ハイドン:交響曲第87番 | angsyally1112のブログ

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ハイドン:交響曲第87番
ハイドン:パリ交響曲集(第82~87番) より
・交響曲第87番イ長調Hob.I-87
スイス・ロマンド管弦楽団
指揮:エルネスト・アンセルメ
録音時期:1962年4月
録音場所:ジュネーヴ、ヴィクトリア・ホール
録音方式:ステレオ(セッション)


ハイドン『パリセット』も、とうとう最後の第87番です。
この6曲の中では一番最初に作られた曲との事です。どうして第6曲目になったのかは分かりません。ハイドンの意志かそれとも出版の事情か?
(87、85、83、84、86、82番の順に完成したらしいとの事です。)

ハイドン愛好家の間では、『パリセット』の中では第86番と並んで人気の曲の様です。
第82番『熊』から番号順順に聴き、第83番『めんどり』と第85番『王妃』は、とりあえず横に置いて、第82番より第84番、第84番より第86番、第86番より第87番という具合にどんどん私の心の中により深く侵入して来ます。それは、私がより深くハイドンの交響曲に取り込まれてつつあるという事でしょうが。
このアンセルメ盤が好きです。
まず第1楽章のテンポです。
早すぎず遅すぎず、とても心地好いのです。
カラフルで無節操にも思える明るく開放的なサウンドに魅了されたのでしょう。
両端楽章の熱気と迫力も十分です。
第2楽章と第3楽章も納得の演奏です。



ハイドン:パリ交響曲集より
交響曲第87番イ長調 Hob.I-87
シャルル・デュトワ指揮
モントリオール・シンフォニエッタ
( 1991年録音)

デュトワ盤
第2楽章の美しさならば、この演奏が一番の好みです。
第1楽章は、私にはテンポが少し早過ぎるのですが、よく似た解釈のバーンスタイン盤やカラヤン盤より、第2楽章の透明で純粋な美しさに何度も聴き入ってしまいました。




アントニーニ盤
ハイドン:
1. 交響曲第82番ハ長調 Hob.I-82『熊』
2. 交響曲第87番イ長調 Hob.I-87
3. 交響曲第24番二長調 Hob.I-24
4. 交響曲第2番ハ長調 Hob.I-2
 バーゼル室内管弦楽団(古楽器使用)
 ステファノ・バルネスキ(コンサートマスター)
 ジョヴァンニ・アントニーニ(指揮)
 録音時期:2019年5月18-22日(1-3)、2020年8月13日(4)

これぞ現代のハイドン第87番と思える演奏です。
どちらかというと知的・論理的なトーマス・ファイの演奏に比べると、体育会系直感的な情念の塊のようなサウンドですが、よく聴くと細かいニュアンス迄伝わってくるサウンドです。

この曲の持つある意味で軽快なイメージは全く稀薄ですが、『どこまで行くのか?ハイドンは。』というリアリティ満載のサウンドです。多分今の私には一番好みの第87番です。


最初からもう一度『パリセット』を順番に聴き直してみました。選んだのは下記の演奏です。
第82番アントニーニ
第83番バルビローリ
第84番トーマス・ファイ
第85番ザンデルリンク
第86番ヒュー・ウルフ
第87番アントニーニ

何となく第83番と第85番に違和感を感じます。
その2曲の演奏が飛び抜けて個性的だからでしょうか?
それにしても、『パリセット』は、私のハイドン交響曲へのイメージを一新してくれました。この後はどうなるのでしょう?

ヘッドホンは、DENON AH-D5000バランス接続です。