【枸杞(くこ)の実】
生薬名:枸杞子(くこし)
東洋医学的特徴 ①甘味 ②平性

🔘効能
・滋養強壮
・アンチエイジング 
・美容、美肌効果(楊貴妃の美の秘訣とされていた)
・疲労回復
・気を補う
・肝腎を補う
・肺を潤す
・肺の余熱を取り咳や喉の痛みを緩和する
・目の健康を維持する
・降圧作用(枸杞子の水抽出物による)
・糖尿病の症状の改善(※)
※①血糖値を下げる、②糖耐性を改善する、③インスリン抵抗性を軽減する、④インスリン産生に役立つ細胞の改善と回復 が挙げられるとのこと。





《枸杞の実 あれこれ》

☑滋養に富み疲労回復を助ける薬膳食材。
東洋医学における〝腎〟の不調の症状である耳鳴り・めまい・足腰に力が入らない・精力減退などの改善に有効。
そのほか、眼精疲労・視力低下・ 涙目など目のトラブルにもオススメ。


 ☑補陰薬(潤いを補う生薬)に分類される。
東洋医学における肝・肺・腎の陰分を補う。
目の諸症状、慢性的な空咳、婦人科系の不調、消渇(糖尿病による喉の渇き)の解消などに用いられる。


☑2000年以上前に書かれたとされる東洋医学を学ぶ上で必須の薬学書の古典〝神農本草経(しんのうほんぞうきょう)〟には《上品薬(じょうほんやく)》として紹介されているのだそう。
上品とは不老長寿のことで、身体を養い副作用がない薬として毎日食すべき薬を指すのだとか。


☑抗酸化ビタミンA・C・E・クコ多糖類(※LBP) が豊富であり、免疫の活性化やアンチエイジングに効果的。
そのほか、ビタミンB1・B2・鉄・銅・カリウム・カルシウム・亜鉛・βカロテン・ベタイン(※1)・ポリフェノール・ゼアキサンチン(※2)・セレン・アスパラギン酸・アルギニン酸・グルタミン酸なども含有。

※クコ多糖類(LBP)
脂質の過酸化を抑え肝臓の酵素を活性化する作用を持つ。また、細胞の免疫力を高めてがん細胞の増殖を抑制する効果も持っている。
研究によりマウスの平均寿命を伸ばすことが確認されている。
※1ベタイン
アミノ酸の一種。食べ過ぎや運動不足などにより甘った糖質や脂質が中性脂肪に変わり肝臓に蓄積するのを抑える抗脂肪肝作用を持つ。
※2ゼアキサンチン
強力な抗酸化物質。 煙や放射線などから細胞が破壊されるのを防ぐ効果があるといわれている。
人の体内ではルテインとともに目の黄斑部に存在しているため、黄斑変性症や白内障の予防などの効果が期待できる。こういった効果が得られることから〝食べる目薬〟とも称される。


☑東洋医学において生命力の源である〝精〟は
発育・成長・ 生殖に関わる〝腎(じん)〟に蓄えられる。〝腎〟を 補うクコの実は漢方の考えを元にするとアンチエイジング 食材といえる。
 果実はもちろん、根・葉・木の皮などあらゆる部分を活かす。秋に収穫するが中国では肝臓の機能が低下する春に摂ることが多いのだそう。


☑身体の特徴や変調を表す五行色体表を参考にすると肝(かん)と目が関連することから、肝の状態が目に大きく影響するとされる。
そこで助けになるのがクコの実。摂取量の目安は体質や体調により異なるものの1日10~20粒で毎日こまめに摂るのがオススメとのこと。


☑乾燥させたクコの実をそのまま摂ることも可能。そのほか、お粥・サラダ・パスタやピザのトッピング、グラノーラ・ヨーグルト・アイスのトッピング、スムージー、枸杞酒、枸杞茶など様々な方法で摂ることができる。
但し、熱に弱いビタミンB1やC・ルチンなどの成分を含むため加熱し過ぎないようにする。
・枸杞茶
なつめ+竜眼肉+クコの実や菊花+竜眼肉+クコの実などのブレンド
・クコの実のビネガー漬け
クコの実をざるに入れて湯通しし、バルサミコ酢(orりんご酢)にお好みの分量の水とクコの実を入れてしばらく置いたら出来上がり。
冷蔵庫で約1週間保存可能でそのまま食べてもヨーグルトなどのトッピングにするのもオススメとのこと。また、炭酸と割ってクコサワーにしてハチミツで甘味をつけるのも⚪。





今回はゴジベリーとも呼ばれる【枸杞(くこ)の実】についてご紹介しました。
杏仁豆腐や薬膳鍋で用いられているのを目にした事がある方もいらっしゃるかもしれません。
あの小さな実に様々な栄養価がある上、多くの効能が得られるとは驚きです。
そのまま摂ることもできますが、食事やスイーツのトッピングとしても用いることができる食材です。お好みの方法で取り入れてみて下さい。