こんにちは、ビズです。
カナダの長女と二女が戻り、パリ郊外の家に、家族5人が勢ぞろいしています。
ビズネア家では、25日がクリスマスディナーなので、明日は、恒例だったシャポン(虚勢鳥)の丸焼きや、皆の大好きなお料理やお菓子を作り、揃ってお祝いをするのです。
一人になってから初めてのノエルだった去年は、まだ元ダーリンとの間もぎこちなくて、イギリス西部のアダムのご実家にお邪魔しました。
今年も、そちらに合流するつもりだったのですが、元ダーリンが、”家族である事に変わりはないから、一緒に過ごそう。”と、呼んでくれたのです。
彼も、この一年で、いろいろな経験をして、大きな一歩を踏み出したようです。
もう夫婦に戻る事はないと思うけれど、誰よりも分かり合っているだけに、それぞれが、お互いの人生の応援団長という感じです。
離婚後のこの一年の間に、家族の絆がぐんと深まったと感じます。
娘達も、”家の家族、やばいよ! みんな、最高なんだもん!”なんて言ってくれるようになりました。
20年の結婚生活の最後の一年は、とても穏やかなものでした。
”あなたは、もう変わらなくてもいい。”
と、心底思えた瞬間から、2人の関係がガラリと変わったのです。
せっかく仲良くなったのに、何故、離れようという思いが突き上げてきたのか、あの時は、頭での理解はできなかったけれど。
今日は、家族のリクエストもあって、明日の食材の買出しやらお掃除の合間に、ブラームスの間奏曲を弾いています。
もともと上手くもない上、指が見事に錆付いているけれど、鍵盤に触っていると心が満たされます。やっぱり、私にとって、ピアノは大事な友達なんだな・・と、再確認。
さまざまなピアニストの演奏を聴きましたが、私はグールドのが一番好きです
実は、昨日、12月23日は、私にとって思い入れのある日でした。
数年前に他界した元ダーリンのお父さんの誕生日でもあり、最愛の父の命日でもあるのです。
優しくてひょうきんで、人助けを生き甲斐としているような父でした。
発作で倒れて危篤状態だと知らせを受けた時、暮れで満席だった日本行きのフライトに、丁度、家族5人分のキャンセルが出て、文字通り、飛んで帰りました。
翌日の夜中に病院に駆けつけ、娘達と共に、”待ってくれてありがとう。”と声をかけ、付き添った晩。
意識はなかったけれど、
”あなたの娘で良かったです。ありがとう。”
と、話しかけたら、父の目から、す~っと、一筋の涙が流れました。私の声が聞えていたのだと信じます。
そして、そのすぐ後、息を引き取りました。
一緒につきそっていた従姉妹が、”一瞬だけ留守にするけど、その後はずっと仕事を休んできたからね。”と、外出していたほんの2時間、私が一人で付き添っている間に、看取らせてくれたのです。
歌って踊れる人でした(笑)
時代が違えば、ジャニーズ入れたかも
大好きな父に会えなくなってしまった悲しみにくれていた私に、怒涛のようなシンクロが起き始めました。子供の頃から、いろいろ感じていたし、当時、既に”氣圧法”をしていたので、目に見えない物の存在は信じていたけれど、確実に、何物かの力が働いている事、そして、父の魂が傍にいると感じる体験を沢山しました。
フランスに戻ってから、数ヶ月経ったある日。
素晴らしいピアニストでもある友人、Mさんが、自分の演奏会のリハーサルに来ない?と、誘ってくれました。小さいお子さんがいて、どうしても当日のコンサートに参加できない共通の友人宅で、お披露目してくれたのです。
魂を揺さぶる演奏に、全員の目がハート型になっている中、彼女は、次の曲の説明を始めました。
”敦子さんのお父様の訃報を聴いて以来、ずっと頭から離れなかった曲があります。
それを、コンサートの演目に入れました。”
ちなみに、彼女は、私の父に会った事すらありません。
そして、弾き始めた曲が・・・このブラームスの間奏曲でした。
最初のフレーズが耳に入った時、あまりの驚きで、椅子から転げ落ちそうになりました。
長い間、題名を知りたいと、恋焦がれていた曲だったのです。
瞑想のCDにBGMとして入っているのを聴いて、心を奪われてしまったのでした。
でも、既存の曲なのか、そうでないのかも知らなかったので、どうやって捜してよいのかも分からずにいたのです。
”父だな・・・”と。
この曲は、きちんと弾けるようにしよう!と、心に決めました。
すぐ譜面を買ってきて、譜読みをしてみて初めて、これは、私のレベルの人には、
”簡単そうに聞こえるけど、実は、とっても難しい。”
類の曲であると氣がつきました。
でも、弾きたい! 弾かねば! 弾く!
と、覚悟を決めて。
それから、何週間も、家事を忘れて、夢中で練習しました。
娘達も、私がそういう領域に入ると、止めようがないのを知っているので、自分たちでピザとかパスタを食べていてくれて。
きっと、彼女達も、元ダーリンも、この曲が好きだったんでしょうね。
繰り返し繰り返し、弾き続けても喜んで聴いていましたから。
そして、ある日、またいつものように、この曲を弾く私のところに、元ダーリンがやって来ました。
Wow... You are GOOD!
目には涙が浮かんでいる。
ピアノのコンクールなどを見ていても、最初から優勝者を当ててしまうくらいの耳の持ち主の彼の、この一言は、本当に嬉しくて。 演奏は、技術が全てではないのですね。
この曲を弾くたび、大好きだった父の思い出が鮮明に甦り、彼の暖かい存在を感じます。
今も、傍にいてくれているみたい。
新たな人生を歩き出した娘を、あちらから、一生懸命、応援してくれているのでしょう。
Have a very merry Xmas!!
今日も幸せ~。
いつもありがとうございます。
ビズ