リズと青い鳥(響け♪ユーフォニアムのスピンオフ劇場映画)
響け♪ユーフォニアムに出てくる
オーボエ奏者の鎧塚みぞれと、
フルート奏者の傘木希美の二人の関係を綴ったスピンオフです。
アニメ版シーズン1とシーズン2を見終わってから、
この作品を見ると二人の微妙な関係がよりわかりやすいと思います。
鎧塚みぞれと傘木希美の視点を通しての
二人の関係を絆を綴った作品です。
まず、映像が美しいです。
京都アニメーションが作りあげた人物や背景がとにかく素晴らしいです。
二人の微妙な心情や、気持ちの変化をセリフや言葉少なげに
映像で演出しています。
心情を映し出すような情景溢れる背景の中で、
光や風や空気など、その動きや流れを感じさせながら
彼女たちの、ふとした仕草や、微妙な動きや間で
それぞれの心情を表現しています。
作中に、水槽で泳ぐ小さなミドリフグのシーンが何回も出てきますが
ぷっくりした感じとヒレの透明感、そして泳ぐ時の体やヒレの動きが本物そっくりです!
僕は、ミドリフグを飼っていたので、この描写力に感動しました。
フグたちの泳ぎ方の微妙な違いで、
そのシーンが表現したいであろう、彼女たちの心の機微までもが伝わってきました。
とにかく、言葉数は少なく
映像で魅せる叙情的な作品です。
ストーリーは言わない事にします。
とにかく作品を見てください。
なんというか、はっきりと示すような表現ではなく
微妙な心の移ろいや心情を現わした抽象的な作品なので、
そこが捉えられないと面白くないので
好き嫌いが別れる作品だとは思います。
僕は好きですね、心に残る作品でしたね。
最後に、おっさんオススメの叙情性の残る小説を紹介します↓
町田その子 「夜空に泳ぐチョコレートグラミー」
町田その子さんは、文章が美しくて
文章に触れているだけで癒されるような作家さんです。
この本は、短編どうしが微妙に繋がりを持った連作です。
「リズと青い鳥」の中の二人の関係性のように
人との関係性や世の中に、息苦しさや生きづらさを感じながらも、
人は何かに救いを求めたい...
そして、それを書きすぎないナイーブでやわらかな表現で
読み手の想像を膨らませます。
おっさんは憐憫も温もりも感じ、読後のよろこびに浸りました。
作家のデビュー作とは思えない作品で
僕は、一読で町田その子さんのファンになりました。
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