アン・マレイ(メゾ・ソプラノ)
アントニー・ロルフ・ジョンソン(テノール)
ルネ・パーペ(バス)
ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団&合唱団
クラウス・テンシュテット(指揮)
録音:1992年10月8日、ロイヤル・フェスティヴァル・ホール(ライヴ)
「フルヴェンのバイロイト」にも匹敵する驚異の名演、ぜひこの感動を日本中、否、世界中の人々と分かち合いたいものです。(ナクソス・ジャパン)
このレビューに惹かれて購入しました。
テンシュテットのベートーヴェン交響曲第9番『合唱』の録音は、ライブ盤しか残されていないと言うことで、全部で5種、中でも1985年、1991年、1992年の3種のロンドン・フィルハーモニー盤が有名なようです。マニアックなファンは必ずその3種を所有しているようです。
クレンペラーの『合唱』は、そのブルックナーのような構造的な演奏の迫力には確かに感動するのですが、私の一番聴きたい第3楽章のテンポが、早めなのが難点。
フルトヴェングラー、フリッチャイやワルターのようなゆったり目の美しい第3楽章が好みなのです。
他に無いかなあと物色している内にこの演奏のレビューに出会い、早速購入しました。
誠に美しく感動的な第3楽章です。
何回も聴いてしまいます。
この繊細な慈愛に満ちた筆先きは何と形容すれば良いのでしょうか!
人生の最期にこれ程までに諦感を超えた宗教的迄の純粋で荘厳な世界に到達したテンシュテットは物凄い指揮者だったのですね。
勿論他の楽章も凄いの一言です❗
他の演奏では聴いた事の無いティンパニの爆烈する第1楽章の弩迫力(録音レベルが低いので、思い切りボリュームを上げないとおとなしい演奏に聴き間違えます。
しかしこれでも他の2種のロンドン・フィル盤に比べれば一番おとなしい演奏との評判です。私にはこの演奏でも充分過ぎる過剰な迄の刺激です。)
第3楽章からほとんど切れ目なく突入する最終楽章が素晴らしい!
正直今まで聴いた『合唱』の中でも特に印象に残る最終楽章です。この《お祭り騒ぎ》風ドンチャン騒ぎ的な高揚感はとても新鮮です。そしてそれが荘厳な感動に変わってゆくのです❗
ヘッドホンは、ゼンハイザーHD800バランス接続、夜間はデノンAH-D5000で聴きました。
(第3楽章は、K701等のAKG系もとても美しく聴こえます。)