「百鳳山からの招待状②」と並行して考えてたヤツが、やっとできた…。
なんで…。
こんなものを書いたのか。
私の頭は疲れているのか…。
そう思わないでもない
(ΦωΦ)フフフ…
いきなりイメージ画像を入れるとネタバレするので、お気に入りのこれを使ってみる(笑)
『今はまだ、夢の途中。』
魏無羨はごくりと唾を飲み込んだ。
隣りに座る藍忘機は無言のまま、いつものように鉄面皮を保っている。
「えっと……それって、要するに……」
「私はあなたの息子です」
藍思追より、ほんの少し年若く見える少年は、一言告げると深々と頭を下げた。
「いやいやいやいや、ちょっと待て。莫玄羽はどうか知らないが、前世の俺は……」
「未経験だ」
少年を案内してきた藍思追が、藍忘機のその言葉にぐっと喉をつまらせる。吹き出そうとして、とっさに自制心で思いを飲み込んだとでも言わんばかりに。
「藍湛……お前……そんな清純そうな綺麗な顔で、はっきり言うなよ」
「事実ではなかったのか」
「いや……だから」
ほとほと困り果てた魏無羨は、静室の天井を見上げた。
「聞くのもばかばかしいが、証拠はあるのか」
「もちろんです」
その問いを待ってましたと言わんばかりに、少年はずいっと膝を前に進め、両手で剣を掲げてみせた。
「これが証拠です」
……その剣を見た魏無羨の表情が固まる。
それはまさしく、自分の剣「随便」だったからだ。
「そうです。あなたの剣『随便』です。私はこれを抜剣してみせます」
そう宣言して少年は、鞘と柄を両手で握り締めた。
画像引用元:©Shenzhen Tencent Computer Systems Co.,Ltd.
「……『しばらく旅に出ます。捜さないでください』……」
手紙を読み上げ、魏無羨はため息をついた。
「おい、藍湛……。とうとう、思追は静室に来ることすらしなくなったぞ」
「思追は藍先生のおつかいで出掛けてるだけだよ、魏先輩」
藍思追の代理として静室を訪れていた藍景儀が、不思議そうに首を傾げる。藍思追から手渡された二人宛の手紙に記された、「捜さないでください」の意味が分かりかねたからだ。
「そういや、景儀。お前は一緒に行かなかったのか。いつも思追と一緒なんだとばかり……」
「今回は、温おじさんと一緒に行くからってさ。俺だって、いつもいつも思追と一緒なわけじゃないよ」
「温寧と一緒に?」
藍啓仁の「つかい」なら、なおさらのこと……。
藍思追が藍景儀とではなく、温寧と一緒に旅立ったことに、魏無羨は違和感を覚えた。
「それよりも含光君。ひとつ質問してもいいですか」
「何だ」
「なぜ、ご自分で『問霊』をなさらないんですか」
相も変らぬ直球勝負な藍景儀を色素の薄い瞳で見つめながら、藍忘機がふっと軽く口角を上げる。
「……『忘機琴』の機嫌は直ってるんですよね?」
「その問いには俺が答えよう、景儀」
「……」
明らかに不審そうな表情で見つめる藍景儀の視線を受け止めながら、魏無羨は得意げに宣言した。
「あいつらには、あいつらの世界なりの繋がりがある」
「はぁあ?」
「俺と藍湛の仲が良いように、宝器たちにも親交があるってことだ」
言いながら、魏無羨は順々に宝器たちを指さした。
まずは、藍忘機の「七弦古琴・忘機」、そして「避塵」。さらに自分の腰帯に差した「陳情」に手を触れたところで、魏無羨が焦ったように目を見開いた。
「藍湛! そういや、肝心の『随便』はどこだ!?」
大事な主役の不在に、今さらながら気がついた魏無羨を見る藍景儀の表情からは、すでに「敬意」というものが失われていた。
画像引用元:©Shenzhen Tencent Computer Systems Co.,Ltd.
