デスティニー 【第1章 3話】 | 『デスティニー』 ~運命の物語~ 

『デスティニー』 ~運命の物語~ 

『デスティニー』という小説を書いています。
どうぞ御気軽にご覧下さい♪

2014/12/01
多忙でしたがやっと余裕ができました!
まだ忙しい生活が続きますが
休み休み更新していけたらと思います!
忘れ去られているとは思いますが
またよろしくお願いします♪

「え――――・・・これから――あ・・・第一ぃ回のぉ―――あ―――組体操のぉ――――・・・・・」

「はっっっなし・・・・なげーんだよ!!!!!!!!!!!!」


・・・・・・・と、叫んでしまいたい。

「・・・・・速水」

「ひぁっ!?」

「・・・・・ちょ、声でけーよ」

てゆーか、先生が話してるときに話しかけてくる輝も、だいぶ態度デカイと思うんだけど。

「・・・・何?」

「お前、思いっきり嫌な顔してんぞ・・・」

「・・・・・へっ!?」

驚いて、頬をぺちんぺちん、と叩いた。

「・・・・・・お、直ったんじゃね」

・・・・・

なんなんだろう、この人は。

なんか、女子の萌えツボ知ってるって言うか。

裏があるっていうか。

なんか、『今日恋』の椿くんみたいに、仲のいい優斗や拓と、賭けしてそーな。

・・・・・・そう、思われても仕方ない態度とってくるから、憎めないっていうか。

「・・・・・・輝って、誰が好きなの・・・?」

「は?なんつった?」

「・・・・・・・・・い、いやいやいや・・・なんでもないっ」

恥ずかしくてうつむくと、なんか、とってもあったかい気持ちになった。

・・・・・・なんでか、輝といると・・・あったかい。

暑いけど・・・・・輝といるときだけ、救われるような。

・・・・・・・・・・・なんで、だろうか。

***

「ねえ?今日って合奏?」

「・・・・・」

「・・・・・・・綾さん」

「・・・・んん!?・・・っ?」

不思議と私の目は、練習部屋の大きな窓から見える、陸上部の輝を見ていた。

「・・・・だれ見てたの?」

「・・・いやっ?誰でもないっ!」

私はそそくさと寿々からはなれて、私のパートの練習部屋に移動しようとした。

すると、寿々が、

「輝とか―――あ?」

・・・・・・・・・・・・・・・な・・・・・・・・?!

私は、寿々を上からペシャンコにする勢いで、寿々に飛びかかった。

「もう、誰もいないとこでうーっとり風景眺めてるなんてシチュエーション、ないからね?」

「んー、それにっ」

「あ、亜衣・・・!?」

「「今日の綾、な―――んかおっかしいよねぇ?」」

少しずれながらも、二人は同じカオで私をずいっと見る。

「・・・・・・・・い、いやっ・・・!ち、がうし・・・っ!!!!そ、それに私、輝のこと見てるなんてひとっことも――――「「いや~?」」」

「・・・・・・・・・・・・えっ・・・」

「その噛みようは、ズバリずぼぉし!」

やけにムカつく言い方しやがる・・・

「・・・・・だ、だから違うってば・・・!!!!!!」

私はこんどこそ、だーっと出口まで走って、上履きも履かずに練習部屋を移動した。

ドアを閉める前に、あの二人が来てないのを確認して、鍵を閉めて。

カーテンを閉めて、窓の前の棚に乗っかって、食い入るように校庭を見つめた。

・・・・・・輝、・・・いた。

・・・・・・・・・・・・・・・・なんでかな。

・・・・・・・・・・・・・・・・なんで、こんなにも、

あなたが、気になるのかな・・・・・

するとその時、がたり、とドアが揺れる音がした。

・・・・・・・・・まさか・・・?

私はこそっとカーテンから出て、鍵を開けてドアから廊下をのぞいた。

すると、体育館につながる渡り廊下のど真ん中で、あわてふためいている二人を見つけた。

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ふたりとも・・・・」

「・・・・・・・・・ご、っごめんね~!?ちょおおおおおおおおおおおっと、寿々がね~!?」

「はぁ!?なんで私のせい!?」

「・・・・・・・・・・もういいや」

この二人には、ばれたってしょうがないって思ってたし。

「・・・・・・好きなんだね、輝が」

「・・・・・・・は!?」

「ばればれだよ」

「だ、だから・・・!なんで輝だって断言できるの――――――」

「だってー」

「え・・・!?」

「だって、今日寿々が輝と喋ってるとき、すっごい嫉妬の目で見てたもんねっ?」

「・・・・え?!」

「あの時は気付かないふりしてたけど、亜衣ったらバリバリ気付いてたってさ♪」

「・・・・そ、そんなっ・・・・・!!」

「それに、さっき見てたのも、視線無防備すぎだよ?輝一直線だったもんね☆」

「・・・・・・・・・・・・・・・っ、そ 、違、ッ・・・・・・・!!!!」

「そーれーにー?」

「な、まだあるの・・・!?」

「・・・・・・だって、組体操の練習の時、綾ったら輝のことみつめっぱなしだもん♪」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・はっ・・・?」

「自然と目がいっちゃってたんだねぇ♪」

「ま、応援はしないけど、面白いからさっ!」

「・・・・・・・・な、そんだけの人たちに、っ・・・・・言われたくない・・・っっ!!!!!!!!!」

私は、それはさすがにひどすぎると思った。

そんな、面白がるだけの人たちに、教えたくなんかないと本気で思った。

私は、無我夢中で階段を駆け上って3階の1組、2年1組の教室から、鞄とリュックを持ってきた。

そしたら、後ろから上がってくる音。

やばい。

私は、机をずらすのもおかまいなしに、急いで教室から出て、中央階段から昇降口目指して駆け下りた。

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・っ・・・・、っ・・・・!!!!!!!」

自然に、目から涙が毀れていた。

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・な、なんで涙が・・・ッ・・・!!!」

一階まで駆け下りると、降りたところに置いてあるボードの裏に身を隠した。

そこで、息をととのえていたら、・・・・・自然に、涙が溢れてきた。

「・・・・・・・・・・っ、は・・・・っ!!・・・・・・・」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ひっ・・・・・・・・くっ・・・・・」

大声で泣きたかった。

・・・・・一番悔しかったのは・・・、

私は、勝手に、二人が応援してくれるんだと思ってた。

なのに、二人が面白がってるって知った時の、ダメージ。

・・・・・・すごい、悔しくて、悲しくて、・・・・・・・・・・辛かった。

***

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