【かぶ】
漢名:蕪菁(ぶせい)
 東洋医学的特徴 ①辛味、甘味、苦味 ②平性
旬は3~5月の春、10~1月の秋
春物は柔らかく、秋物は甘味が強いのが特徴

《薬膳的効能》
・身体を温める
・胃を温め食欲を増進させる
・消化を助ける(※1)
・腸内のガス抜き
・五臓を補う
・ゲップを止める
・上がってしまった気を降ろす(※2)
・咳を止める
・解毒作用

(※1)かぶに含まれる消化酵素は長く加熱すると失われるため和え物や漬物で食べるのがオススメとのこと。

(※2)停滞した気、上逆した気を下降させることで脾胃のつかえやもたれ・吐き気・嘔吐・お腹の張りなどを症状を改善する。

[効能の応用]
消化不良、上腹部が張って苦しい、黄疸、糖尿病、バセドウ病(甲状腺機能亢進症)etc.





《かぶのあれこれ》

・春の七草の1つでスズナという呼び名もある

・五臓を補って身体の中を温める効果がある。

・冷えによる胸や腹部の痛みを和らげ、消化不良や便秘にも効果的。 

・かぶの根は大根と同様、消化を促進させる効果が期待できジアスターゼが豊富な上、葉酸も豊富。

・かぶの葉にはβ-カロテン、ビタミンC、ビタミンB1、ビタミンB2、鉄分、カルシウム、カリウム、リンなどの様々な栄養素を含む。味噌汁や塩もみして食べるのがオススメ。

・かぶ(カルシウム、ビタミン、たんぱく質)+生姜(消化促進、冷え性対策)+柚子(イライラやのぼせの解消)の組み合わせがオススメ。





中国の民間療法では頭痛・便秘・ニキビの治療に用いられることがあるようです。
また、身体の特徴や変調を表す五行色体表を参考にすると、白色であるかぶは肺と秋と関連することから残暑で肺に溜まった余熱を取り除いて機能を高める働きが期待できるため古来から重宝されてきたといわれています。





《かぶの部位や調理法による効能の違いは?》

□声嗄れにかぶのおろし汁

声嗄れが気になる時にはかぶをすり下ろした際に出るおろし汁を飲むのがオススメ。
また、おろし汁にお湯と氷砂糖を混ぜて飲むと咳を鎮める効果が期待できるとのこと。声を使う仕事をされている方や花粉症などのアレルギー症状がある方にオススメ。


□胃が重い、 ガス溜まりが気になる際にはかぶを〝煮る〟

胃が重くもたれたり、ガスが溜まってお腹が張る感覚がある場合にはかぶを〝煮て〟食べることでそれらの症状がスッキリするといわれたいます。かぶにはガス抜きの働きも期待できるのです。


□便秘や下痢にかぶの種

便秘や下痢にはお湯にかぶの種を砕いたものを溶かして飲むと良いといわれているのだそう。
量の目安としてお湯に溶かしたもので7~10g、茶さじ 1杯程度とのこと。


□しもやけやあかぎれにかぶの葉や根

①かぶの葉や根に塩を少々
②これらをすりこぎでよく突く
③完成したものを1日3回 患部に塗る





今回は胃腸を温める働きを持つ【かぶ】についてご紹介しました。
薬膳においてかぶは実はもちろんですが、その元になる種・葉・根まで余すことなく使うことのできる食材です。それにとどまらず花も活用できるといいます。春のうちに陰干しして乾燥させたかぶの花は疲れ目に効果があるのだそう。
旬は年に2度あり手に入りやすい食材であ
る上、幅広い効能が期待できる【かぶ】を是非召し上がっていただきたいです。