たまには景儀(笑)
「私は……捨てられたのです」
悲しげに少年は呟いた。
「そんなことはないよ。魏先輩は、きっと君のことを大切に思って……」
我ながら嘘くさいと思いながら、藍思追が少年の手をとる。
「思追……」
雲夢にほど近い町の旅籠の一室で、眠りに落ちていた藍思追は、低く囁く声で目を覚ました。薄暗い視界の中で、薄暗い気配を漂わせた温寧が顔を覗き込んでいる。
「また夢を見てました」
「『随便』かい? 少し……うなされていたようだったけれど……」
卓の上に置かれた「随便」に視線を移し、再び、二人で顔を見合わせる。
あの日から毎晩こうだ……。
「……魏先輩は君を捨てたわけではないと思うよ」
藍思追の夢の中で『随便』が延々と無常を説き続ける。
「……私は捨てられたのです」
「いや、だから……」
まるで無限のループだった。
「だいたいさ、随便……君、魏先輩を『父さま』と呼ぶけれど、実際君の方が年……んぐっ」
年上なのでは……と言いかけたところで、とっさに鞘でみぞおちをどつかれ、藍思追が息をつまらせる。
夢の中の「随便」は確かに少年の姿をし、何となく藍思追に懐かしさを抱かせていた。
だが、その懐かしさの原因が何なのかが、藍思追にはわからない。
もしも温寧がその夢を一緒に見ていたなら、こう言っただろう。
“本当の魏公子の面影を宿しているからでは?” と……。
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私の中での江澄画像・ナンバーワン(笑)
「…………で?」
不機嫌そうにその男は聞き返した。
蓮の花弁が彫られた宗主の椅子に座り、眉間に皺を寄せたまま、ひじ掛けをとんとんと指で二度叩く。
「そういうわけで、江宗主にこの『随便』を預けに参りました」
膝をつき、馬鹿丁寧に恭しく、藍思追は「随便」を両手で差し出した。
「藍公子……藍思追。君は確か、姑蘇藍氏の子弟の中でも特に優秀だと聞いていたのだが……」
「とんでもないことです」
「自分で何を言ってるのか、理解しているのか?」
「父親に捨てられたとうるさ……いえ、嘆いている甥御を預かっていただけませんか、と言ったつもりなのですが……」
ふざける様子もなく、真顔で言ってのける藍思追をじっと見つめたまま、江澄はふっと静かに息を吐きだした。
「魏無羨は知っているのか?」
「いいえ。ありえないこととは思いますが、もしかしたら、『随便』が無くなっていることにすら、まだ気がついていないかもしれません」
「……そうなのか?」
「魏先輩の性格については、江宗主の方がよくおわかりなのではないでしょうか」
藍思追には、魏無羨に捨てられたと嘆く「随便」の気持ちもわからないではなかった。
だが、それなりの霊力を持つ「随便」を扱うには、それなりの気力が必要になる。莫玄羽の体では、それが全く足りないのだ。
よって放り出される形になった彼をただ、静室の片隅で眠らせておくくらいなら、魏無羨以外に唯一「随便」を抜剣できるという江宗主に預けた方がいいのではないか……。
そう考えた結果、藍思追は「随便」を誘拐してきたのだった。
「藍公子……」
「はい、なんでしょう」
「……姑蘇藍氏は、平和だな」
褒めているのか、けなしているのかわからぬていで、雲夢江氏宗主、江澄は藍思追の手から「随便」をとり、静かに持ち上げ、剣を鞘から抜き出した。
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「藍湛」
「何事」
「……どうしたらいい」
いつもその場所にあることすら認識していないというのに、無くなったと知ったとたんに動揺し始めた魏無羨を眺めながら、藍忘機はついっと茶碗を唇に寄せた。
