ベットとテレビと冷蔵庫。
ただ、この部屋にはそれしかなかった。
とにかく、暑い。
何か冷たいものでも口にしたい。
しかし、冷蔵庫の中には冷たさ以外は何もなかった。
たった1枚の紙きれに目を止める。
”思いをしっかりと言葉にしてくださいね”
思い??
「そりゃあ、ハニーレモンジーナ飲みたいし
ハーゲンダッツのキャラメルトリュフも食べたいよ」
すると、どこからともなく光が冷蔵庫の後ろで光った。
食べたいと口にしたものが飛び込んできたのだ。
そ、そうか!
この冷蔵庫は、願いが叶う冷蔵庫なんだ!!
じゃ、じゃあ・・・お腹がすいたらあれが食べたいんだよな・・・
「ステーキ!白飯!!シーザーサラダ!!」
よぉーし。これであとの食事も心配いらなくなったぞ!
待てよ。
ステーキはあったかくないと美味くないぞ。
ダメモトで言ってみるか・・・
「電子レンジ!」
またしばらくすると、電子レンジが野菜室に入っていたのだ。
いや、これは自分が勝手に野菜室と思い込んでいるだけなのかもしれない。
このからくりが判るまで、実に1か月を要することになるのは
まだアンディは知る由もなかったのだ・・・。