●黒の狩人 | シネマと書店とライブハウス ~ 映画と本と音楽と少し旅 ~

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黒の狩人(上) (幻冬舎文庫)/大沢 在昌
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黒の狩人(下) (幻冬舎文庫)/大沢 在昌
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狩人シリーズの第三弾。



中国人を狙った惨殺事件の発生。



場所も、年齢も、大きく異なり。


関連性も全く無いように見えたが。


被害者たちには。


同種の入れ墨が、施されていた。



「五岳聖山」・・・道教の五つの名山


それぞれ、泰山、嵩山、衡山、華山、恒山。



新宿署の刑事、佐江。


その捜査補助員となった、中国人、毛。


そこに、加わる外務省の美人職員、野瀬。



この三人を中心に。


点と点だった事件が結びついていく。



といったの大枠。



事件の真相を究明すると、ともに。


徐々に浮き彫りになっていく、人間模様。



被害者、被疑者だけでなく。


その事件に関わる

登場人物たちの真なる利害も。



いやはや、すごい。



もちろん。


ドンパチもありますが。



それ以上に。


登場人物たちのキャラクターが、秀逸ですな。



約20人くらい出てくるんで。


時々、把握するのに、混乱しましたけどね。


えっと、えっと。


どんな人だったっけ?みたいな感じで。



協力者、殺し屋、所轄の刑事。


その横の繋がりと、情報。



国家と、国際事情。


外国人犯罪と日本。


中国と日本。



様々な事象が、深く、ディープに。


かなり、掘り下げられて書かれています。



エンターテイメントでもあり。


純文学的な要素も含まれているような。



なるほど。


高品質のハードボイルドなのです。




今日の詩人の箴言


国破れて山河在り


by 杜甫