけ陰険な会社かわかるだろ。
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というのが強烈である。私は東京電力ではなく住友銀行で二年半ほど働いていたのだが、もし、そういうことがあったとしたら、同じような感じだっただろう、と想像がつく。銀行というところはおカタイところなのだが、後で知ったら、オフィス不倫だとかそういうのがワンサカあったのだ。

私の直接知っているところでは、既婚男性と窓口の女性とが恋仲になって、男性が離婚して、女性が退職して後に結婚した。これなどは、別に隠すような話とも思えないのだが、完全秘密であった。あるいは、既婚女性が新人男性社員を誘惑してメロメロにしてしまい、その男性が女性の両親に電話して結婚させて欲しい、と言ったものだから、女性は別の店に転勤になるということもあった。あるいは、ハイミスの美人女性を支店長が愛人にしていた、という話もある。これらは全て、退職してから聞いた。

こういうことは、まあ、人間というものはアホだから、常にあるのだろうが、とにかく、表に出てこないのである。しかし、実は、みんな(私みたいな空気よめない君を除くと)知っているのである。みんな知っているのに知らないフリをして表に出さないのである。実にヘンチクリンな世界であった。大企業とか官庁とか大学とかは、だいたい、そういう感じである。

そうやってバブルが起きて崩壊したし、原発ができて爆発したのである。

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『東電OL殺人事件』著者 表題の“東電”外すよう工作された
2011.06.25 07:00

 ノンフィクション作家・佐野眞一氏が東日本大震災のルポルタージュ『津波と原発』を上梓した。数多の被災地や事故現場を取材してきた佐野氏が、東北を歩くなかで感じたこと、そして東電の隠蔽体質について語った。
 * * *
 実は震災を取材するなかで、特に福島を歩く俺の脳裏から離れなかったのが、かつて『東電OL殺人事件』(2000年)に書いた渡辺泰子のことだった。慶応から東電に入り、通産大臣の渡辺美智雄ら政界との連絡役も務めた泰子は、娼婦として街角に立つ夜の顔を持ち、そして殺された。
 当時、俺はせめて表題から“東電”の二文字を外させようとする広報担当者からやけに豪奢な鯛釣り旅行に誘われたり、慇懃で狡猾な懐柔工作の標的になったから、その隠蔽体質はイヤになるほど肌で痛感しているけどね。
 隠蔽体質の最たるものは泰子が夜の商売をしていることを、東電の連中がみんな知っていたことだよ。それでいて社員が身体を売っているなんて認めるわけにいかないから処分するでもなく、ロクに寝てないから会議中にウトウトする泰子を、同僚はみんなでバカにして笑っていた。どれだけ陰険な会社かわかるだろ。
 つまり今回露呈した東電の隠蔽体質は昨日今日始まった話じゃない。底意地が悪くてどこか他人事な無責任体質の化けの皮が、多少剥がれたってだけなんだ。
※週刊ポスト2011年7月1日号