「私も・・・行きたくないよ」
だけど。
行かないでなんて言われても。
私だって、辛いのに。
蒸し返されても。
すると、その時――――――
トントン。
ドアのノック音が響いた。
「・・・・・・――――っぁ、綾・・・・・?」
どうやらノックの主は寿々だったようで、
「は・・・はいっ」
必死で涙声を取りつくろって、立ちあがろうとした、その時。
輝が私の浴衣の帯をぐいっと引っ張った。
ゆるめに巻かれていた帯は私の腰からするりと抜け、足元に落ちる。
そのあと何が起きるかと言えば、私の浴衣はただの羽織りもののようになってしまうことだ。
当然、浴衣の下は下着一枚・・・・。
「こ、輝!?」
隠そうにも、輝が力の限り私を抱きしめているので隠せない。
「・・・・こうすれば、お前は出れないだろ」
「す、寿々だから平気だよ!」
「・・・・・他の男に裸晒したら許さないよ?」
・・・・・・
輝らしくない、殺気を孕んだ声。
「・・・・・・・・で、でも・・・・出ないと・・・」
「・・・・・・・・出るな。・・・・・今はこのままで・・・・」
輝が、いちだんと強く私を抱きしめる。
もう背骨や肋骨がぎしぎしと軋むほどに抱きしめられているのに。
「・・・っこ、輝・・・・」
「・・・じゃあ、お前は俺以外の男に裸晒す気なのか」
「そ、そんなんじゃ・・・!!!」
「じゃあ、抱きしめろ」
「・・・へっ・・・?」
「・・・・・・・・抱きしめろって、言ってんだよ・・・」
・・・・・・・・さっきの殺気を孕んだ声とは裏腹に、潤みきった声。
「・・・・・・はい・・・・っ」
私の胸元と、輝の顔がぴたりと密着した。
「・・・・・な・・・ぁ、綾・・・・」
「うん・・・・・」
「・・・・・・・・離れたら、終わっちまうのか・・な・・・・?」
「・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・終わらないよな、俺たち・・・・?」
「・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・なぁ、綾―――――」
私は我慢できなくなって、輝の顔をぐいっと持ち上げた。
驚いたような輝の表情が、滲んだ視界のむこうに見えた。
「・・・・・・・わ、私は・・・・・」
「・・・・・」
「私は、終わりたくない・・・・・!!
絶対に、嫌だ・・・・
どんなに離れても、輝といっしょがいい・・・・!!!!ずっと、輝が好きでいたい――――」
半裸の上半身が、床の畳に叩きつけられた。
「・・・・・・弱音はいて、悪かった」
おどろいて輝の目をじっと見つめた。
「・・・・・・お前の事、絶対に覚えておきたいから」
「・・・・・・・・抱かせて、ください――――」
***
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最後までご閲覧くださりありがとうございました!
次回、少々性描写が含まれますので、
苦手な方に不快な思いをさせてしまうかもしれません。
私もあまり過激な文章、生々しい文章は控えたいと思っておりますので(官能小説ではないので・・・)、
次回、よろしければ読んで頂きたいと思います。
よろしくお願い致します。
愛咲