妊娠中から母乳で子供を育てたい、と強く思っていた私。「おっぱいを吸う我が子を、いとおしく見つめる母親」を描いていたわけですが、実際はちょっと違いました。
赤ちゃんを包み込むように抱っこ♪ …ができなかったんです。
はるは、2,685gとちょっぴり小柄で生まれてきたので、普通の横抱き(いわゆる、普通の抱き方。赤ちゃんのお腹と母親のお腹が密着している)では、うまくおっぱいをくわえることができないようで、フットボール抱きと呼ばれる、赤ちゃんを母親の脇ではさみラグビーボールを抱えるような姿勢で授乳する方法を勧められたんです。
我が子をラグビーボールを抱えるように抱っこするなんて…。赤ちゃんの顔がぴょこんと私の脇から顔を出して、おっぱいを飲むんです。確かに、かわいいです。でも、イメージと違いました。
そして・・・。
看護師さんが指導してくれました。赤ちゃんが大きく口を開けてママのおっぱいを探すので、その時におっぱいをしっかりと赤ちゃんのお口に含ませてくださいね、と。
うちの子、はるは、口をちょぴっと開けて待つんです。えーっと、周りを見回しても、ほかの赤ちゃんは口を開けて必死にママのおっぱいに向かっていってます。なのに、なぜうちの子は口を開けて待っているのでしょうか。
なんとかやっとおっぱいをはるの口に入れた瞬間!
いたっ!!!
叫んじゃいました。吸う力がめちゃくちゃ強い!ずぉぉ~~~っと、一気に掃除機で胸を吸われたようなそんな感覚。しかも、歯が生えているのかと思いました。思い切り歯で胸をかまれているかのように痛い!こんなに小さな赤ちゃんのどこにそんな力があるんだろうって思ってしまうほどの吸う力。
それでも、小さな体で一生懸命飲む。母乳って出産直後には出なくて3,4日してから分泌が始まるみたい。最初に出る母乳は初乳と呼ばれて、栄養だけでなく免疫成分が多く含まれていて赤ちゃんには大切なもの。ちょっと黄色っぽいからすぐわかる。だけど、産後2日目の最初の授乳ですでに私の母乳は分泌されていて、はるはじわ~っと出てくる母乳を少しだけ飲んでくれた。
赤ちゃんは生まれながらにして母乳を飲む力が備わってる、って本当だったんだ。生きるために飲む、その当たり前のことが当たり前にできていることに感動。そして、私の体もはるのために変わっていることに動物としての本能のようなものを感じて、なんだか誇らしい気持ちになりました。
描いていた初めての授乳とは違ったけど、これはこれではると私らしい初体験となり、感動的でした。
続きます。