デスティニー 【第1章 2話】 | 『デスティニー』 ~運命の物語~ 

『デスティニー』 ~運命の物語~ 

『デスティニー』という小説を書いています。
どうぞ御気軽にご覧下さい♪

2014/12/01
多忙でしたがやっと余裕ができました!
まだ忙しい生活が続きますが
休み休み更新していけたらと思います!
忘れ去られているとは思いますが
またよろしくお願いします♪

・・・・

なんか、もやもやもやもや・・・・

あっついし、・・・・

なんでだろうか。

・・・・そういえば、組体操ってどんな並び順なのかな・・・

輝は、・・・輝は、・・・・どこなのかな・・・・

・・・・・・・・・・・・私はどこだろう?

――――あーーやっ!!!

「・・・・」

――――――あや―――――!?!?!?!

・・・・・・・・・・

「・・・・・・・・・・・あっ!?ご、ごめんなさい!!」

「・・・・い、いや別にいいんだけど・・・業間なのに音楽室行かない綾って、珍しいなって」

「え?なんで?・・・あ、寿々と亜衣が行くなら行くっっ!!」

「いや・・・ん?寿々いないね。行ってみようか?」

「うん?」

・・・・寿々がいない。

・・・っていうのも珍しいな。・・・トイレとか?

「トイレには・・・・いない?上履きちがうしね」

「・・・んー・・・・って・・・あーあ」

「『あーあ』って・・・・・・・――――あららら」

私たちが見ているのは、まるで昨日の続きをしているのかのように、にらみ合いをする輝と寿々。

「・・・・・馬鹿じゃないの?あの二人・・・」

私が呆れたように言う。

「・・・ま、お互い意地っ張りって言ってあげたら?」

「・・・・まぁ言えてるけど」

「どうする?ほっとく?」

「・・・・・ん」

「・・・何、どしたの」

私は、なんとなく寿々と輝を見て、嫉妬してしまった。

なんでだかは、分かんなかったけど。

「・・・・どしたの!?」

「・・・・あ、ごめんごめん・・・!私、トイレ行くから・・・!」

「・・・?うん」

亜衣からそそくさと離れて、トイレに急ぎ足で入った。

「・・・・・」

水道台に取り付けられた鏡に映る、自分の顔を見つめた。

・・・・

なんか、今までの顔と、ちがう。

可愛くなったとか、そういうんじゃなくって。

・・・・

なんか、・・・・・あの人に恋をしていた、小学4年生の時の顔に戻ったような。

「・・・・なに、思っちゃってんだろう」

なんか、5,6時間目の組体操の時間が、ちょっぴり憂鬱に思えた。

***

「・・・・綾、帽子いらないんだよ?それに、靴下脱いで、水筒とタオルもってけって先生が・・・・って綾!?」

「・・・・・・・!!あ、はい!!?ああっ、全然違うカッコ・・・!ありがとう寿々!」

「・・・・なんか、今日の綾おかしいよね?」

「・・・うん。寿々もそう思う?」

「うん。・・・いや、あれはあの漫画のことじゃないよ、きっと・・・」

「亜衣もそう思うか・・・んー・・・・」

「「恋しちゃったとか!?!?!?!」」

「・・・・・・・(笑)!!」

「んー、ありうるけど・・・ある?てか誰?」

「んんー・・・・綾と特別接点のある男子って言ったら・・・・」

「同じ委員会の・・・・」

「玲?・・・あれはないでしょ」

「んじゃあ隣の」

「・・・・・・・・・・・・・村重って」

「「ないよなぁ・・・」」

「ど、どうしたの二人とも!?なんで行かないの!?先生に怒られるよ!?」

「綾待ってたんだよ!!!」

「あえ、あ、あ、ありがっととう・・・」

・・・・噛んだとたん、二人の目がキラリと光った気がした。

***

しょっぱなから校庭とか無いわぁ・・・・

と思いながら、靴を脱いだ。

ソーラン節とか、おととしからやってる組体操で慣れたせいか、そんなに痛みは感じなかった。

それに、今日は一人技と並び順くらいらしいし、まぁ平気だろ。

「・・・・はぁ、これ何の並び順だろ・・・・」

寿々は前のほう、亜衣は中くらいの上くらいだし・・・

すごく仲がいい人って、あんまり周りにいないもんだなぁ。

ま、前の子、好乃とは普通に仲いいんだけど。

「・・・・・はぁ。」

5.6時間目に体育っていうのは、私的にかなりキツイ。

昼休みと掃除、あわせて40分くらいしか経ってないのに、食べ物が消化されるわけない。

すると、なんかいきなり後ろからパンチが来た。

ごんっ。

「いったああ~・・・・誰!?」

いつもの癖で、ついガッつき気味に振り向いてしまった。

・・・・・・・・・・・・・・あ。

この反応で、誰かわかった人は・・・・いるかな・・・

「・・・・・・・・・・・・・・・なんだ、輝か」

「意外だな」

「は!?」

「お前って、殴ったら泣きそうなタイプかと」

「ええ!?そんな風に見える!?」

「いや、見えたから言ったんじゃん」

「・・・・・そうかあ・・・」

今のはかなり傷つく。

私にとって、人前で泣くなんてのは、プライドを1000000あるうちの100000.5くらい削られたっておかしくないことなのに。

「ま、お前って完璧主義者っぽいとこあるもんな」

「んー・・・そう?まぁ言われなくもないんだけど」

「てかお前さ、なんで水瀬と仲いいの?」

これは結構驚いた。

いきなりそんな質問されても。

「・・・・ん~・・・・・・・・?なんでって言われてもなぁ・・・なんとなく?」

「なんとなくって」

「・・・・いや、本当に。そこまで深い理由があるわけでもないし・・・」

「・・・・・・・・ま、・・・・そんなもんだよな」

・・・・?

そう、呟くように言った輝の言葉は、どこか裏があるようで、気にならなくもなかった。

すると、ピーっと、先生の笛が鳴った。

「集合ーっ!!!」

「「「「...はいっ!!!...」」」

校庭の中心に、裸足で駆けだしたとき。

私の本当の夏は、始まろうとしていたのだった。

***

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