この一連のビデオは見るのがつらい。見るたびに私は、吐き気がして、体調がおかしくなる。そのくらい、大橋弘忠教授の詭弁はすさまじく、他人を見下して馬鹿にする態度がひどい。このひどい発言のおかげで、東大の名声は大きく傷ついている。

そこで私はこのままでは東京大学の権威が失われてしまうと危惧して、大橋弘忠教授に以下のようなメールした。メールアドレスは別に大学内部の人間だから知っているのではなく、彼の所属する部局の HP に出ている。http://www.q.t.u-tokyo.ac.jp/lab/ohashi.html の右上の「メール」というところである。

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東洋文化研究所の安冨と申します。

今回の福島原発の事故に関してHPを調べていて、:平成17年12月25日に行われた玄海原子力発電所3号機プルサーマル計画に関する「プルサーマル公開討論会」の映像

http://www.saga-genshiryoku.jp/plu/plu-koukai/

を拝見し、大橋さんのご発言を拝聴いたしました。そのなかで、

「今は格納容器破損が起きる確率は極めて小さい。1億年に1回というような評価がされているのに、それが起きると考えたらというような評価がされています。」

というご発言をなさり、対話者に対して非常に失礼な言い方をなさっておられるのを見て、驚愕いたしました。
今回の福島の事故では、格納容器も圧力容器も破損しておりますが、この事態を受けて、
当時のこのご発言をどのように正当化されるのか、お考えをお聞きしたく存じます。
「想定外」という説明はどうぞご勘弁ください。

先日、ある学会に出ていて、東京大学の工学部の名誉教授の先生が、

「東大の原子力関係の体質が改められない限り、問題は解決しない」

と発言しておられました。
会場の聴衆の方々も、マスメディアに登場する東大関係者に対して強い不信の念をいだいておられ、
この発言に大きく賛同しておられました。

大橋さんの発言が、ネットで現在も配信されていることで、
東京大学に対する信頼が大きく傷つけられております。たとえば、

http://onibi.cocolog-nifty.com/alain_leroy_/2011/04/post-0346.html

などのコメントがなされています。
このような事態に対して、説明責任を果たして頂きたく存じます。
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しかし、返事はなかった。そこで、

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先ほど、ツイッターで 「東大 大橋」と入れたら、今も以下のように膨大につぶやかれております。
あなたの発言によって、東京大学のブランドが大きく傷ついています。
なにとぞ、正々堂々と反論するなり、反省するなり、
逃げ隠れしないで意見を言っていただけますよう、お願い申し上げます。

「風評被害」とおっしゃるかもしれませんが、
名声というものは風評でできております。
東京大学が世間から尊敬されているのは、風評のおかげです。

なにとぞこの事態を誠実な行動によって取り返し、
東京大学の名声を守ることに貢献していただきたく、お願い申し上げます。
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というメールを送った。しかしまたまた返事はなかった。そこでもう一度、

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いつまでたっても、あなたの名前をツイッターで検索すると、膨大につぶやかれています。
大学に口止めされていると言って、週刊現代の取材を逃れていましたが、あれも嘘ですよね?

いい加減にそういう態度を改めて、紳士として行動なさるよう、お願いします。
東大の名前がどれほどあなたの愚行によって傷つけられていることか。
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とメールした。そしたらついに、お返事を頂いた。

まず、週刊現代の「大学に口止めされている」問題であるが、私の推測が間違っている、という趣旨のお返事であった。なんと、東京大学大学院工学系研究科では、4月以降、メディア取材は同研究科の広報を通すように、と指示が出ているのであって、嘘なんかついていない、というのである。

これは驚くべき事態である。東大工学部は、教員に、勝手にメディアの取材を受けて、自分の意見を表明してはならぬ、という「箝口令」が公式に出ている、というのであるから。会社なんかではそういうこともあるだろうが、国立大学のような、国民の税金によって研究を行い、その研究成果に関する自分の見解を公に表明することが主たる業務である機関で、このような「箝口令」を出すことは、道徳に反するのではないだろうか。大学当局は調査すべきであると考える。

それからツイッターについてであるが、彼は気にしないで放っている、ということである。ツイッターなどというもは、議論に価するような内容ではない、とお考えだそうである。

しかし私がメールで指摘したように、彼の名誉ばかりではなく、東大の名誉が大きく傷つけられているのである。紳士として、決然とした態度を公にして、謝罪するなり、反論するなりしていただきたいものである。私としては、内容うんぬん以前に、小出さんはじめ討論者のみなさんに、失礼な物言いをしたことを、謝罪していただきたいと思う。