【生まれます!】
本陣痛が始まって私の脳裏に浮かんだのは・・・。あ、友達に連絡しなきゃ!!そんなわけで、陣痛サーフィンの合間に、「陣痛始まったよ~!頑張るね☆」とメールしまくり。今思うとよくあんなことできたなぁ。
入院して気付けばあっという間に5分間隔。
痛みは、ズドーンではなく、下腹部が針で刺されるような感じ。頑張ってサーフィンを続ける。30秒の痛みが早く終わらないかと、早めに30秒カウントしてみる。でも、そんな都合のいい話はなくて、早く数えたばかりに痛みが終わるまでに45,46,47・・・とかになると、後悔。
「ああ、ゆっくり30秒数えたほうが、ちゃんと30で終わったのに、なんかむしろ痛みが長く感じる」。
次第に、痛みよりもいきみ感の方が強くなる。赤ちゃんがぐんぐん降りてきてる証。私は赤ちゃんに酸素を届けるために、長く息を吐くことに集中する。しっかり息を出したら、たくさん空気を吸えるから。
赤ちゃんが酸素不足になると、顔が紫っぽくなるらしい。赤い赤ちゃんは酸素が足りているということ。赤い赤ちゃんに会いたい!!その一心で、
ふぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅっっっ
真っ赤な顔して、息を吐く。
ふぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅっっっ
でっかい口開けて、空気を吸い込む。おぼれるってこんな感じだな、と妙に冷静に思う。途中、いきみたくて、息が止まる。いかん、いかん。
ふぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅっっっ
既に、息を吐いているのか吸ってるのかよくわからない・・・。
よく出産が「でっかいスイカを鼻の穴から出す感じ」とか「でっかいウ○チを出す感じ」と表現されるけど、私はどちらかというと、ウ○チ。しかも、子宮口が最大10cmになるまでいきんではいけないのに、そのでっかいウ○チは、一生懸命に出よう、出ようとする。すごい力。
すごい力と戦うのは私だけではない。いきみ逃しをするダンナが力をこめてウ○チ(ごめん、赤ちゃん!)を押し戻そうとする。後で聞くと全身の力を込めてるのに負けそうになったとのこと。
途中、母親・義母・姉がお見舞いに来る。私、
かえってぇぇぇぇ
と叫ぶ。だって、こんな自分、見られたくない。みんなまさか、私の陣痛がこんなにも進んでるとは思わず、ビックリ。とりあえず言われた通り帰る。
あれよあれよ、という間に3分間隔。気付けば17時過ぎ。
助産師さんが、「あと30分したら分娩室に移動しましょう。」と言ってくれた。ということは、この陣痛サーフィンもあと10回か。がんばろう。
1回、2回、3回、4回、5回、6回、7回、8回、9回、10回・・・。あれ、ちょっと助産師さ~ん!?・・・11回、12回。あ、やっと来た。遅いよ、30分過ぎたよ。(私、クレーマーの素質アリですね)。
助産師さん、「分娩室に移動しましょう。陣痛の波が落ち着いてるときに行きましょうね。」
私、「今すぐ行きましょう!」
急いでスリッパを履いて、隣の分娩室へ。途中、新生児室を抜ける。生まれたばかりの赤ちゃんに会いに来たご家族の皆さんが私を見る。がんばってる姿を見せたほうが良いような気がして、しんどそうな顔をしてみる(変な見栄っ張り)。でも本当は陣痛来てないから、元気。
分娩台に乗る。看護師さんが、尿管を通したり、点滴の準備をする。
・・・あれれ。12回目の陣痛以降、痛みないんですけど~。まさか、また波引いたのか??あせる私。
なのに助産師さんが、「隣で分娩されている方がいるので、先生は先にそっちに行っていますね。私も行ってきます。痛みがきたらいきんでいいですから」とだけ言って去ってゆく。
私、すごい格好で一人、分娩台にポツン。立会いするはずのダンナはなぜかまだ分娩室の外。
・・・痛みがきませ~ん。どうしたらいいんですか~?
と思ったら、きたきた。
でも、私。え、一人でいきむの?なんか寂しいじゃん。
とりあえず、いきんでいいって言われたから、一人で
うーん。
といきんでみる。また来たから、いきんでみる。
様子を見に来た助産師さん、血相をかかえて、「頭出てきてます」と先生を呼びに行く。ダンナも合流。
私、またいきむ。どんどん出てきてるみたい。
先生と助産師さん、集合。私、人が集まってきて嬉しい(運動会で注目されると嬉しい人だから)。つい
なんかおもしろいですね~。
と言ったら、
先生と助産師さん「そんな余裕のある人いませんよ。おもしろい人ですね」。
私、「だって出てきてます。あ、引っ込んだ。おもしろいです」。
談笑してるよ、私たち~。
助産師さん、「いきむの上手ですよ~、その調子。」
褒められるとますます頑張るタイプ。いきむ。
先生、「はい、いきむのやめて、やめて。」 麻酔、会陰切開。18時26分、赤ちゃん出てくる。
真っ赤な赤ちゃんだ!!!泣いてる。手足バタバタしてる。
私、両手を広げて
ようこそ~!!!
と叫ぶ。
神戸の友人が言ってた。初めて赤ちゃんと会う時は涙より、笑顔がいいでしょ、って。だから、私、はると初めて会う瞬間は絶対に笑顔でいようって決めてた。
隣を見ると、ダンナがぽろぽろ涙を流してる。私は笑顔なのに、逆だよ~。
分娩室に入ってから30分のスピード出産でした。
~つづきます。~