【立夏(りっか)】
夏の兆しが見え始める頃。初夏。
立夏に入る日(2024年は5/5)を指す場合と、立夏から次の節気〝小満(しょうまん)〟の前日までの期間(5/5~5/19)を指す場合とがある。
『立』は中国語で〝始まり〟を表す。文字どおり立夏は夏の始まりを表す言葉。
立夏の時季は晴れて暖かく過ごしやすい日が多くなる。この時季に吹く爽やかな風を〝薫風(くんぷう)〟と呼び、初夏の季語として用いられる。





《立夏にまつわるあれこれ》

・豊作を願うお祭りが行われる
立夏は梅雨入り前であり田植えが始まる時季にも当たる。中でも代表的なのが〝御田植神事〟というものなのだそう。

・こどもの日
鯉のぼりや兜、五月人形などを飾ることで子供の健やかな成長を願う。
5/5の〝こどもの日〟を以前は『端午(たんご)の節句』と呼ばれていたものの、男女の差別なく子供の幸せを願うというところから〝こどもの日〟と呼ぶようになったのだそう。
鯉のぼりは鯉が滝を昇って龍になるという逸話にちなんで男児の立身出世を願うという意味が込められている。
また、昔は季節の変わり目にあたる端午の節句に厄除けの行事が行われていて、その厄除けに飾られていたのが〝菖蒲〟だったことから菖蒲湯に浸かる風習が生まれたのだそう。
世の中の風潮が武家社会へと変化していくうち〝菖蒲〟と〝尚武〟を かけて将軍の男児の誕生を祝うようになり、後に一般の人々にも広まったとされている。
※尚武
武事や軍事を尊ぶこと

・端午の節句に柏餅を食す(とくに東日本)
柏は新しい芽が出るまで古い葉が落ちない特徴があることから、新しい芽を子供、古い葉を親と見立てて〝子孫繁栄〟の縁起物として用いられる。
そのほか、西日本では災厄疫病から逃れることができるとされる粽(ちまき)を食べる風習もあるのだとか。





《立夏の時季に旬を迎えるもの》

筍、春キャベツ、新じゃが、新ごぼう、にんじん、玉ねぎ、空豆(※)、さやえんどう、さやいんげん、アスパラガス、うど、ふき、らっきょう、ニラ、鰹、かじき、桜鯛、黒鯛、真鯛、金目鯛、あなご、あおりいか、あさり、びわ、いちご、メロン etc.





《各地の代表的な行事》

🔘5月の第3週の(金)(土)(日)に開催される
【浅草  三社祭】

🔘5/11~10/15 岐阜 長良川の鵜飼い
1300年前の奈良時代から続き、国の重要無形民俗文化財に登録されている。
長良川の鵜匠は宮内庁に勤める国家公務員で、獲れた鮎は宮内庁へ献上されるのだそう。

🔘5/15 京都 葵祭
欽明天皇の在位中に凶作に見舞われたり、飢餓や疫病が流行したため祭礼をしたのが始まり。五穀豊穣を祈願するもの。下鴨神社、上賀茂神社にて行われる。





今回は二十四節気【立夏(りっか)】についてご紹介しました。
立夏は新緑が美しく、日々その色が濃くなっていくのを目の当たりにする時季です。
爽やかな草木からみなぎる瑞々しいエネルギーをたっぷり受けて薫風を感じつつ、夏本番に向けて英気を養いたいところです。