この世界の片隅に (2016年劇場映画)
戦争で広島に落とされた原爆(原子爆弾、核爆弾)。
その時代背景、惨たらしさを描き、
物資が不足し困窮する中で生きるたくましさを描いている。
まず主人公の、すず(のん)の、おっとりしてのんびりした性格にほっこり^^
こういう人と一緒に暮らすと、心穏やかに生きていけそうだなと。
主人公のすずは、NHKの朝ドラの「あまちゃん」の、
のん(本名 能年玲奈)さんが演じています。
しかし、時は戦時下で悲惨な運命が、容赦なく次々とすずを襲う...
戦争の悲惨さを、素朴な雰囲気のアニメーションで見せられると
その苦しみや辛さが僕には堪えた。
なんで、どうして田畑を耕しささやかな暮らしをして
争いを好まない主人公のすずが、こんな目に合わないといけないのか!
怒りが湧いてきて、涙が落ちてくる。
僕は目はうるうるしても、目から涙が零れ落ちる事なんてめったにないのに
この映画では涙が滴となってポタポタと落ちていった...
それほどまでに、戦争というものは惨たらしいもので
始まった瞬間、人が死ぬ事が殺される事が決まってしまう...
それを国民に課す残酷な決断...
しかしそんな中でも、おっとりしたすずの心の中にあった元来の明るさが、
強さやたくましさとなって困難を切り開いていく事に光が見える。
こうやって感想を書いていても、
様々な思いが錯綜し思いが溢れてくる。
心に強く強く残る作品。
北川景子さん主演と
松本穂香×松坂桃李主演で、2度実写のドラマにもなっているので
それもオススメです↓
※祖父は、フィリピン沖で乗っていた戦艦が撃墜されて
ほとんどの方が戦死された中で
海を何時間も泳いで、幸運にも味方の船に救助され生き残った人だった。
戦争の話は自分からはしなかった。
聞けば話してくれるけど、短い言葉で、
その顔はいつも、遠くを見るようなあきらめたような無表情ともいえる顔だった。
観光や旅行に行った時に戦争の慰霊碑があると必ず目を閉じ頭を下げ、長い時間動かなかった。
祖父が亡くなる前に、戦争の事をもっと聞いておけばよかった...
当事者の本当の声を聞きばよかった...
そんな思いもあり、戦争の事を自分なりに調べたり本で読んだりしている。
伊吹有喜 著 「彼方の友」
という小説を読み終えた時
この世界の片隅に、を見た時と同じような思いを抱きました。