ブルー・セーター | こうぼうのブログ

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こんにちは。





最近、おなかのたるみも気になるところですが、
気持ちのたるみもけっこう気になるようになりました。

こんなとき、起業家の本を読むと、やる気が出てくるのはナゼ?
見つかりました、ピッタリの本。






「ブルー・セーター」 英治出版
THE BLUE SWEATER
引き裂かれた世界をつなぐ起業家たちの物語
青いセーターが世界を救う?:アキュメン・ファンドの試みがするもの
ジャパン・ソサエティで、アキュメン・ファンドの創設者である
ジャクリーン・ノヴォグラッツ氏の著。



「何になったとしても…多くを与えられている人は

多くを期待されているというのを忘れないでね。

神様は、あなたにたくさんの贈り物をくださった。

だから、ほかの人たちのために精いっぱい

それを活かすのよ」 (本文より)





この著者、なかなか刺激的で素敵な女性起業家なんです。

すぐれた紹介ブログがありましたので、抜粋させていただきます。






アキュメン・ファンドは、ジャクリーンが創設した新しいタイプのファンドである。
どこが新しいかというと、通常、開発途上国における様々な問題解決を支援

する際には、世界銀行や各国の援助機関(日本だとJICAですね。)が、

開発途上国の政府に対してプロジェクト・ベースでの資金協力を行うか、

あるいは、国際的な財団(老舗では、フォード財団やロックフェラー財団、

最近では、ビル&メリンダ・ゲイツ財団やクリントン財団などが有名ですね。)が、

グラントで途上国の政府やNGOに資金支援を行うかのどちらかである。



両者の資金は、それぞれODAあるいはグラントで、投資ではない。

これに対して、アキュメン・ファンドというのは、開発途上国が抱える課題の

解決を目的とする点は、以上の機関と共有しているけれど、資金の提供に

あたっては、政府やNGOではなく、企業を対象とし、しかも、グラントではなく

投資として提供するところがユニークである。



投資だから、当然、一定期間が過ぎれば投資資金は回収する。

もちろん、利子付きである。また、ビジネス活動に対して支援するため、

の企業が提供するサービスや財に対して、受益者は当然料金を払うことが

期待される。



どうして、アキュメン・ファンドのような支援形態が注目を集めているかというと、

これはもう開発支援とフィランソロピーの歴史を説明しないとならなくなるので、

ここでは、単純化してしまうと、要するに、「従来型の政府やNGOに対する

資金支援では、開発途上国が抱える問題を解決できないので、民間企業の

活力と効率性を活用し、資金支援が終わっても受益者が一定程度の料金を

払うことにより採算性を保つことで、持続可能性を確保しよう」という発想が

新しいからである。



実際、アキュメン・ファンドのプロジェクトは多岐にわたり、飲料可能な水の

確保から、マラリア予防するための蚊帳の販売、視覚障害者治療専門の

病院の設立など、とにかく、開発途上国が抱える問題であれば、何でも

対応している。



と、ここまで書いてくると、

「で、そのアキュメン・ファンドのどこが、スピリチャリティとかアートに

関係があるの?」という質問が飛んできそうだけど、まあ、もう少し我慢して

お付き合いして欲しい。



ジャクリーンは、とても変わった経歴の持ち主で、大学卒業後、Chase銀行に

入社して、将来を嘱望されたキャリア・ウーマンだったんだけど、

そのキャリアをなげうってアフリカに渡り、アフリカでマイクロ・クレジットの

導入(最近、ノーベル平和賞を受賞したユヌス氏のグラミン・バンクと

同じ発想で、開発途上国の人たちに少額の資金を貸与することで貧困問題を

解決しようという試み)を始める。彼女が主に活動した国はルワンダで、

彼女が去った後に、ルワンダで大虐殺が起こることになるのだが、



とにかく、

彼女は、そのようにしてアフリカの女性の自立に向けて様々な試みをした後に、

米国に戻り、ロックフェラー財団でフィランソロピー・ワークショップを立ち上げる

など、精力的に開発問題に取り組み、その中で、アキュメン・ファンドのような

新しいタイプの支援枠組が必要だと考え、これを実現したわけである。



そうした彼女の半生に渡る努力をまとめたのが、「The Blue Sweater」という

本である。開発問題だけではなく、彼女のアフリカでの様々なエピソード

(意地悪な上司、ささやかな恋愛、降りかかるトラブル、そして虐殺後の

ルワンダ訪問などなど)が綴られていてとても面白いので、



もしも日本語訳が出たら是非読んで欲しい。



で、その中に、タイトルにもなった青いセーターのエピソードが出てくる。

これがとてもユニークなのである。



ジャクリーンが、まだ少女の頃、憧れていた叔父さんが、ある日、彼女に

青いセーターをプレゼントしてくれる。彼女はそのセーターがとても気に

入って、本当に毎日着ていたんだけど、ある時、高校で、そのセーターの

ことを男の子からからかわれ、彼女は、そのセーターを処分する。



もちろん、アメリカの敬虔な中産階級だから、ただ捨てるのではなく、

きちんと古着屋に持って行って処分したのだ。

それから10年以上が経ち、彼女が、アフリカで開発援助の仕事を

始めたある日のこと。



早朝、自宅近くをジョギングしていると、彼女は、現地の男の子が、

見覚えのある青いセーターを着ているのを見つける。懐かしく思って、

その男の子に声をかけ、何気なくセーターのラベルを見ると、

なんと、「ジャクリーン」という名前が書かれているではないか!



そう、そのセーターは、10年前に古着屋に処分された後に、回り回って、

多分、米国で アフリカの子供達に古着を送る 活動をしている団体に

持ち込まれ、アフリカに送られたのである。こうして、10数年ぶりに

自分が心から愛したセーターと再会することになったジャクリーンは、

そこにある意味を見いだす。

それは、「現代においては、世界は隅々までつながっているのだ。」

という確信である。



結局、この確信が、彼女のその後の活動の基本的なモチベーションになる。

アフリカの貧困問題は、アフリカだけの問題ではない。

それは、米国を含めた先進国の問題でもある。だから、アフリカの問題も、

自分たちの問題としてこれに立ち向かわなければならない・・・。

これが、彼女の貧困問題に対する情熱を支える基礎となる。


実際、ジャクリーンは、講演会においても、「開発途上国の問題は、

私たちの問題なのです。例えば、私たちがペットボトルから水を飲むとき、

限られた水資源を先進国が独占することに知らず知らずかかわっている

のです。」と語る。



ジャクリーンは、常に、開発途上国が抱える様々な問題を、先進国も

同様に解決のために努力しなければならないグローバルな問題として

とらえなおし、その上で、市場や民間の効率性と現地の人たちの

企業家精神や自立能力に即して解決していこうとする。



「世界には様々な問題があります。すべての問題が相互に関係し合って

いて、すぐに解決することは出来ません。でも、世界はすべてつながって

いると言うことを常に忘れず、広く深い奉仕の精神を持っていれば、

私たちは世界を変えることが出来るのです。」