【蕗の薹(ふきのとう)】
東洋医学的特徴 ①苦味 ②涼性
中国では〝蜂頭菜(ほうとうさい)〟と呼ばれる。
《効能》 
・解毒、解熱
・気血を巡らせる
・むくみをとる
・浄血作用を持つ
・胃腸の働きを高め食欲を増進させる
・打撲による内出血や腫れを抑える
・扁桃腺炎の症状をやわらげる





《ふきのとう あれこれ》

・蕗の薹(ふきのとう)の苦味成分
アルカノイド、ケンフェノール、フキノリドなどが含有する。その中でも〝アルカノイド〟は肝機能を強化して春の時季ののぼせやだるさを解消する働きを持つ。

・独特な苦味には肝臓の解毒作用を高めて新陳代謝をUPさせたり、胃腸の働きを高めたりする効果がある。

・肺を温め、咳を治し、痰を消し、肝(かん)を洗い、目を明らかにし中風(ちゅうふう=脳血管障害の後遺症である半身不随、片麻痺、言語障害、手足の痺れ etc)の証(しょう)を治す。

・民間療法として、生葉は解毒作用を活かして蜂に刺された際や蛇にかまれた際の治療に用いられ、生根は血の滞りを取り去る働きを活かして打ち身や捻挫、扁桃腺炎に対して根茎を煎じてうがいするという治療法がとられることもあったのだそう。

・ふきのとうの〝ふき〟が〝拭き(ふき)〟に由来するという説があるのだそう。ふきの葉が紙や布の代用品として用いられていたことによるのだそう。





《ふきのとう 灰汁抜き方法》

①鍋にたっぷり入れた水に大さじ1の塩、または重曹を大さじ1を入れふきのとうとともに3分沸騰させる。

②硬さ・風味の好みに応じて30分~1晩しめる
※苦味を抑えるには。。。
・長めに水にさらす
・サッと茹でる





《苦味が持つ働き》
・清熱➡️身体の熱をとる
・燥湿➡️身体の余分な水分を取り除く
・解毒➡️身体の老廃物を取り除く
・鎮静➡️神経の興奮を静める

胃腸機能が低下すると溜め込みモードになってしまうため、デトックスできる身体を保つために胃腸機能(消化・吸収)を整えておくことが大切です。
人も動物と同様に冬は身体が溜め込みモードに切り替わるため、春になると冬の間に溜め込んでしまった悪いものを排泄しようというモードに切り替わります。そこで力を発揮するのが【苦味】です。





特に肝臓の解毒作用が高めるため、春が訪れたら苦味が特徴的な〝山菜〟を積極的に摂りましょう。但し、皮膚に湿疹が出やすい、皮膚に炎症を起こしやすいタイプである場合には控えめに。
また、苦味は鎮静効果も期待でき、例えば気が高ぶる・興奮する・頭部に血が上るといったタイプに効果的なのでオススメです。





《春にデトックスするメリット》

🔘花粉症対策(アレルギー対策)になる
アレルギーの炎症反応を解毒するのが肝の働き。余分な炎症をデトックスしたり、入ってきても起きる炎症を素早くデトックスできると症状が回復しやすい。デトックスが追いつかないと症状が年々強くなっていくことも。

🔘風邪や感染症の予防になる
肝の解毒によりウイルスが解毒され予防につながる。

🔘身体が春モードへ切り替えやすくなる、新陳代謝が促される
ヒトの身体も動植物と同様に冬季に代謝が低下する。春へと移ろう過程で日照時間増えたり、気温が上がるにつれて徐々に代謝が上がっていく。その過程を見逃さず、余分なものをデトックスすると春眠もはねのけられる。





今回は春が旬の【蕗の薹(ふきのとう)】についてご紹介しました。
自然の中へ目を向けると春は新芽の季節。ヒトの身体も同様に冬の間に溜まっていった老廃物を春に向けて上がっていく代謝によって体外へ排出していく時季です。
苦味の食材を摂ることで不要なものをデトックスして気持ちの良い春を迎えましょう。