ケインズの「慎重さの原理」 | こうぼうのブログ

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備忘録です。








将来の疑わしい利点のために現在の利益を
犠牲にするのが正しいことはめったにない。
はるかな将来を考えるのは賢明ではない。
人間の予想能力は低く、将来の結果を左右
する力はごくごく小さい。
したがって、今の人びとの幸せが最大の
関心事である。
どれほど利点が大きいと思えても、予測が
つかない目標のために多数の人たちを犠牲に
することは、きわめて慎重になるべきだ。
……危険をおかす価値があると断言できる
ほどの知識が得られることはありえない。
強調しておくべき点がさらにある。
目標にする状態がそれまでの状態より良いと
いうだけでは不十分である。
移行にあたって生じる「悪」を埋め合わせ
られるほど良くなければならないのである。
Skidelsky, Keynes, Vol.2








可能なかぎり、1日でも、1時間でも、平和の期間を

延ばしていくことがわれわれの義務である。
将来に何が起こるのか、われわれには分からない。
ただひとつ、いま予想できることとは全く違っている
だろうといえるだけである。
わたしは違う文脈で……長期的にみれば、われわれは
みな死んでいると書いたことがある。
しかし全く同様に、……短期的にみれば、われわれは
みな生きているということもできる。
人生と歴史は短期の積み重ねである。
短期的に平和を維持できれば、何らかの価値がある。
われわれにできる最善の動きは惨事を遅らせることである。
Skidelsky, Keynes, Vol.3