【雨水(うすい)】
降る雪が雨へと変わり、雪解けが始まる頃を指す。
2/19当日、もしくは2/19から~3/4(次の時節〝啓蟄(けいちつ)〟の前日)までの期間を表す。
山に積もった雪もゆっくりと解け出し田畑を潤し、凍っていた大地がゆるんで目覚め草木が芽生えるとされる。
昔から雨水は農耕を始める時期の目安とされてきたのだそう。





雨水の頃の季節を表す言葉として〝三寒四温〟がありますが、元々中国や朝鮮半島で使われていたのだそう。
本来は冬の気候を表しますが、気候の異なる日本では寒暖の差が現れやすい早春の季節の移り変わりを表す言葉として使われることが多くなったようです。





《ひな人形を飾るタイミング》

ひな人形は立春を迎えたら飾ってよいとされています。具体的にいつ?と考えてしまいますが〝雨水〟に出すのがオススメだといわれています。これはひな祭りが厄を移して人形を水に流すという水に関する行事であることが由来しているようです。
水が豊かになる雨水にひな人形を飾り始めると良縁に恵まれると言い伝えられています。
雨水の期間に入った日や休日、大安など縁起の良い日を選ぶと良いかもしれません。また、ひな祭りの直前や前日に飾る〝一夜飾り〟は避けた方が良いでしょう。





《雨水の時期に旬を迎えるもの》

・春キャベツ
独特の丸みがあり、重なりや巻きが緩やかで葉が柔らかく甘みがある。胃腸を整える食材として。


・菜花
アブラナ科の野菜で蕾・茎・葉を戴く食材。独特のほろ苦さがあるものの、茹でるとやや甘みが出るためお浸しや和え物がオススメ。
[①菜花と②菜の花の違い]
①アブラナ科の〝野菜〟として出回るもの
あぶら菜、小松菜、チンゲン菜などの若い茎や蕾を指す
②アブラナ科アブラナ属の植物の総称
キャベツ、ブロッコリー、カリフラワー、 ザーサイなどの花


・からし菜
種は和がらしの原料に。種子は生薬として神経痛や捻挫などに効果的で湿布として用いられる。


・蛤(はまぐり)
蛤の二枚の貝殻は対のものでそれ以外合わないことから夫婦和合の象徴として祝事に用いられる。


・公魚(ワカサギ)
ワカサギ釣りは北海道や本州の山間部の湖の冬の風物詩になっている。
江戸時代に霞ヶ浦のワカサギが年貢の一部として幕府に献上された際に大変喜ばれ、御公儀の魚(将軍家御用達の魚)とされたことが由来で〝公魚〟という字があてられるようになったのだそう。
冬から春にかけて産卵を控えたメスは子持ちで非常に味が良いとのこと。かき揚げ・天ぷら・フライなどの揚げ物、素焼きや佃煮などで味わうことができる。


・いちご
ビタミンCが豊富。本来の旬は3~4月。但し、現在ではハウス栽培の技術の向上や品種改良により早まっているのだそう。クリスマス時期の12月後半~1月にかけて出荷量が増え、流通のピークは2~4月とされている。
生食はもちろんのこと、そのほかにスイーツの材料、加工品としてジャムやシロップ漬け・ドリンクなどにも利用される。


・沈丁花(じんちょうげ)
早春に紅紫色、または白色の香りの強い花を咲かせる。花に見える部分は〝がく〟が変化したもので本来の花弁ではないのだとか。
花の香りを沈香(じんこう)と丁字(ちょうじ)とい2つの香料にたとえたものが沈丁花の名前の由来なのだそう。


・河津桜
静岡県河津町で発見された品種。ソメイヨシノに比べて濃く明るいピンクの花びらを咲かせる早咲きの桜。





今回は二十四節気【雨水(うすい)】についてご紹介しました。
2月下旬というとまだまだ寒い時季ではありますが、三寒四温という言葉があるように寒さと暖かさが行ったり来たりを繰り返しながら春に近づいていく時季でもあります。
次の時節である3/4【啓蟄(けいちつ)】に近づくにつれて様々な生命が動き始め、春の訪れを感じる機会も増えることでしょう。
この時季の旬で春を先取りするのも良いかもしれません。