【艾(ヨモギ)】 生薬名:艾葉(がいよう)
東洋医学的特徴 
①温性 温経止血(おんけいしけつ)
②苦味、辛味
[苦味] 乾燥させる
[辛味] 通す、散らす

《艾葉はどんな時に用いられる?》
・虚寒(冷え)による出血など温めながら止血したい時
・冷えによる痛み(特に下腹部痛)を解消したい時
・痒みを止める外用薬として
・経絡の気血の流れを良くする(ヨモギの葉の裏にある絨毛はお灸に用いられるもぐさの原料)





艾(よもぎ)は野山や土手、道端などに自生しているキク科の多年草。
春になると一気に芽吹き3~5月の新緑の時季に旬を迎えるといいます。
強い生命力と若葉のさわやかな香りを持つヨモギは古代より邪気を祓うと信じられており、魔除けや邪気祓いとして用いられてきたのだそう。
ヨモギの葉は艾葉(がいよう)と呼ばれ、身体の芯から温める生薬として冷え性や冷えからくる痛みに応用されています。





《ヨモギの薬効や活用法》

・民間薬として用いられ、切り傷の出血や虫刺されなどに生の葉の汁を塗る

・冷え、腰痛、痔に対しては浴湯料として用いる

・全草は腹痛、貧血、下痢、便秘、神経痛、リウマチ、腰痛、食あたりなどに煎服する

・若葉の青汁は高血圧、動悸、息切れに効果的

・漢方では葉を温補や止血作用を目的として腹部の冷痛、鼻血、吐血、下血などに用いる。特に婦人科疾患の止血薬や安胎薬として効果が期待できる。

・葉の裏の絨毛はお灸に用いるもくざの原料として用いられる

・ヨモギ餅、ヨモギ大福、ヨモギ蒸しパン、ヨモギのパウンドケーキなど食用としても用いられる





《ヨモギが配合されている主たる漢方薬》
🔘キュウ帰膠艾湯(キュウキキョウガイトウ)
※キュウはくさかんむりの下に弓
ヨモギの止血作用を利用して各種出血に用いられる

《ヨモギ風呂》
冬の寒い時季や三寒四温の春の心身の不調を整えてくれる。
下記のいずれかの方法でヨモギ風呂を作る。

・ヨモギ茶のティーパックを湯船に入れる
・乾燥したヨモギの葉をネットに入れたり布に包んだりしたものを湯船に入れる
・濃くしたい時には20分程度煎じた後に煎じ液と生薬を湯船に入れる





今回は温め効果抜群の【艾(ヨモギ)】についてご紹介しました。
ヨモギは私たちにとって数多くある薬草の中でもお馴染みの存在かもしれません。
食用としても漢方としても、様々な効果が期待できるので冬から春にかけての養生の1つとして【艾(ヨモギ)】を取り入れてみてはいかがでしょうか?