疑似「がん宣告」を受けた私 ② | こうぼうのブログ

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こんにちは。

前回の続きです。



私  「腫瘍って、どれくらいの確率なんでしょうか?」
先生 「んん…そうだな2割程度かな」

でも、2割という数値をどう同解釈したらいいのか?
天気予報なら、傘はいらないほどだし……。

極めて低い確率と思えば、心配するほどでもないようだし。
でも、確率的に2割も、がんになると思えば、安心など
とてもできないし……。





いろいろ考え込んでしまいました。



………………………………………………………………………



まず、思い浮かんだのは、「がん保険」のことでした。
がん保険の新商品が発売されたので、3月下順に
加入したばかり。






がん保険は、がんと診断されてから保険に加入するのを
防ぐために、支払いの責任が開始されるまでに3ヶ月の
待ち期間が設けられています。






もしこれが今、「がん」と診断された場合、この保険からは、
診断給付金などの保険金は一切支払われません。






これはちょっとヤバイかも……ってことが脳裏にスゥーっと
浮かんできましたね。

これは不思議な体験でした。





本当なら、まず、家族のことや仕事のことが先にきて
しかるべきと思いますが、真っ先に思い浮かんだのは
お金の心配だったのです。






次に、いくら2割の確率といえども、最悪の事態に陥ったときの
ことを考えておかないといけません。





・仕事のペース配分を今からどう工夫したらいいのか?
・家族に話すタイミングは、CTの結果まで待つか?、
・それとも今すぐに経過を話すのか?

・さらには、今後の生き方や環境が、どう変化するのだろうか?





など、グルグルと頭の中をかけめぐりました。






金曜日にレントゲン付きの紹介状を書いてもらい、さっそく
月曜日にその病院で検査に直行しました。






「がん保険」の給付を確保したいのか?
それとも、早く真実を知りたいのか?
まあ、両方……かな。






さて、病院で紹介者専用窓口で手続きを済ませました。
そこでは、老夫婦が問診をゆっくり確認しながら記入しておりました。
私のほうが若い分、記入が早く完了しましたので、早速、外来での
待合室へ紹介状を持っていきました。






その外来は「呼吸器内科」






診察室は「呼吸器内科だけで10室以上も、ずらりと並んでいました。
巨大な病院ですね。

誰かが名前を呼ばれて、ドアを開ける際に、診察室の先生の

横顔を見ることができました。





みんな若い先生たちが診療をしていました。
ある一つの診療室では、なんと、20歳代くらいの女性医師でした。





「すげ~なぁ、こんな大きな病院に勤務してるんだから、きっと秀才エリート
なんだろう」って勝手に想像してました(待ってる間がヒマなので)。






いよいよ、名前を呼ばれました、私の。





ちょっと、ドキドキしてきましたが、覚悟を決めて、さっさと入室です。






その担当医師も非常に若い。
平成16年○○医大卒、のまだ息子くらいの若さの先生。
やっぱり、賢そうでマニアックな印象でした。





その先生、すっごいです。
少しご挨拶をして、提出したレントゲン写真をほんの一瞬、
チラリと見て私の首筋に両手を当てて、チェックしました。






即、私にこうおっしゃおました。





先生 「これは血管ですね。心配ありませんよ」
  「いただいた検査の数値が少し高いですが、これも

     許容範囲内で大丈夫でしょう」





その説明を聞いた私は、ただ唖然……でした。






私は、ほ~っとしましたが、つかさずお聞きしました。
私 「先生(町医者)は、検査数値がやや高いのでそれを

   気にしてたようですが?」 と、申し上げたところ、





先生は、つかさず、

「ああこれは、採血した人が、注射器に血液を入れる速度が

早かったからでしょう。

それによって数値が変わるんです。

だからこの程度の誤差は心配ありませんよ」





私は、ただ驚嘆するばかりでした。

すごいっしょ。 このエリート先生。





ちょっと、難があるとすれば、

「顔がいまいち」というところでしょうか。






きっと、もてないだろうね。
でも、学歴や実績という点で、多分、女性はイチコロだな。
こんなに、キレのいい話し方をするのであれば。





とまあ、瞬間的に勝手な想像をしました、不謹慎な私です。






先生 「せっかく、おいでいただいたのですからCTでも撮ってみますか?」
とのお話に、私も「CTは始めてですので是非お願いします」ということで
すぐに、CT検査室に直行しました。






CTは2部屋あり、さらにレントゲン室など複数も部屋がありました。
きょうは、緊急患者のCT使用で、検査まで約30分ほど待ちました。






その検査待合室では、点滴をしながらゆっくり歩行中の患者さんや、

寝たきりでベッドごと移動中の患者さんたちが右から左へ、左から右へ

通り過ぎていきました。






「ああ、こんなに苦しんでいる人たちがいっぱいいる」
「なんて私は幸せなんだろう」

そう感じないではいられないほどでした。






初めてのCT体験後、もう一度、診察室に呼ばれました。





エリート先生は、画像を拡大したり縮小したりして、

私の胸を素早くチェックして、第一声が

「きれいですね。問題ありません」

それは、私にとって最も聞きたかった言葉。

やっと悩みが解決してスッキリ。






少しエリート先生に質問してみました。
私 「がんは10年位も前からゆっくりと芽生えていると

本で読んだことがありますが、だとすると、がん検査は1年に

一回程度で行ったらいいんでしょうか? 

それに私は若くないのでがんの進行は遅いんじゃないですか?」






エリート先生 「いいえ。がんには若いかどうかに関係なく、

ものすごく速く進行するタイプもありますので、

1年1回の検査で良いというわけではありませんね。」





これは初耳でした。





で、………





最期にエリート先生の発言。





「このレントゲンと検査内容で、どうして問題があるのか

私にはわかりません」






それは多分、立場の違いからなのでしょう。





町医者では、リスクを多めに判断しているわけですね。
異常がないだろうと思っても、それでも万一の場合を想定して

CT検査をすすめる町医者の立場。





一方、紹介状を受けて詳細チェックする大病院の立場。
その立場の違いでしょうかね。(なぜか町医者の肩を持つ私)





「呼吸器内科」という超専門分野に特化した医師であるからこそ、

短期間で多数の患者さんを診察し、若くして経験が豊富となって

いることは容易に想像できます。







私のすぐ前に呼ばれた、同じエリート先生が受診した老夫婦の奥さまは、

私と行き先は同じ。





CT検査室へ行きましたが、その方はその結果をみて、今度は採血の

検査室へ行きました。






病院に行って、ほぼ3時間の出来事でしたが、健康であることへの感謝と、

定期検査をもっときちんと行わなければいけないことを痛感しました。





また、「小さな幸せ」 をたっぷり感じた大切な時間でもありました。
みんなに、感謝です。






やれやれ……あせる