- ションヤンの酒家 [DVD]/タオ・ホン,タオ・ザール
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昨日の作品では
イスラエルの食堂の女主人が
キーパーソンとして姿を現した。
今回は、中国重慶にて
料理屋を営む女主人の物語。
包丁が、まな板を叩く。
鍋の中で、炒め上がる野菜。
せわしない調理人、押し寄せる常連客。
ひしめき合い、軒を連ねる屋台。
夜の暗がりに、ネオンが皓々と灯る。
雑多な喧噪の中
「鴨の首」を名物料理にしている食堂。
若き女主人ションヤンの酒家がある。
異彩を放つかのように
艶めかしく化粧をほどこして
煌びやかに装飾品を身につけている。
まさしく妖艶な感じ。
鴨料理の仕込みも、店の切り盛りも
凛々しく、時には、雄々しくこなしている。
一転して、家族はというと。
新しく家庭を持った父。
妻に頭の上がらない兄。
麻薬更生施設で治療を受ける弟。
すべてを、背負い込む形に。
さらに加えて近代化による
自分の酒家の土地買収の話。
市井に生きる
女主人の日常の陰影を
フラットな視点で描いたアジアン映画。
今日の音楽の箴言
夜は引き裂かれ ぼくは静寂の音に触れる。
by ポール・サイモン