「何がだ」
「何がって、『随便』だよ『随便』。愛すべき俺の息子だ」
妙な夢を見て『問霊』させようと藍思追を呼び出してみれば、いつの間にか、その「随便」自体が行方知れずになっている。
ゆゆしき事態にもかかわらず、落ち着き払った藍忘機は、茶をこくりと飲み込んだ。
「……なら聞くが、魏嬰」
「何」
「使うのか」
「…………」
藍忘機の一言に、しばし魏無羨の動きが止まった。まぶたをぱちくりさせながら、何かを考えるように首を傾げる。
「さすがだな、藍湛。俺を絶句させるとは。言われてみれば、その通りだ。使うにしても、お前の避塵があれば、十分だ」
「……恥知らず」
うんうんとうなづきながら、焦ることをやめた魏無羨が、ゆっくりと藍忘機に近づき、背中越しに腕を回して絡みつき始める。
「どちらにせよ、一人で動けるわけでもないのだから、誰かが持ち出したのだろう」
「……ってことは、思追しかいないな」
「そういうことだ」
言いながら、いそいそと抹額をほどきにかかる魏無羨の手を不意にぐいっとつかみ取り、藍忘機はその身を翻した。
恐ろしいほど、適当に拾い集めるイメージ画像(笑)
「帰りましょう! 寧叔父さん」
「…『随便』は本当に置いていくのかい」
雲夢まで同行したのはよいものの、さすがに蓮花塢にまでは入れず、埠頭で藍思追を待っていた恩寧が無表情なまま、切り出した。
「たまには気分転換も必要だと思います。そのうち……魏先輩が気がついて、迎えに行くでしょう」
「……阿苑。君……」
実際のところ……。
魏無羨が「随便」の行く先に気づけるのか、藍思追にも自信はなかった。
(たまには、私だって……)
すぐに真相を暴露してしまうだろう、藍景儀を連れてこなかったのはそのためだ。
「きっと……『随便』だって、雲深不知処のほうが蓮花塢よりいいって、そのうち気づくはずです」
「……何故?」
「あの自由気ままな『随便』が、江宗主の『三毒』や『紫電』と上手くやっていけると思いますか」
その雲深不知処で今、何が語られ、何が行われているのか……。
経験値の足りない藍思追には、知りようもない。
<終>
三部作が、四部作になった(笑)
くだらないと思いつつも…。
「どうせ俺はくだらない」と言った魏嬰のように、開き直りで書いている
(ΦωΦ)フフフ…
Ⅰ
Ⅱ
Ⅲ
実は…。
これの他にまだ、番外編的「剣たちの物語」もあるのだけれど…。
導入部分だけを先月か先々月からずっと持ち越してきている。
多分、もう続きを書くことがないだろうと思われるので…。
【おまけ】
『いつかまた、逢う日のために。』
薄暗いその部屋は、その夜、ざわめきに満ちていた。
雑魚寝といった状態で、体と体が触れあった途端に、驚き恥じらうように互いに身を捩り、距離を取る。
「私は今まで、こんな固い床の上で寝たことなどないのだ」
最初にため息をついたのは、金子軒の剣・歳華だった。
「温室育ちは大変だな。俺はどこででも寝られるけど」
「お前は黙ってろ。まるで蓮花塢が野放図みたいに聞こえるじゃないか」
「私も……意外にいけます。なにせ、いつも部屋に放っておかれてますので……」
「…………」
岐山温氏の訓学にて温晁に奪い取られた剣たちは今、薄暗い部屋の中に閉じ込められていた。
【おまけ終了】
ここには五本の剣(一部、刀)が出てきている。
金子軒の「歳華」以外、どれがどの剣の台詞か説明を入れていないけれど、多分『陳情令/魔道祖師』が好きな人はすぐに、わかると思うのよね。
こんな…。
くだらないことばかり考えてるってわけよ…。
相当…。
暇だと思われてるんだろうな
( ̄∇ ̄;)ハッハッハ
実際は毎日毎日、鉄板で焼かれてる気分よ。